← 図書館へ戻る
💔

好きだから、我慢してた

📅 2026-01-06⏱️ 5分✍️ 匿名の我慢してた人
恋愛我慢境界線好き自分を守る
好きだから、我慢してた。 彼が遅刻しても、「いいよ、大丈夫」。 ドタキャンされても、「仕方ないよね、忙しいもんね」。 私の話を遮っても、「うん、で、君の話は?」って笑って流した。 全部、好きだから。 好きな人に嫌われたくない。 好きな人を怒らせたくない。 好きな人と一緒にいたい。 だから、我慢した。 最初は、小さなことだった。 「今日、何食べたい?」 「なんでもいいよ、君が決めて」 私はパスタが食べたかった。でも、彼はラーメンが好き。 「ラーメンでいいよ」 彼が喜ぶ顔が見たかったから。 それが積み重なっていった。 デートの場所も、彼が決める。映画も、彼が選ぶ。予定も、彼に合わせる。 「君、なんでも合わせてくれるから楽だわ」 彼がそう言った時、嬉しかった。 楽だって思われてる。一緒にいて心地いいって思われてる。 それって、愛されてるってことでしょ? 違った。 付き合って一年が経った頃、気づいた。 彼は、私の好きなものを知らない。 好きな食べ物、好きな映画、好きな場所。 全部、聞かれたことがない。 私は彼の好きなもの、全部知ってる。 でも彼は、私のこと、何も知らない。 それでも、好きだった。 好きだから、「私のことも聞いてよ」って言えなかった。 重い女だと思われたくない。面倒だと思われたくない。 だから、待ってた。いつか聞いてくれるって。 ある日、彼と喧嘩した。 珍しく、私が意見を言った。 「今日は和食が食べたいな」 たったそれだけ。 彼の顔が曇った。 「え、俺、中華の気分なんだけど」 「たまには私の食べたいものも」 「なに、急に。いつも合わせてくれるじゃん」 その言葉で、分かった。 彼は、私が「合わせてくれる人」だと思ってた。 私の意志があるなんて、思ってなかった。 私が我慢してるなんて、気づいてなかった。 当たり前だよね。 だって、私、一度も言わなかったから。 「本当はこうしたい」って、言わなかったから。 その夜、一人で泣いた。 好きな人の前で、自分を消してた。 好きな人に好かれるために、本当の自分を隠してた。 これって、愛されてるって言える? 相手が好きなのは、「なんでも合わせてくれる私」であって、「本当の私」じゃない。 じゃあ、何のために一緒にいるんだろう。 彼に言ってみた。 「私、今まで我慢してたことがある」 彼は驚いた顔をした。 「え、なんで言わなかったの」 「嫌われたくなかったから」 「言ってくれなきゃ分かんないよ」 そうだよね。分かるわけない。 でも、言えなかったんだよ。 好きだから。 その後、少しずつ言うようにした。 「今日はパスタがいいな」 「その日は予定があるから、別の日にしない?」 「私もこの映画見たいんだけど」 最初は、怖かった。 嫌われるかも。面倒だって思われるかも。 でも、彼は意外と普通に受け入れてくれた。 「そっか、じゃあパスタにしよう」 それだけだった。 あれ、こんな簡単だったの? 今まで私が勝手に怖がってただけ? 全部がうまくいったわけじゃない。 「なんか最近、我が強くなった?」 そう言われたこともある。 傷ついた。でも、言い返した。 「我が強いんじゃなくて、今まで言わなかっただけ」 彼は黙った。 そのあと、少しギクシャクした。 でも、前よりましだった。 我慢してる時の方が、ずっと苦しかったから。 結局、その彼とは別れた。 「合わせてくれる君が好きだった」 最後にそう言われた。 やっぱりそうだったんだ。 本当の私じゃなくて、我慢する私が好きだったんだ。 悲しかった。でも、別れてよかったと思う。 次に誰かを好きになったら、我慢しないでいたい。 好きだから我慢するんじゃなくて、好きだから正直にいたい。 「これが私だよ」って見せて、それでも一緒にいたいって思ってくれる人と、一緒にいたい。 まだ、そんな人には出会えてない。 でも、もう我慢で繋ぎ止める恋愛はしない。 好きだから、我慢してた。 でも、好きだからこそ、我慢しちゃダメだったんだ。 それに気づくまで、ずいぶん時間がかかった。 もしあなたも、好きな人の前で我慢してるなら。 一回だけ、小さな本音を言ってみてほしい。 それで壊れる関係なら、最初から壊れてたんだと思う。 好きな人の前でも、あなたはあなたでいていいから。 --- *© 2026 匿名の我慢してた人*