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🔬 猫の国 研究所

気持ちを言葉にするだけで、
脳の警報装置が
静かになっていた

…「こわい」って言えた時点で、
もう半分終わってたのかもしれないにゃ。

🏷️
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モヤモヤした夜。
胸がザワザワする朝。

「この気持ち、何なんだろう」って
思ったまま、名前をつけずに
一日が終わることがあるにゃ。

むしろ、こう思ってる人も
多いんじゃないかにゃ。

「不安を言葉にしたら、
もっと不安になりそう」

「口に出したら、
本物になっちゃいそう」

ところが、脳の中では
逆のことが起きていたらしいにゃ。

🧪 Lieberman らの実験(2007年)

脳をスキャンしながら
感情に*名前をつけて*もらった

UCLA の Matthew Lieberman たちは、参加者に fMRI(脳スキャナー)の中で、怒った顔や怖がった顔の写真を見てもらったにゃ。

このとき、脳の奥にある扁桃体——危険を検知する警報装置——が活性化するにゃ。

条件①

🏷️ 感情に名前をつける

写真の顔に合う感情の言葉(「怒り」「恐怖」など)を選ぶにゃ。

条件②

👤 感情と関係ない判断をする

同じ写真に、性別に合う名前を選ぶなど、感情に触れない作業をするにゃ。

さて、警報装置はどうなったかにゃ。

🧪 結果

名前をつけた瞬間、
*扁桃体の反応が下がった*

📊 Lieberman et al. (2007)

感情に「名前をつけた」条件では、他の条件と比べて

*扁桃体の活動が有意に低下*

かわりに、右腹外側前頭前野(ブレーキ役の領域)の活動が上がっていたにゃ。

つまり、感情を言葉にすると、脳の中ではアクセルが緩んでブレーキがかかる——そんな切り替えが起きていたにゃ。

この現象は「感情ラベリング(affect labeling)」と呼ばれているにゃ。

本人は「気持ちを抑えよう」と
思ってすらいないのに、
勝手にブレーキがかかる

🧪 クモがこわい人の実験(2012年)

「こわい」と言った人ほど
*クモに近づけるようになった*

実験室の外でも効くのか。Kircanski たちは、クモ恐怖のある人たちに、本物のタランチュラへ近づく練習をしてもらったにゃ。

このとき、グループごとに違う声かけをしたにゃ。

①「怖い、不安だ」といま感じている気持ちをそのまま口にする
②「あのクモは危なくない」と考え直す
③関係ない話をして気をそらす

📊 Kircanski et al. (2012)

1週間後の再テストで、いちばん近くまで近づけて、手の汗(生理的な恐怖反応)が下がっていたのは

*①「怖い」と言葉にしたグループ*

ポジティブに考え直すより、感情をそのまま言葉にした方が効いていたにゃ。

しかも「不安」「恐怖」の言葉をたくさん使った人ほど、改善が大きかったにゃ。

ここでちょっと、
立ち止まってみるにゃ。

いま抱えているモヤモヤに、
もし名前をつけるとしたら
何になるかにゃ?

「不安」かにゃ。「悔しい」かにゃ。
「さみしい」と「疲れた」が
混ざったやつかにゃ。

…ぴったりの名前じゃなくていい。
仮の名前でいいにゃ。

名づけは、
感情を消す作業じゃなくて、
正体不明じゃなくする作業にゃ。

🧪 ただし誤解しないでほしいこと

*語り続ける*のとは
別物にゃ

ここで大事な注意書きを置きたいにゃ。

ラベリングは「ひとこと名前をつける」こと。
同じ話を何時間も再生し続けることではない

つらい出来事を頭の中で延々と繰り返すこと(反芻)は、むしろ気分を悪化させることが知られているにゃ。「怖い」と名づけるのと、「なんで私はいつも…」と責め続けるのは、脳にとって別の作業にゃ。

それに、効果の大きさは人にもよるし、これひとつで深い苦しみが解決するわけでもないにゃ。強い不安や恐怖が生活に影響しているなら、専門家と一緒に取り組むのが安全にゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことにゃ。

「言葉にしたら本物になる」
という感覚は、
たぶん逆だったにゃ。

名前のない感情は、
正体不明のまま
警報を鳴らし続けるにゃ。

名前をつけた瞬間、
それは「得体の知れない何か」から
「知っているもの」に変わる。

脳は、知っているものには
少しだけ冷静でいられるらしいにゃ。

「こわい」と言えることは、
弱さじゃなくて、
脳のブレーキを踏む技術
だったのかもしれないにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

もう少し、
付け足したいことにゃ。

名前は、上手じゃなくて
いいと思うにゃ。

「なんかヤダ」でもいい。
「ザワザワするやつ」でもいい。

自分だけに通じる名前でも、
名づけた時点で、
その感情はもう
ひとりで暴れているわけじゃないにゃ。

もちろん、研究が示しているのは
統計的な傾向であって、
すべての人に同じように
当てはまるわけじゃないにゃ。

言葉にするのがつらい日は、
無理につけなくていいにゃ。

名前をつけるのは、
いつだって本人の仕事で、
誰かに急かされるものじゃないにゃ。

🏷️

「こわい」と言えた瞬間、
脳の警報は
少しだけ静かになっていた。

…研究が教えてくれるのは、
そんな話だったにゃ。

今日のモヤモヤに、
仮の名前をひとつ。

それだけで十分な日も、
あるかもしれないにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

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🛠️ 道具屋

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📚 図書館

誰かが感情に名前をつけた
物語を読む

🎓 学び舎

「自分を知るためのひみつノート」で
自分の感情のパターンを知る

🎨 美術館

言葉にならない気持ちのまま
絵を眺める

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Lieberman, M. D., Eisenberger, N. I., Crockett, M. J., Tom, S. M., Pfeifer, J. H., & Way, B. M. (2007). Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science, 18(5), 421-428.
Kircanski, K., Lieberman, M. D., & Craske, M. G. (2012). Feelings into words: Contributions of language to exposure therapy. Psychological Science, 23(10), 1086-1091.
Torre, J. B., & Lieberman, M. D. (2018). Putting feelings into words: Affect labeling as implicit emotion regulation. Emotion Review, 10(2), 116-124.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com