
もふもふのにゃんたる
ピアノの練習日
ピアノは、上手じゃないんだにゃ。
それでも、毎日少しだけ弾くことにしてる。
習いに行ってるわけじゃないし、誰かに聴かせるわけでもない。
ただ、鍵盤を押すと、音が出る。それが、ちょっとだけ、不思議で気持ちいい。
『弾ける曲』はまだ、ひとつだけ。
でも、その一曲を弾いてる時、ぼくは、世界でいちばんピアノが得意な気がしてる。
たぶん、誰かと比べないっていうのは、すごく贅沢なことなんだにゃ。
比べない時間のなかで、ぼくは、ようやく、ぼくのままでいられる。
……肉球って、けっこう鍵盤に向いてないんだにゃ。
ふたつ同時に押さえちゃう。でも、このお手々が、ぼくは好きなんだにゃ。