言えた回数
そっと・3分

言えた回数:人に頼めるようになった

匿名の元・一人で抱え込む人・3分・そっと

「ちょっと手伝ってもらえますか」

この言葉が、ずっと言えなかった。

仕事で忙しくても、一人で抱え込んだ。引っ越しの時も、全部自分でやった。体調悪くても、誰にも言わなかった。

頼るのが、怖かった。

迷惑かけたくない。弱いと思われたくない。「自分でできない人」って思われたくない。

だから全部一人でやって、勝手に疲れて、勝手にイライラしてた。

限界が来たのは、去年の冬。

仕事が立て込んで、寝れなくて、ご飯も食べれなくて。ある朝、起き上がれなかった。

会社に連絡した。「すみません、今日休みます」

電話を切った後、泣いた。迷惑かけてしまった。最悪だ。

でも、上司から返ってきたメッセージは「ゆっくり休んでね」だった。

拍子抜けした。

休んでる間、同僚が仕事を引き継いでくれた。「大丈夫だよ、気にしないで」って。

あれ、って思った。

頼ったら、迷惑がられると思ってた。嫌われると思ってた。

でも、違った。

復帰してから、少しずつ変えてみた。

忙しい時、「手伝ってもらえますか」って言ってみた。

言えた。世界は終わらなかった。

相手は普通に「いいよ」って言ってくれた。

友達にも、試してみた。

「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」

前は絶対言えなかった。弱み見せるのが嫌だったから。

でも言ってみたら、友達は「うんうん」って聞いてくれた。「話してくれてありがとう」って言われた。

なんだ、頼っていいんだ。

今でも、頼るのは苦手。「やっぱり自分でやった方が」って思う時もある。

でも、前よりは言えるようになった。

「ちょっといい?」「助けてほしい」「一人だと無理かも」

言えた回数を、心の中で数えてる。

まだ片手で足りるくらいだけど、確実に増えてる。

一人で全部やらなくていい。

それが分かっただけで、生きるのが少し楽になった。

― 匿名の元・一人で抱え込む人

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