夜になると、庭が、ぼくの知らない言葉でしゃべりだすにゃ。
何を言ってるのかは、わからない。
でも、悪口じゃないことだけは、なんとなくわかる。
目をつむると、声のする場所が、ひとつずつ見えてくる。
石のかげ。すすきの根もと。たぶん、灯ろうのうしろにも、ひとり。
……もしかしたら、向こうも、ぼくの音を聞いてるのかもしれない。
しっぽが縁側をこする音とか、ぼくのちいさなため息とか。
そう思ったら、夜が、ちょっとだけにぎやかになった。
ところで、いちばん近くで鳴いてるやつを、ほんとは、ちょっとつかまえてみたいにゃ。