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美容院を、予約した

📅 2025-11-03⏱️ 4分✍️ 匿名の伸びっぱなしの人
未来美容院自分を大事に小さな一歩変化
髪を切るのは、1年ぶりだった。 正確には、1年3ヶ月。 別に、伸ばしてたわけじゃない。ただ、行く気力がなかった。 美容院って、ハードルが高い。 予約の電話をする。知らない人と話す。鏡を見続ける。「今日はどうしますか?」に答える。 全部、しんどかった。 だから、伸びっぱなし。 ボサボサの髪を一つに結んで、誤魔化してた。 「髪、伸びたね」 職場で言われた。うん、知ってる。 「切らないの?」 切りたいよ。でも、行けないんだよ。 そう言えなくて、「そのうち」と笑って流した。 ある日、電車の窓に自分が映った。 疲れた顔。伸びっぱなしの髪。くすんだ肌。 「誰だろう、この人」 本気でそう思った。 私、こんな顔だったっけ。 昔の写真を見た。3年前の私。ちゃんと髪を整えて、笑ってる。 別人みたいだった。 戻りたいとは思わなかった。でも、このままも嫌だった。 その夜、スマホを開いた。 美容院の予約サイト。 1年3ヶ月ぶりに、見た。 「ネット予約」のボタンが光ってる。 電話しなくていいんだ。 それだけで、ハードルが少し下がった。 日にちを選ぶ。時間を選ぶ。メニューを選ぶ。 「カット」 それだけでいい。カラーとかパーマとか、そんな元気はない。とにかく、切るだけ。 「予約を確定する」 ボタンを押した。 心臓がドキドキした。たかが美容院の予約で。 でも、私にとっては大きな一歩だった。 予約日まで、何度もキャンセルしようと思った。 「やっぱり行きたくない」 「このままでもいいじゃん」 「誰も私の髪なんか見てない」 言い訳は、いくらでも出てくる。 でも、行った。 美容院の椅子に座った。鏡の中の自分は、やっぱり疲れてた。 「今日はどうしますか?」 「バッサリ切ってください」 自分でも驚いた。そんなこと言うつもりなかったのに。 「肩くらいでいいですか?」 「はい」 切られていく髪を見た。 1年3ヶ月分の、しんどかった時間が、床に落ちていく。 そんな気がした。 終わった後、鏡を見た。 久しぶりに、自分の顔がちゃんと見えた。 「あ、私だ」 そう思った。 綺麗とか可愛いとか、そういうことじゃない。 ただ、私がいた。ずっと放置してた私が、ちゃんといた。 帰り道、風が気持ちよかった。 短くなった髪が揺れる。首元が軽い。 たかが髪を切っただけ。 でも、少しだけ、未来が明るく見えた。 来月も、予約しようかな。 そう思えたことが、一番の変化かもしれない。 自分を大事にするって、こういう小さなことなのかもしれない。 美容院に行く。髪を切る。それだけで、自分を少し好きになれる。 もしあなたも、自分のことを後回しにしてるなら。 美容院、予約してみてもいいかもしれない。 ネットでポチるだけでいいから。 それだけで、何かが変わるかもしれないから。 --- *© 2025 匿名の伸びっぱなしの人*