別れを切り出したのは、私からだった。
好きだった。まだ好きだった。
でも、終わらせた。
付き合って1年半。最初は、本当に幸せだった。
毎日LINEして、週末はデートして、「ずっと一緒にいようね」なんて言い合ってた。
いつから変わったんだろう。
彼は優しかった。優しかったけど、その優しさが私を苦しめた。
「俺のこと好き?」
何度も聞かれた。最初は「好きだよ」って答えてた。
でも、だんだん重くなった。
「今日、誰といたの?」
「その男、誰?」
「俺のこと、本当に好き?」
毎日、確認される。毎日、証明を求められる。
愛情の確認じゃなかった。監視だった。
友達と遊ぶと不機嫌になる。帰りが遅いと怒る。男の名前が会話に出ると、質問攻めにされる。
「俺のことが好きなら、できるでしょ?」
その言葉で、いろんなことを我慢させられた。
友達と会う回数を減らした。飲み会は断った。SNSの投稿も減らした。
気づいたら、私の世界は彼だけになっていた。
それでも、好きだった。
「彼は不安なだけ。私が安心させてあげれば、変わる」
そう思ってた。
でも、変わらなかった。
私がどれだけ尽くしても、彼の不安は消えなかった。むしろ、どんどん酷くなった。
ある日、友達に言われた。
「最近、笑わなくなったね」
その言葉で、気づいた。
私、笑ってない。
彼といる時も、一人の時も、ずっと顔がこわばってる。
「私、何してるんだろう」
鏡を見た。疲れた顔の自分がいた。
好きだから頑張ってきた。でも、頑張って何を得たんだろう。
不安。監視。我慢。
これが、恋愛?
違う。これは違う。
別れを決めた夜、眠れなかった。
「好きなのに別れるなんて、おかしいのかな」
何度も自分に聞いた。
でも、もう限界だった。
これ以上一緒にいたら、私が壊れる。
好きだけど、終わらせなきゃいけない。
好きと、一緒にいるべきは、違う。
彼に会った。
「別れたい」
彼は泣いた。「なんで」「俺のこと嫌いになったの」「やり直せないの」
「嫌いじゃないよ。でも、もう無理なの」
「俺、変わるから」
その言葉を、何度聞いただろう。
「ごめんね」
それだけ言って、帰った。
帰り道、泣いた。好きな人を傷つけた。自分も傷ついた。
でも、不思議と、息が楽だった。
ずっと締め付けられてた胸が、少しだけ緩んだ。
別れて3ヶ月。
まだ彼のことを思い出す。楽しかった頃のことを。
「あのまま続けてたら、どうなってたかな」
考えることもある。
でも、後悔はしてない。
あのまま続けてたら、私は私じゃなくなってた。
好きな人のために自分を殺すのは、愛じゃない。
それが分かっただけでも、意味があった。
友達が言った。
「最近、笑うようになったね」
うん。笑えるようになった。
好きだった。でも、終わらせた。
それで良かったと、今は思える。
もしあなたが、好きなのに苦しいなら。
終わらせることも、選択肢の一つだよ。
好きと、一緒にいるべきは、違うから。
自分を守ることは、逃げじゃないから。
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