窓を開ける気になった日

📅 2026-05-19⏱️ 3分✍️ 匿名の窓辺
季節換気心の解放
冬は、窓を開けなかった。 寒くて、開けたら冷気が入る。 家事も億劫で、換気のことも忘れる。 ベッドの中で半日を過ごす日もあった。空気の入れ替えなんて、思いつきもしなかった。 カーテンも、夕方まで閉めてた。 昼の光を浴びるのが、なんとなく、まぶしすぎた。 明るい部屋を見ると、自分の暗さが目立つ気がして。 だから、薄暗いまま、布団の中で、スマホだけ光らせてた。 ホコリが舞ってるのは、たぶん、見えてた。換気扇も回ってなかった。 それでも、何もしなかった。 部屋は、私の状態と同じ温度で、同じ空気のままだった。 そこにいると、私もずっと、同じ場所にいる気がした。 止まってる、と思いながら、止まり続けた。 いま、窓を開けている。 朝、起きて、無意識にカーテンを開けた。 ベッドから立ち上がって、当たり前のように、サッシに手をかけた。 窓を開けた。風が入った。 新緑の匂いがした。湿った草の匂いと、どこかから運ばれてきた花の匂い。 ベランダに干したシャツが揺れて、近所の子どもの声が、遠くで聞こえた。 何かを決意したわけじゃない。 ただ、なんとなく、開けてもいい気がした。 冬の自分には、これができなかった。 冬の自分は、悪くない。 閉めることが必要だった。寒くて、暗くて、誰にも会いたくない時期だった。 ただ、いま、開けられるなら、開けていい。 季節は、たぶん、心の伴走者みたいなものです。 私の心が、開けていい、と言うまで、ずっと外で待っててくれた。 そして、いま、私は、勝手に開けた。 許可をもらったわけでもなく、誰に教わったわけでもなく、ただ、開けた。 明日、また閉めるかもしれない。 雨の日もあるし、しんどい日もある。 それでも、たぶん、いい。 今日、開けたことだけは、覚えておく。 --- *© 2026 匿名の窓辺*