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🔬 猫の国 研究所

セックスの後に
泣きたくなるのは、
あなただけじゃない?

…女性の46%が経験しているのに、
誰も話さない現象にゃ。

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AM 2:34
…なんで泣いてるの?
わかんない、よかったのに
なんか急にさみしくなって
…わたし、おかしいのかな

セックスのあとに、
理由もなく悲しくなる
涙が出る。不安になる。

相手のことが嫌いなわけじゃない。
セックスが嫌だったわけでもない。

なのに、なぜか泣きたくなる

研究所のねこたち、
この現象を調べてみたにゃ。

💡 この現象には名前がある

「ポストコイタル・ディスフォリア」
——セックス後の落ち込み

この現象には、ちゃんと学術的な名前があるにゃ。

📖 Post-Coital Dysphoria(PCD)

合意のあるセックスの後に、悲しみ、涙、不安、イライラ、落ち着かなさなどを感じる現象にゃ。

「Post-Coital Tristesse(ポストコイタル・トリステス)」とも呼ばれるにゃ。
ラテン語で「性交後の悲しみ」という意味にゃ。

大事なポイントは、これが合意のあるセックスの後に起きるということにゃ。

嫌な体験をしたから悲しくなる、というのとは違うにゃ。
よかったはずなのに、悲しくなる
それがPCDの特徴にゃ。

この現象は古くから知られていたにゃ。
でも、本格的に研究されるようになったのは、2010年代に入ってからにゃ。

🧪 Schweitzer, O'Brien & Burri (2015)

230人の女性に聞いた。
46%が「ある」と答えた。

2015年、心理学者シュヴァイツァーたちの研究チームは、230人の女性を対象にPCDの調査を行ったにゃ。

📊 女性のPCD経験率

46.2%の女性が、人生で少なくとも一度はPCDを経験していたにゃ。

過去4週間に限ると、5.1%が経験していたにゃ。

46%

の女性が経験あり

ほぼ2人に1人にゃ。

あなたの隣にいる人も、
あなたの友達も、
もしかしたら経験しているかもしれないにゃ。

でも、誰もこの話をしないにゃ。

そしてこの研究で、もうひとつ重要なことがわかったにゃ。
それは次のスライドにゃ。

🧪 Maczkowiack & Schweitzer (2019)

「女性だけの現象」じゃなかった。
男性の41%も経験していた。

2019年、マツコヴィアクとシュヴァイツァーは、今度は男性を対象に同じ調査を行ったにゃ。

📊 男性のPCD経験率

41%の男性が、人生で少なくとも一度はPCDを経験していたにゃ。

過去4週間に限ると、20%が経験していたにゃ。

41%

の男性が経験あり

女性46%、男性41%。
これは「女性特有の問題」じゃなかった

男性の場合、さらに話しにくいかもしれないにゃ。

「男なのに泣くなんて」「セックスの後に悲しいって変じゃない?」
そんな思い込みが、男性の口を閉ざしてきた可能性があるにゃ。

でもデータは、性別に関係なく起きる現象だと示しているにゃ。

💡 重要な発見

これは「悪いセックス」の
せいじゃなかった

シュヴァイツァーたちの研究で、
もっとも重要な発見がこれにゃ。

📊 PCDと関係性の質

PCDは、以下のものと関連がなかったにゃ:

親密さの困難さ
関係満足度
セックスの質

つまり、パートナーとの関係がよくても、セックスがよくても、PCDは起きていたにゃ。

「セックスがよくなかったから悲しい」
じゃない。
よかったのに、悲しい。
それがPCDにゃ。

だから、自分を責める必要はないにゃ。
パートナーのせいでもないにゃ。

これは、体と心の中で起きていることにゃ。

🧪 Bird et al. (2021) ほか

体の中では、
何が起きているにゃ?

PCDのメカニズムはまだ完全には解明されていないにゃ。
でも、研究者たちがいくつかの仮説を立てているにゃ。

仮説①

🧬 ホルモンの急激な変動

セックス中に大量に分泌されるオキシトシン、プロラクチン、エンドルフィン
オーガズムの後にこれらが急激に低下することで、一時的な「落ち込み」が生じる可能性があるにゃ。

「ランナーズハイ」の後の虚脱感に似ているかもしれないにゃ。

仮説②

🫀 自律神経系のリバウンド

セックス中は交感神経(興奮モード)が活発になるにゃ。
その後、副交感神経(リラックスモード)に急激に切り替わるとき、感情の揺れが生じることがあるにゃ。

この「切り替えの瞬間」に、涙や不安が出やすくなる可能性があるにゃ。

仮説③

💭 親密さの後の感情的脆弱性

セックスは心理的な防御が下がる体験でもあるにゃ。
深い親密さの直後に、普段は抑えている感情が表面に出てくることがあるにゃ。

これは「壊れている」のではなく、心がオープンになっている状態にゃ。

どれかひとつが原因というより、複数の要因が重なっている可能性が高いにゃ。

🧪 Burri & Spector (2011)

