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家族・親子

義実家と仲よくできたら、夫婦もうまくいく?

…16年追いかけると、近さが守りになる夫婦と、重さになる夫婦がいたにゃ。

この研究を一枚で
問い
結婚したばかりのころの、義理の家族との近さ。それは、その後の離婚とつながっている?
どこで
アメリカ・ミシガン州で1986年に結婚した373組(黒人の夫婦199組・白人の夫婦174組)を、結婚16年目まで追いかけた(Orbuch ほか 2013)
どうやって
結婚1年目に「相手の家族とどのくらい親しいと感じるか」を4段階で聞き、その後16年の離婚と照らし合わせた
わかったこと
夫が妻の家族と親しいほど、離婚は少なかった(1段階ごとに約2割)。妻のほうは向きが分かれ、黒人の夫婦では親しいほど少なく、白人の夫婦では親しいほど多かった
その後の研究
同じ夫婦を調べ直すと、妻の家族とどのくらい親しいかについて夫と妻の見方がずれている夫婦ほど、離婚が多かった(2021年の研究)

こんな会話、ないにゃ?

来月、母さんの誕生日だから顔出そうよ
うん…そうだね
うちの親、きみのこと気に入ってるし
(気に入られてるのは、うれしい。でも、少し重い)

義実家と仲よくできたら、夫婦もうまくいく。
そう思って、がんばってきた人も
いるかもしれないにゃ。

でも、近いことが
いつもラクとは限らないにゃ。

結婚したばかりの夫婦を16年追いかけて、
義理の家族との近さを調べた研究があるにゃ。

🧪 研究 新婚の373組を、16年

夫が妻の家族と
親しいと感じていた夫婦は、
その後どうなった?

社会学者のオーバックさんたち(2013年)は、1986年にアメリカ・ミシガン州で結婚した373組の夫婦を、結婚16年目まで追いかけたにゃ。黒人の夫婦199組と、白人の夫婦174組。どちらも初めての結婚で、結婚1年目の年齢は平均24歳だったにゃ。

結婚1年目に、夫と妻それぞれに「相手の家族と、どのくらい親しいと感じる?」を4段階で聞いたにゃ。それを、その後16年のあいだに離婚したかどうかと照らし合わせたにゃ。

予想してみるにゃ

結婚1年目に、夫が「妻の家族と親しい」と感じていた夫婦。その後16年の離婚は、どうだったと思う?

📊 結果の読み方

夫の近さは守りに。
妻の近さは、
夫婦によって逆だった

📊 わかったこと(夫)

夫が妻の家族を親しく感じるほど、
16年のあいだの離婚は少なかった。
親しさが1段階上がるごとに、約2割

あなたの実家で、夫がくつろいでいられるか。お正月に、あなたの親と自然に話せているか。

そんな結婚1年目の小さな近さが、16年先の夫婦とつながっていたにゃ。

予想してみるにゃ

では、結婚1年目に妻が「夫の家族と親しい」と感じていた夫婦は?

黒人の夫婦

妻が夫の家族と親しいほど、離婚は少なかった

夫のときと同じく、近さが守りの向きに出ていたにゃ。

白人の夫婦

妻が夫の家族と親しいほど、離婚は多かった

義実家と仲よくしている妻のほうが、その後に離婚しやすかったにゃ。

この研究が紹介されたころ、「妻が義実家と親しいと、離婚が2割増える」と広まったことがあったにゃ。でも論文では、妻のほうは夫婦によって向きが逆で、ひとくくりに「増える」わけではなかったにゃ。

🤔 なぜ、近さの効き方がちがうのか

同じ「近さ」でも、
助けとして届くか、
口出しとして届くか

夫のほうについて、研究者たちはこう考えているにゃ。夫が妻の家族と親しくなることは、妻とのつながりを強めることにもなるのかもしれない。妻にとって、自分の家族と夫がうまくやってくれることは、大きな意味をもつことが多いからにゃ。

妻のほうで向きが分かれたことには、ふたつの説明が出されているにゃ。

守りになる近さ

手助けと、励まし

黒人の夫婦では、義理の家族からの子どもの世話や家のことの手助け、励ましが、暮らしの大変さから夫婦を守っていたのかもしれない、という説明にゃ。

重さになる近さ

ふたりの境目が、あいまいになる

白人の夫婦では、新婚のうちに夫の家族と近くなりすぎると、ふたりだけの絆を作る前に境目がぼやけて、だんだん口出しのように感じられていくのかもしれない、という説明にゃ。

近いか遠いかより、その近さが何を運んでくるかで、効き方が変わるのかもしれないにゃ。

🔍 その後の研究

ふたりは、
同じ「近さ」を
見ていた?

