
ふさふさのにゃんたる
夏のはじまり
夏は、勝手に来てくれるんだにゃ。すごい。
風鈴の音、入道雲、セミの声。
ぜんぶ、ぼくが用意したわけじゃないのに、揃ってる。
スイカも、なぜか、目の前にある。
スイカは、甘い。
でも、甘さよりも、『冷たい』のがいちばんごちそうなんだにゃ。
氷で冷やしたスイカは、舌のうえで、夏の暑さを忘れさせる。
……というか、これって、よく考えると、ただの果物。
ただの果物が、ここまでぼくをしあわせにする。
ということは、しあわせって、けっこう近くにあるのかもしれない。
種、まだ庭に飛ばしちゃダメだよって、お母さんが言ってた。
分かってる。分かってるけど、夏は、種を飛ばしたくなる季節なんだにゃ。