双子の研究が示した、
「遺伝」の可能性

バーリとスペクターの研究チームは、ユニークなアプローチでPCDに迫ったにゃ。

双子を対象にした調査にゃ。

📊 双子研究の意味

一卵性双生児(遺伝子が同じ)と二卵性双生児(遺伝子が半分同じ)を比較することで、ある現象に遺伝的な影響がどのくらいあるかを推定できるにゃ。

この研究の結果、PCDの感受性には遺伝的な要素が関与している可能性が示されたにゃ。

「性格が弱いから」でも、
「愛が足りないから」でもない。
*生まれ持った体質が
関わっているかもしれない*

もちろん、遺伝がすべてを決めるわけじゃないにゃ。
環境や経験も影響するにゃ。

でもこの研究は、PCDが「気の持ちよう」で片付けられるものではないことを示しているにゃ。

💡 大事なことを伝えたいにゃ

あなたは、
壊れてなんかいないにゃ。

ここまでのデータを整理してみるにゃ。

事実①

📊 とても多くの人が経験している

女性の46%、男性の41%。
珍しい現象じゃないにゃ。
ただ、誰も話さないだけにゃ。

事実②

📊 セックスの質や関係性とは無関係

パートナーとの関係がよくても起きるにゃ。
あなたのせいでも、相手のせいでもないにゃ。

事実③

📊 体の中で起きていること

ホルモンの変動、神経系の切り替え、感情の脆弱性。
生理的なメカニズムが関わっているにゃ。

事実④

📊 遺伝的な素因の可能性

PCDの感受性には、生まれ持った体質が関与しているかもしれないにゃ。
意志の力でコントロールできるものじゃないにゃ。

つまり、セックスの後に泣きたくなることは、
おかしなことでも、異常なことでもないにゃ。

あなたの体と心が、ただ正直に反応しているだけにゃ。

ここでちょっとだけ、
考えてみてほしいにゃ。

セックスのあとに、
理由のない悲しさや不安を
感じたことはあるにゃ?

もしあるなら、
そのとき自分に
どんな言葉をかけたにゃ?

「おかしい」って思ったにゃ?
「自分だけだ」って思ったにゃ?

…でも、46%にゃ。
あなただけじゃなかったにゃ。

その涙には、
ちゃんと理由があったにゃ。
たとえ、自分ではわからなくても。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

PCDがこれだけ多くの人に起きているのに、
ほとんど語られてこなかったのは、
たぶん「セックスの後は幸せであるべきだ」
という思い込みがあるからだと思うにゃ。

よかったはずなのに泣いてしまう自分は、
何かがおかしいんじゃないか。
相手に失礼なんじゃないか。

そう思って、黙ってきた人
たくさんいるんだと思うにゃ。

でも研究は、これが**ごく普通の、
生理的・心理的な反応**だと言っているにゃ。

泣くことは、悪いことじゃないにゃ。
不安になることも、おかしいことじゃないにゃ。
それは、あなたの体と心が
大きな親密さの波を受け止めた証拠にゃ。

もしパートナーがセックスの後に泣いていたら、
「何かした?」と焦らなくていいにゃ。
「大丈夫だよ、そばにいるよ」
それだけでいいにゃ。

もちろん、これはひとつの角度から見た話にゃ。
PCDの研究はまだ発展途上で、
わかっていないことも多いにゃ。

🐱

女性の46%。男性の41%。

こんなにたくさんの人が
経験していたのに、
誰も話さなかった現象にゃ。

もしあなたも経験したことがあるなら、
覚えておいてほしいにゃ。

あなたは壊れてないにゃ。
あなたの体は、ちゃんと反応しているだけにゃ。

その涙を、恥じなくていいにゃ。

…にゃんたる、
伝えてよかったにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

猫の国には
こんな場所もあるにゃ

🎓 学び舎

「伝えるためのひみつノート」で
コミュニケーションを実践する

📚 図書館

心に寄り添う物語を読む

🛠️ 道具屋

自分を知るための診断ツールを試す

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Schweitzer, R. D., O'Brien, J., & Burri, A. (2015). Postcoital Dysphoria: Prevalence and Psychological Correlates. Sexual Medicine, 3(4), 235-243. Link
Maczkowiack, J., & Schweitzer, R. D. (2019). Postcoital Dysphoria: Prevalence and Correlates Among Males. Journal of Sex & Marital Therapy, 45(2), 128-140. Link
Bird, B., Schweitzer, R. D., & Strassberg, D. (2021). The Prevalence and Correlates of Postcoital Dysphoria in Women. International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(5), 2250.
Burri, A. V., & Spector, T. D. (2011). An epidemiological survey of post-coital psychological symptoms in a UK population sample of female twins. Twin Research and Human Genetics, 14(3), 240-248.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com