『違う』って、悪いことじゃなかったんだにゃ。
いまは、そう思える。
ぼくの耳は、生まれつき、ぺたんと折れてる。
他のねこの耳は、ぴんと立ってるのに、ぼくのは、垂れてる。
最初は、すこし、気にしてた。
『なんで、ぼくだけ違うんだろう』って。
でも、ある日気づいた。
ぴんと立ってる耳は、ぴんと立ってる耳でかわいい。
垂れてる耳は、垂れてる耳でかわいい。
それは、比べるものじゃなかった。
ただ、違う。それだけ。
……鏡のなかのぼくが、ちょっと笑った気がする。
そういえば、笑ってる時、ぼくの耳って、もうちょっと折れるんだにゃ。