5月の月曜日

📅 2026-05-15⏱️ 4分✍️ 匿名の月曜日
季節連休明け月曜日通勤
朝。 5月の月曜日。 スーツに着替えた。連休前に着てた服を、また着てる。 シャツの襟は、少しよれてる。クリーニング、出しそびれたまま。 家を出る時、玄関の鏡で自分を見た。なんとなく、顔色が悪い気がした。気のせいかもしれない。 電車に乗る。座席は空いてない。 ドアの横に立って、イヤホンをつける。ポッドキャストの続きが流れる。 聞いてるはずなのに、内容が頭に入ってこない。 隣のスーツの人も、向かいに座ってる人も、みんな同じ顔をしてる。 スマホを見てる。窓の外を見てる。目を閉じてる。 どうしてみんな、何事もなかったように、戻れるんだろう。 1週間前。 連休明けの月曜日があった。 たぶんあった、けど、もう覚えてない。 何を着てたか、何を考えてたかも、もう霧の中。 ただ、その日に書いたメモを開くと、「やり残してる」「焦る」「眠い」、と短く書いてあった。 書いた記憶もない。それでも、書いてあるから、たぶん、その日も電車に乗って、出社して、何かをやって、帰った。 夜、何を食べたかも、覚えてない。 たぶん、コンビニで何か買って、食べたあと、ソファで寝落ちした。風呂にも入らずに。 そういう週があった、ことだけは、覚えてる。 2週間前。 連休の初日。 5日後の自分はもっと充実してると、信じてた。 カフェに行って、本を読んで、散歩して、運動もして、料理もして。 読みかけの本を3冊、リュックに入れた。 新しいランニングシューズも、玄関に並べた。 レシピサイトを2つ、ブックマークした。 1ページも読まなかった。 シューズも履かなかった。 レシピも開かなかった。 何をしてたんだろう、と思う。 たぶん、スマホを見てた。動画を見て、SNSを見て、また動画を見て、たまに寝て。 それでも、充実してる気がしてた。 ずっと、頑張ってきたから、これくらい、いいかな、と。 いま、リュックには、同じ3冊。 ページを開く気力が、まだ戻ってきてない。 戻れない、と思う。 でも、駅から会社までの足は、普通に動く。 エレベーターのボタンを押す手も、普通に動く。 席につく動きも、パソコンを開く動きも、全部、普通に動く。 心はまだ、連休のどこかにいる。 体だけが、月曜日にいる。 それでも、たぶん、それでいい。 体が動くなら、それで、十分なんだろう。 心が追いついてくるのは、もう少し先で。 --- *© 2026 匿名の月曜日*