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恋愛・パートナーシップ

はじめて会ったときのなんとなくは、当たるの?

…にぎやかさは早く見えて、やさしさは時間がかかったにゃ。

この研究を一枚で
問い
初対面の人をほんの短い時間見ただけの第一印象で、その人の性格はどこまで当たる?
どこで
初対面どうしで5分おしゃべりした大学生30人の映像を、334人が見た(Carney ほか 2007)
どうやって
映像を5秒・20秒・45秒・1分・5分のどれかだけ見て、性格や頭のよさを答えてもらい、本人・友だち・親がつけた性格の点数や知能のテストと比べた
わかったこと
外向性や頭のよさは5秒でもそこそこ当たった。協調性(人あたりのやさしさ)や神経症傾向(気分の揺れやすさ)は、もっと長く見ないと同じくらいには当たらなかった。全体でも、長く見るほど当たっていた
その後の研究
顔写真を0.1秒だけ見せた別の研究(2006年)では、印象は一瞬でほかの人の印象とそろった。ただ、本当に当たっているかは調べていない。見る時間をのばして増えたのは、答えへの自信のほうだった

こんな経験、ないにゃ?

はじめて会ったとき、なんとなく合わない気がした
でも、初対面で決めつけるのは失礼かなって
しばらく付き合ってみたら、やっぱり合わなかった
逆に、最初ピンとこなかった人と、いまはいちばん仲よし
(最初の感じって、当たるの? 当たらないの?)

新しい職場の人、子どもの園で会う人、
アプリで知り合った人。

なんとなくとしか言えない
最初の感じが、どのくらい当たるのか。
心理学では、ほんの短い切れ端を
「薄切り」と呼んで、調べてきたにゃ。

🧪 研究 5秒で、何が見える?

30人のおしゃべりを、
5秒から5分だけ見た

「5分に満たない短い切れ端からでも、人は思ったより多くを受け取る」。1992年に、そういう研究をたくさんまとめた分析があったにゃ。音を消した授業の数秒の印象が先生の学期末の評価と重なっていた、外科医の声の10秒が過去に訴えられたことがあるかと結びついていた、という研究もあるにゃ。

じゃあ、その人の性格は、どこまで短い時間で見えるのかにゃ。

心理学者のカーニーさんたち(2007年)は、初対面の大学生どうしが5分おしゃべりする映像を使ったにゃ。映っている30人を、334人が5秒・20秒・45秒・1分・5分のどれかだけ見て、その人の性格や頭のよさを当てたにゃ。

答え合わせの相手は、本人と友だちと親がつけた性格の点数と、知能のテストにゃ。「ほかの人もそう思った」ではなく、ちゃんと当たったかを見ているにゃ。

予想してみるにゃ

5秒だけ見た第一印象で、いちばん当たりにくかったのはどれだと思う?

📊 結果の読み方

にぎやかさは5秒でも。
やさしさは、
時間がかかった

📊 わかったこと

外向性・頭のよさ・まじめさは、
5秒でもそこそこ当たった。
気分の揺れやすさや人あたりのやさしさは、
同じくらい当たるのに、もっと長く見る必要があった

暮らしの言葉にすると、こうにゃ。

よくしゃべる人か、おとなしい人かは、ほんの少し見ただけでもだいたいわかる。でも、あなたが困ったときにやさしくしてくれる人かどうかは、5秒ではほとんどわからない。5分見ても、にぎやかさほどには当たらなかったにゃ。

見る時間と当たり具合(調べた8つ全体で)
5秒0.17
5分0.31

全体としても、長く見るほど当たっていたにゃ。研究者たちは、長さと当たり具合の釣り合いがいちばんいいのは1分くらいだと見ているにゃ。

おもしろいのは頭のよさで、5秒でも5分でも、当たり具合はほとんど変わらなかったにゃ。

研究者たちのまとめは「第一印象は、いつも正しいわけでも、いつもまちがっているわけでもない。何を判断するかと、どれだけ見たかによる」だったにゃ。

🤔 なぜ、やさしさは見えにくいのか

ふるまいに
出やすい性格と、
出にくい性格

ひとつの説明はこうにゃ。にぎやかさは、声の大きさ、よく笑う、よくしゃべる、といった目に見えるふるまいに出やすい。だから短い時間でも、手がかりがたくさんあるにゃ。

やさしさや気分の揺れは、ふだんの場面より、困ったときや疲れたときに出やすい。そして初対面の5分は、たいていの人が感じよくふるまう時間にゃ。

そこでは、みんな同じくらいやさしそうに見えてしまうのかもしれないにゃ。

🔍 その後の研究

顔なら0.1秒で
印象ができる。
でも、それは当たるとは別

2006年の別の研究では、知らない人の顔写真を0.1秒・0.5秒・1秒だけ見せて、「信頼できそう?」「感じがいい?」などを答えてもらったにゃ。

📊 わかったこと

0.1秒で答えた印象は、別の人たちが時間をかけて答えた印象と、よく重なっていた。
見る時間をのばしても、重なり方は大きくは変わらなかった。
増えたのは、答えへの自信のほうだった

