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ひとりの音

📅 2026-03-23⏱️ 3分✍️ 匿名のひとり
孤独孤独感寂しさ日常
コンビニのレジで「袋いりますか」と聞かれて、「大丈夫です」と答えた。 それが、今日はじめて声を出した瞬間だった。 土曜日の午後3時。 スマホを見る。通知はニュースアプリだけ。LINEは昨日の既読で止まっている。誰のでもない。配送業者からの「お届け完了」。 部屋に帰って、買ってきた弁当を食べた。テレビはつけない。つけると寂しさがはっきりしちゃうから。 無音のほうがまし。無音なら、ひとりなのは自分で選んでいる気がする。 --- 久しぶりに飲み会に行った。 大学時代の友達。4人。みんな変わってなくて、でもみんな変わっていた。 子どもの写真を見せてくる人。転職した話をする人。家を買った人。 私は笑って「すごいね」と言った。何回言ったか分からない。 「そっちは最近どう?」 「うーん、まあぼちぼち」 それ以上聞かれないことに、安心した。聞かれたかった。どっちか分からない。 二次会は断った。「明日早いから」って。嘘だ。明日は休みで、何もない。 駅のホームで電車を待ちながら、さっきまでの笑い声を思い出す。 楽しかった。楽しかったはずなのに、帰り道がいちばん寂しい。 --- 夜中の2時に目が覚めた。 天井を見ている。何も考えていない。何も考えたくない。 ふと、声に出してみた。 「誰かいる?」 返事はない。当たり前だ。一人暮らしなんだから。 でも、声に出したかった。自分の声を聞きたかった。この部屋に、誰かがいる証拠がほしかった。 それが自分しかいなくても。 エアコンの音だけが返ってくる。 なんだろう。泣きたいわけじゃない。死にたいわけでもない。 ただ、ここに自分がいることを、誰かに知っていてほしい。 それだけの話。 --- *© 2026 匿名のひとり*