2021年に、同じ夫婦をもう一度調べ直した研究があるにゃ。今度見たのは、ふたりの答えのずれ。

妻の家族とどのくらい親しいか。夫と妻に別々に聞いた答えがずれている夫婦ほど、その後の離婚が多かったにゃ。それぞれの親しさの高い低いをそろえて比べても、だったにゃ。

夫は「うまくやれてる」と思っていて、妻は「そうでもない」と思っている。そんなずれが、16年先までつながっていたにゃ。

新婚のころだけの話でもなさそうにゃ。結婚して20年ほどの夫婦を調べた別の研究でも、義理の親とのこじれが、数年後の「夫婦としてうまくいっている」感覚の低さとつながっていたにゃ。

ただ、これは1986年のアメリカで結婚した夫婦の話にゃ。比べたのも、結婚1年目の親しさにゃ。義実家と親しくすれば離婚しない、とまで言えるわけではないにゃ。

📱 今に置き換えて考える

義実家との近さは、
いろんな形でやって来る

1986年の夫婦にとって、義理の家族との近さは、会う回数や電話の長さだったはずにゃ。

いまは、近さの形がもっといろいろあるにゃ。

近さが、距離で来る

歩いて行ける「近居」

義実家の近くに住む「近居」を選ぶ家もあるにゃ。行き来は楽になるし、頼りにもなる。でも、研究で白人の妻に見えた「境目がぼやける」重さは、玄関が近いほど感じやすいのかもしれないにゃ。

近さが、手助けになる

共働きの「お迎え、お願いできる?」

保育園からの急な呼び出し、子どもの熱。義実家の手助けで回っている共働きの家もあるにゃ。黒人の夫婦で近さが守りになっていたのも、こうした手助けのおかげだったのかもしれないにゃ。同じ近さでも、助けを運んでくるなら、ありがたさのほうが勝つのかもしれないにゃ。

近さを、ふたりで見る

「うちは仲いいよね」は、ふたりの答え?

夫は「うまくやれてる」と思っていても、あなたは義実家から帰る車の中で、いつも少し黙りこんでいるかもしれない。調べ直した研究で見えたずれは、いまの家にもありそうにゃ。あなたの実家のことを夫がどう感じているかも、聞いてみる値打ちがありそうにゃ。

近いか遠いかを決める前に、ふたりが同じ近さを見ているか、たしかめてみる。それだけでも、すれ違いはひとつ減るかもしれないにゃ。

あなたならどれ?

義実家との距離。いまのあなたにいちばん近いのは、どれ?

🐱 猫の国の研究所より

ねこたちは、
論文の中に
「がんばり」を探したにゃ。

義実家とぎくしゃくすると、
数えなおしたくなるもの。
電話の回数。手みやげ。
お正月に台所に立っていた時間。

そういう欄は、
論文のどこにもなかったにゃ。

聞かれていたのは、ひとつだけ。
「相手の家族と、どのくらい
親しいと感じる?」

16年先とつながっていたのは、
その感じ方と、
ふたりの答えがそろっているか
どうかだったにゃ。

親しく感じていたから続いたのか、
うまくいっている夫婦だから
親しく感じられたのか。
そこまでは、答えの数字からは
見分けられないにゃ。

それでもねこたちには、
義実家とのことが、いつのまにか
あなたひとりの宿題に
なっている家が多いように見えるにゃ。
研究で数えられていたのは、
いつも、ふたり分の答えだったにゃ。

義実家との近さには、
向きがふたつ
あったにゃ。

「来月、母さんの誕生日だから
顔出そうよ」。
あの会話の近さは、
あなたから、夫の家族へ向かうほう。

黒人の夫婦でも白人の夫婦でも、
離婚が少ないほうに出ていたのは、
もうひとつの向き。
夫から、あなたの家族への
近さだったにゃ。

お正月、あなたの実家で、
夫はどんな顔をしているかにゃ。

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Orbuch, T. L., Bauermeister, J. A., Brown, E., & McKinley, B. D. (2013). Early family ties and marital stability over 16 years: The context of race and gender. Family Relations, 62(2), 255-268. リンク
Fiori, K. L., Rauer, A. J., Birditt, K. S., Brown, E., & Orbuch, T. L. (2021). You aren't as close to my family as you think: Discordant perceptions about in-laws and risk of divorce. Research in Human Development, 17(4), 258-273. リンク
Bryant, C. M., Conger, R. D., & Meehan, J. M. (2001). The influence of in-laws on change in marital success. Journal of Marriage and Family, 63(3), 614-626. リンク
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
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