夏の朝の光
そっと・3分

夏の朝の光:アラームより先に、目が覚めた

匿名の早起き初心者・3分・そっと

火曜日。アラームの十分前に目が覚めた。

天井を見て、しばらく「なんで起きたんだろう」と考えていた。うるさい鳥もいない。工事もしてない。ただ、目が覚めた。

十分間、何もせずに布団の中にいた。二度寝するには短くて、起きるには早い、中途半端な十分。

悪くなかった。

*

半年前の朝は、こうじゃなかった。

アラームを三つかけて、三つ全部止めて、限界の時間に体を引きはがすように起きていた。目覚めた瞬間から疲れていた。朝が来ること自体が、ちょっとした災害だった。

あの頃の私に「そのうちアラームの前に起きるよ」と言っても、信じなかったと思う。

*

木曜日も、少し早く目が覚めた。

カーテンの隙間から入る光が、床に細長い線を作っていた。夏の朝の光は白い。冬とは色が違う。そんなことに気づいたのも、久しぶりだった。

体が、朝を嫌がらなくなっている。

いつからかは、わからない。薬のせいかもしれないし、季節のせいかもしれないし、ただの偶然かもしれない。

理由を突き止める必要も、ないのかもしれない。

目が覚めて、天井を見て、今日はどっちの日かなと思う。その「どっちかな」に、少しだけ楽しみの側の重みが増えてきた。

それだけの話を、書き留めておきたかった。

― 匿名の早起き初心者

同じ棚から、もう一冊

研究所道具屋猫の国の地図