ここで比べた相手は、ほかの人の印象にゃ。その人が本当に信頼できる人かどうかは、この研究では調べていないにゃ。

だから、わかったのは「印象は一瞬でほぼできあがる」ということ。「一瞬で人を見抜ける」ではないにゃ。

研究者たちは、あとで会うたびに最初の印象を裏づけているだけなのかもしれない、とも考えたにゃ。これは見立てで、確かめた結果ではないにゃ。

📱 今に置き換えて考える

「はじめまして」は、
いま画面の中で起きる

研究の人たちが見たのは、同じ部屋で動いて話す人の映像だったにゃ。

いまの私たちの「はじめまして」は、アプリのプロフィール写真や、LINEの最初のひと言や、オンライン会議の小さな四角の中で起きることが多いにゃ。

写真だけだと

印象はできる。当たるかは別

プロフィール写真一枚で、「やさしそう」はすぐにできあがるにゃ。でも顔写真の研究で一瞬でそろったのは、ほかの人の印象までだったにゃ。それに写真には、5秒の映像でも当たった「よくしゃべる・よく笑う」といったふるまいが、ほとんど写らないにゃ。

文字だと

手がかりは、もっと少ない

LINEやメッセージの最初のやりとりには、声も表情も身ぶりもないにゃ。文字だけで人を見た場合は、この研究では調べていないにゃ。文字の感じでできた印象は、仮の札くらいにしておいていいと、ねこたちは思うにゃ。

会ってからは

やさしさは、困った場面で見えてくる

職場の新しい人も、子どもの園で会う人も、義実家との初顔合わせも、最初はだれでも感じよくふるまう場にゃ。研究でいちばん時間がかかったのは、人あたりのやさしさだったにゃ。予定が急に変わったとき、だれかが失敗したとき、その人がどうするか。そこで見えてくるものがあるにゃ。

何度も会う関係でどう変わるかは、研究のその先の話にゃ。

だから最初の感じは捨てずにメモしておいて、会うたびに答え合わせするくらいが、ちょうどいいと思うにゃ。

あなたならどれ?

初めて会った人のことを考えるとき、いまのあなたがいちばん頼りにしているのは?

🐱 猫の国の研究所より

「なんとなく」の
中身を、
のぞいてみたにゃ。

「なんとなく合わない」。
理由を聞かれても、
うまく言えない感じにゃ。

5秒の映像でもそこそこ当たったのは、
にぎやかさ、まじめさ、頭のよさ。
人あたりのやさしさは、
5秒ではほとんど当たらなかったにゃ。

ねこたちが表をながめていて思ったのは、
最初の「なんとなく」は、
でたらめではないけれど、
見ている場所がかたよっている、
ということにゃ。

「合わない」と感じたのは、
にぎやかさや、話すテンポの
ずれだったのかもしれない。
その人がやさしいかどうかは、
まだ、ほとんど見えていなかった。

そう読むと、
最初ピンとこなかった人と
いまはいちばん仲よし、という話も、
ふしぎではなくなるにゃ。

とはいえ、「合わない」の正体が
テンポのずれかどうかは、
だれも確かめていないにゃ。
30人の大学生の、5分のおしゃべりの表を、
ねこたちが横から読んだ話にゃ。

ふたりの恋がこの先どうなるかも、
この映像には映っていないにゃ。

30人の映像を、
334人が見て。

にぎやかさは、
5秒で写ったにゃ。
やさしさは、
5分たっても、
うすくしか写らなかったにゃ。

初対面の5分は、
だれもが感じよくいられる時間にゃ。
やさしさが写るのは、たぶん、そのあと。

待ち合わせに遅れた日。
お茶をこぼした日。
お店が、思ったより混んでいた日。

予定どおりにいかない日は、
そばにいる人のやさしさが
はじめて写る日でもあるにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

猫の国には
こんな場所もあるにゃ

🔬 研究所

何度会っても距離が縮まらないのは、時間が足りないから?

📚 図書館

だれかの物語を読む

🛠️ 道具屋

自分を知るための診断ツールを試す

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

📚 参考文献

この記事で紹介した研究

📋 研究所のほかのレポートにゃ

❓
RESEARCH No.94

何度会っても距離が縮まらないのは、時間が足りないから?

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RESEARCH No.96

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RESEARCH No.93

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…ドキドキは、どこから来たのかまでは教えてくれないにゃ。

Carney, D. R., Colvin, C. R., & Hall, J. A. (2007). A thin slice perspective on the accuracy of first impressions. Journal of Research in Personality, 41(5), 1054-1072. リンク
Ambady, N., & Rosenthal, R. (1992). Thin slices of expressive behavior as predictors of interpersonal consequences: A meta-analysis. Psychological Bulletin, 111(2), 256-274. リンク
Ambady, N., & Rosenthal, R. (1993). Half a minute: Predicting teacher evaluations from thin slices of nonverbal behavior and physical attractiveness. Journal of Personality and Social Psychology, 64(3), 431-441. リンク
Ambady, N., LaPlante, D., Nguyen, T., Rosenthal, R., Chaumeton, N., & Levinson, W. (2002). Surgeons' tone of voice: A clue to malpractice history. Surgery, 132(1), 5-9. リンク
Willis, J., & Todorov, A. (2006). First impressions: Making up your mind after a 100-ms exposure to a face. Psychological Science, 17(7), 592-598. リンク
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com