「ちょっと手伝ってもらえますか」
この言葉が、ずっと言えなかった。
仕事で忙しくても、一人で抱え込んだ。引っ越しの時も、全部自分でやった。体調悪くても、誰にも言わなかった。
頼るのが、怖かった。
迷惑かけたくない。弱いと思われたくない。「自分でできない人」って思われたくない。
だから全部一人でやって、勝手に疲れて、勝手にイライラしてた。
限界が来たのは、去年の冬。
仕事が立て込んで、寝れなくて、ご飯も食べれなくて。ある朝、起き上がれなかった。
会社に連絡した。「すみません、今日休みます」
電話を切った後、泣いた。迷惑かけてしまった。最悪だ。
でも、上司から返ってきたメッセージは「ゆっくり休んでね」だった。
拍子抜けした。
休んでる間、同僚が仕事を引き継いでくれた。「大丈夫だよ、気にしないで」って。
あれ、って思った。
頼ったら、迷惑がられると思ってた。嫌われると思ってた。
でも、違った。
復帰してから、少しずつ変えてみた。
忙しい時、「手伝ってもらえますか」って言ってみた。
言えた。世界は終わらなかった。
相手は普通に「いいよ」って言ってくれた。
友達にも、試してみた。
「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」
前は絶対言えなかった。弱み見せるのが嫌だったから。
でも言ってみたら、友達は「うんうん」って聞いてくれた。「話してくれてありがとう」って言われた。
なんだ、頼っていいんだ。
今でも、頼るのは苦手。「やっぱり自分でやった方が」って思う時もある。
でも、前よりは言えるようになった。
「ちょっといい?」「助けてほしい」「一人だと無理かも」
言えた回数を、心の中で数えてる。
まだ片手で足りるくらいだけど、確実に増えてる。
一人で全部やらなくていい。
それが分かっただけで、生きるのが少し楽になった。
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