街が、こんなに小さく見える場所があったとは、知らなかったにゃ。
近所の木に登ってみたら、いつも歩いてる道がぜんぶ見える。
ぼくのうちも、商店街も、お師匠さんのお寺も。
ぜんぶ、おもちゃみたいだった。
『高いところから見ると、小さなことがどうでもよくなる』って、誰かが言ってた。
たぶん、本当なんだにゃ。
今日のぼくの悩みも、この木の上から見ると、家とおなじくらいの大きさだ。
……ちなみに、降りられなくなって、しばらくここにいた。
高いところに登るのは、猫の本能。
でも、降りられない時の言い訳を考えるのは、たぶん、人間の習慣なんだにゃ。