🔬 猫の国 研究所
体が反応しても、
「その気がある」
とは限らない?
…この事実は、
もっと知られるべきだと思うにゃ。
この混乱を抱えている人が、
実はとても多いにゃ。
研究所のねこたちが調べてみたら、
これは**世界中の研究者たちが
何十年もかけて明らかにしてきたテーマ**だったにゃ。
そして、答えはとてもはっきりしていたにゃ。
カナダの心理学者メレディス・チヴァースと研究チームは、過去に行われた134の研究を集めて、ひとつの大きな問いに答えようとしたにゃ。
体の性的反応と、
「したい」という気持ちは、
どれくらい一致しているのか?
性的な刺激を受けたとき、体は反応する(血流が変化する、潤滑が起きる、など)。
そして同時に、主観的な気持ちがある(「興奮している」「したい」「何も感じない」など)。
この2つは、当然一致するものだと思われていたにゃ。
でも134の研究をまとめて分析した結果、
驚くべき数字が出てきたにゃ。
「体の反応」と「主観的な気持ち」の相関関係を、134の研究データから算出した結果にゃ。
体の反応と主観的な気持ちの相関。
中程度〜やや強い一致だけど、
それでも完全一致ではないにゃ。
相関係数
体の反応と主観的な気持ちの相関。
弱い一致——つまり、
体が反応しても気持ちは別、ということが
かなり頻繁に起きるにゃ。
相関係数
r = .66 対 r = .26。
特に女性では、
体と気持ちが一致しないことのほうが普通だった
この「体の反応」と「主観的な気持ち」のズレを、
研究者たちは「覚醒の不一致(arousal nonconcordance)」と呼んでいるにゃ。
シュシンスキーとラルミエールの研究は、この体の反応の正体について重要な発見をしたにゃ。
女性の性器の反応は、性的な刺激であれば、相手の性別や好みに関係なく起きることがわかったにゃ。
異性愛の女性が、女性同士の性的映像を見ても体は反応する。
レズビアンの女性が、男女の性的映像を見ても体は反応する。
本人の性的指向や好みとは関係なく、体は反応していたにゃ。
では、なぜそんなことが起きるのかにゃ?
性的な刺激を検知すると、「望んでいるかどうか」に関係なく、体は自動的に潤滑を起こすにゃ。
これは、性的接触が起きた場合に身体を保護するための、進化的に備わった防御メカニズムだと考えられているにゃ。
欲求とは無関係の、体の安全装置にゃ。
つまり、体の反応は「関連する刺激を検知した」という信号であって、
「これがしたい」という信号ではないにゃ。
セクシュアリティ研究者のエミリー・ナゴスキは、この不一致をわかりやすく説明しているにゃ。
体の反応は
「性的に関連するものを検知した」
という信号にすぎない。
「これがしたい」ではない
ナゴスキはこれを、口が唾液を出すことにたとえているにゃ。
レモンを想像しただけで、口の中に唾液が出るにゃ。
でもそれは「レモンが食べたい」という意味じゃないにゃ。
体が「酸っぱいものに関連する刺激を検知した」だけにゃ。
性的な体の反応も、これと同じメカニズムにゃ。
「関連する刺激を検知した」≠「これがしたい」
そして、この事実には
とても重要な意味があるにゃ。
この研究が突きつける、最も重要な事実にゃ。
体が反応していたとしても、
それは「望んでいた」証拠ではない。
体が反応していたとしても、
それは「同意していた」証拠ではない。
134の研究が示しているように、体の反応と主観的な気持ちは一致しないことが普通にゃ。
特に女性では、r = .26——体と気持ちが別々に動いていることのほうが多いにゃ。
「体が反応していた=望んでいた」は科学的に誤りにゃ。
体の反応は自動的な生理反応であり、
本人の意思・欲求・同意とは独立して起きるにゃ。
これは134の研究を統合したメタ分析が
明確に示している事実にゃ。
同意は、言葉と意思で示されるものにゃ。
体の反応は、同意の根拠にはならないにゃ。
ここまで女性の不一致が大きいという話をしてきたけれど、男性にも大事な話があるにゃ。
男性の一致度はr = .66。
女性より高いけれど、完全一致ではないにゃ。
つまり、男性も体が反応していても「その気」じゃないことがあるにゃ。
「男性は勃起=その気」という思い込みが、社会的にとても強いにゃ。
でも研究は、恐怖や不安の状況でも勃起が起きることを示しているにゃ。
これは欲求ではなく、
自律神経系の反応にゃ。
男性が望まない状況で体が反応してしまったとき、
「体が反応したんだから、嫌じゃなかったんでしょ」
と言われることがあるにゃ。
でも、それは科学的に間違っているにゃ。
性別に関係なく、体の反応は
欲求や同意とは別のメカニズムで起きるにゃ。
この研究が多くの人にとって救いになりうる理由にゃ。
→ 自動的な生理反応にゃ。あなたの意思とは関係ないにゃ。
体が反応したことは、あなたの「せい」ではないにゃ。
→ 不一致は逆方向にも起きるにゃ。気持ちはあるのに体がついてこない、ということもあるにゃ。
それもまた、正常な不一致にゃ。
→ 体の反応と気持ちが一致しないのだから、混乱して当然にゃ。
あなたの気持ちは、あなたの気持ちで決まるにゃ。
体の反応に「正解」を求めなくていいにゃ。
体の反応は自動的なものにゃ。
あなたの欲求や意思は、あなた自身が感じていることで決まるにゃ。
その2つが一致しなくても、あなたは何もおかしくないにゃ。
ここでちょっとだけ、
考えてみてほしいにゃ。
体の反応と気持ちが
ズレたことがあるにゃ?
そのとき、
自分の気持ちのほうを
信じることができたにゃ?
もしできなかったとしても、
それは自然なことにゃ。
今日知ったことが、
次にそういう場面に出会ったとき、
少しだけ自分を
信じる助けになるかもしれないにゃ。
体がどう反応したかではなく、
自分がどう感じたか。
それが、あなたの本当の答えにゃ。
ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。
「体が反応した=その気だった」。
この誤解は、
どれだけ多くの人を傷つけてきたかにゃ。
望んでいなかったのに体が反応してしまって、
「自分は本当は嫌じゃなかったんじゃないか」と
自分を疑ってしまった人がいるにゃ。
「体が反応してたでしょ」と言われて、
**自分の「嫌だった」という気持ちを
信じられなくなってしまった**人がいるにゃ。
でも、134の研究が示しているにゃ。
**体の反応は自動的な生理現象にゃ。
あなたの意思や欲求とは、別の回路で動いているにゃ。**
体が反応したことは、
あなたが「望んでいた」証拠にはならないにゃ。
あなたの「嫌だった」は、嫌だったにゃ。
もちろん、これはひとつの角度から見た話にゃ。
体と心の関係は複雑で、
簡単にまとめられるものじゃないにゃ。
でも、この事実を知っているだけで、
自分を責める夜がひとつ減るかもしれないにゃ。
体が反応することと、
望んでいることは、
同じじゃなかったにゃ。
134の研究、数十年の蓄積。
科学は、はっきりと言っているにゃ。
**体の反応は、あなたの意思ではない。
あなたの気持ちは、あなたの気持ちにゃ。**
この事実が、
ひとりでも多くの人に届きますようににゃ。
…研究所のねこたち、
伝えずにはいられなかったにゃ。
「伝えるためのひみつノート」で
コミュニケーションを実践する
心に寄り添う物語を読む
自分を知るための診断ツールを試す
猫の国は、優しい人のための場所にゃ。