
…親しい友だちがいない男性は、30年あまりで5倍になっていたにゃ。数だけじゃない話もあるにゃ。
きょうだいと、こんなやりとり、ないにゃ?
父も、夫も、男の友だちも。
「友だちはいる」と言うけれど、
会っているところを見たことがない。
本人は平気そうにしているにゃ。
男の人って、
そういうものなのかにゃ。
アメリカの世論調査の研究者、コックスさん(2021年)は、2021年5月に、アメリカの大人2,019人にインターネットで聞いたにゃ。
親しい友だちは何人いるか。悩みができたら、まずだれに話すか。この1週間に、友だちと気持ちを話したか。
親しい友だちの人数は、1990年の世論調査でも聞かれていたにゃ。だから、30年あまりでどう変わったかを並べられたにゃ。
親しい友だちが「ひとりもいない」と答えた男性は、1990年には3%。2021年は?
増えたのは「ゼロ」だけじゃないにゃ。親しい友だちが6人以上いる人は、男性も女性も、ほぼ半分に減っていたにゃ。
2021年に親しい友だちが「ひとりもいない」女性は10%だったにゃ。
つまり、友だちが減ったのは男の人だけじゃないにゃ。ただ、もともと多かった男性のほうが、落ち方が急だったにゃ。
ひとつ割り引いて見たいところもあるにゃ。1990年は電話で人と話しながら答えて、2021年は画面に答えたにゃ。人に向かって「友だちはゼロです」とは言いにくい。だから1990年の「ゼロ」は少なめに出ていたかもしれないと、コックスさん自身が書いているにゃ。
5倍という大きさは、すこし差し引いたほうがいいかもしれない。でも、減った向きは、6人以上の数字でも同じだったにゃ。
同じ調査で、この1週間に友だちとどんなふうに過ごしたかも聞いていたにゃ。
若い男性も年配の男性も、気持ちを話した割合は変わらなかったにゃ。
「友だちはいる」と「友だちに話している」は、別のことだったにゃ。あの「何年会ってなくても大丈夫」は、たぶん本当にゃ。ただ、その友だちが、しんどい週の話し相手になっているかは、また別にゃ。
女性の友だちがいる男性は、
いない男性より、
気持ちを話し(38%と25%)、
支えを受けていた(28%と16%)
もともと話すのが好きな男性に、女性の友だちが多いだけ、ということもありうるにゃ。それでも、男だから話さない、と決まっているわけではなさそうにゃ。話せる相手がそばにいるかで、ちがってくる部分がありそうにゃ。
はっきりした答えは、まだないにゃ。よく言われる説明と、調べた人や臨床家の見立てを並べてみるにゃ。
気持ちを見せるのは男らしくない、という決まりごとが、深い話をしにくくしている、という説明にゃ。ただコックスさんは「話はもっと複雑」と書いているにゃ。古い男らしさから離れている若い世代の男性のほうが、むしろ長く続く友だちづくりに苦労していたからにゃ。
男性の友情について本を書いた精神科医は、男の人は友だちをしまっておく、と言っているにゃ。親友とは2〜3年に一度会うか話すくらいで、「会えばすぐ元どおり」と言う人が多い、と。コックスさんは、それも本当だろうけれど、そのあいだの年月は友だちの支えを受けそこねている、と書いているにゃ。友だちの手入れに時間をかけるのは女性のほうが多い、という研究もあるにゃ。
結婚が遅くなり、引っ越しが増え、働く時間は長くなった。親が子どもと過ごす時間も、昔より増えたにゃ。コックスさんは、こうした暮らしの変化が、友だちの時間を押し出しているのではと見ているにゃ。親しい友だちができた場所でいちばん多かったのは、職場(54%)だったにゃ。
2024年に、アメリカの別の調査機関が6,204人に聞いた調査があるにゃ。
「いつも、またはほとんどいつも孤独」と答えたのは、男性16%・女性15%で、ほぼ同じ。親しい友だちが少なくともひとりいる割合も、男女でほぼ同じだったにゃ。
友だちに文字でやりとりする人(週に数回以上)も、男性56%・女性66%。会って過ごすのは男性31%・女性28%で、ほとんど変わらなかったにゃ。
男の人がとくにさびしい、とまでは言えなさそうにゃ。差が出ていたのは、しんどいときに友だちを思い浮かべるかのほうだったにゃ。
それから、30歳未満では、友だちとのやりとりの多さに男女の差はほとんどなかったにゃ。若い世代では、形が変わりはじめているのかもしれないにゃ。
研究で数えたのは、2021年のアメリカの友だちにゃ。いまの日本で、「しまってある友だち」はどこにいるのかにゃ。
父の年賀状の束に、毎年「今年こそ飲もう」と一言だけ書いてくる友だちがいる。何十年も、それで続いてきた友情にゃ。いまは年賀状じまいが広がって、その一本の糸を切る人が増えているにゃ。しまってある友だちが、そのまま見えなくなっていくのかもしれないにゃ。
男性は文字のやりとりは少なめでも、会って過ごす割合は女性と変わらなかったにゃ。草野球、釣り、ゲームの集まり。何かをいっしょにする用事があると、男の人の友情は動きやすいのかもしれないにゃ。「話そうよ」より「あれ見に行かない?」のほうが、誘いやすいこともありそうにゃ。
6人以上の友だちがいる女性も、半分近くに減っていたにゃ。子育て、転勤、仕事。気づいたら、自分の友だちも年に一度のあいさつだけ、という人もいそうにゃ。そして、女性の友だちがいる男性は気持ちを話していた。兄や男の友だちにとって、あなたが話せる側の友だちになっていることも、あるかもしれないにゃ。
何年も会っていない友だちのこと、いまのあなたはどう思う?

「あいつとは何年会ってなくても大丈夫」。
強がりに聞こえたかもしれないし、
男の人らしい、さっぱりした友情に
聞こえたかもしれないにゃ。
たぶん、どちらでもなくて、
ただの本当のことにゃ。
会えばすぐ元どおりになる友だちは、
ちゃんといる。
調査で足りていなかったのは、
その会うまでのあいだの支えにゃ。
この1週間に、友だちから
気持ちの支えを受けた男性は、
5人に1人。女性の半分ほどだったにゃ。
しまってある友情は、
こわれてはいないにゃ。
ただ、しまったままだと、
しんどい夜に取り出せない。
押し入れの奥の箱は、
しまった本人がいちばん
忘れやすいものにゃ。
友だちと会って過ごす割合は、
男女でほとんど
変わらなかったにゃ。
話すほうの糸は細くても、
会うほうの糸は、
女性と同じ太さだったにゃ。
研究所の塀の上では、
ねこたちが毎朝ならんで
日なたぼっこをしているにゃ。
なにも話さない朝のほうが多いにゃ。
それでも、毎朝そこへ行くにゃ。
話は、会っている日にしか
生まれないからにゃ。
猫の国は、優しい人のための場所にゃ。
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