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🔬 猫の国 研究所

浮気された側に起こる
「裏切りトラウマ」は、
PTSDに似ていた?

…あの苦しみには、
ちゃんと名前があったにゃ。

💕
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AM 2:13
ねえ、このLINE誰?
…見たの?
ずっと続いてたの?
…ごめん

あの瞬間から、
世界が変わってしまった人がいるにゃ。

食べられない。眠れない。
ふとした瞬間に涙が出る。
頭の中で、あの場面が何度も再生される。

…この苦しみについて、
研究所のねこたちが
論文を調べてみたにゃ。

🧪 Freyd (1996) ― 裏切りトラウマ理論

この苦しみには、
ちゃんと名前があったにゃ。

1996年、心理学者のフレイド博士が「裏切りトラウマ理論(Betrayal Trauma Theory)」を提唱したにゃ。

もともとは虐待の研究から生まれた理論にゃ。でもこの考え方は、パートナーの裏切りによる傷にも深く当てはまることがわかったにゃ。

自分が信頼し、依存している相手から
裏切られたとき、
人は特殊なトラウマ反応を起こす

普通の「ショックな出来事」とは違うにゃ。
信頼していた相手だからこそ、傷が深くなるにゃ。

つまり、あなたが感じている苦しみは、
「弱いから」じゃないにゃ。
信頼していたからこそ起きる、自然な反応にゃ。

🧪 Ortman (2005) / Steffens & Rennie (2006)

浮気の発覚後に起きる症状は、
PTSDとほぼ同じだった

心理学者のオートマン博士は、浮気の発覚後に現れる症状群を「Post-Infidelity Stress Disorder(浮気後ストレス障害)」と名づけたにゃ。

その症状は、PTSDの診断基準と驚くほど重なっていたにゃ。

📊 報告されている主な症状

侵入的な思考:相手の行為が頭から離れない
フラッシュバック:あの瞬間が何度も蘇る
過覚醒:常に警戒状態、眠れない
感情の麻痺:何も感じなくなる時間がある
集中力の低下:仕事や日常が手につかない
回避行動:思い出す場所や話題を避ける

📊 Steffens & Rennie (2006)

パートナーの裏切りを知った側の約70%に、トラウマ症状が確認されたにゃ。

70%

にトラウマ症状が確認

これは「気にしすぎ」なんかじゃないにゃ。
研究者たちが数値で確認した、れっきとした心理的反応にゃ。

💡 裏切りトラウマが特殊な理由

なぜ、こんなにも
苦しいのか。

フレイド博士の理論が教えてくれる、裏切りトラウマが普通のトラウマと違う理由にゃ。

普通のトラウマでは、
「脅威」と「安全基地」は別にある。

でも裏切りトラウマでは、
脅威そのものが、安全基地だった人

怖いことがあったとき、人は安心できる相手のところに逃げるにゃ。
でも、その「逃げ込む相手」が傷つけた本人だったらどうなるにゃ?

逃げ場がないにゃ。

🔄 脳の中で起きている矛盾

愛着システム:「この人のそばにいたい」
脅威システム:「この人が私を傷つけた」

このふたつが同時に発火するにゃ。
だから、混乱して、引き裂かれるような感覚になるにゃ。

「別れたいのに離れられない」
「許したいのに許せない」

その矛盾は、あなたが弱いからじゃないにゃ。
脳の中で相反するシステムがぶつかり合っているから起きるにゃ。

💡 身体に刻まれる裏切りの記憶

あの日のことを、
体が忘れてくれない。

裏切りトラウマは、心だけの問題じゃないにゃ。
体にも症状が出るにゃ。

過覚醒(ハイパーアロウザル)

🔔 常に「警報」が鳴りっぱなし

パートナーのスマホが鳴るだけで心臓がバクバクする。
帰りが遅いだけで全身が緊張する。

脳が「もう二度と騙されないぞ」と、
24時間体制で見張っている状態にゃ。

侵入的イメージ

🔁 見たくないのに再生される

ふとした瞬間に、相手の裏切りの場面が
映像のように頭に浮かぶにゃ。

自分で止められない。
それがまた、自分をおかしいと思わせるにゃ。

身体症状

🫀 体が悲鳴をあげる

食欲がなくなる。眠れない。
吐き気がする。体重が急に変わる。

これは「気のせい」じゃなくて、
ストレスホルモンが体を蝕んでいる証拠にゃ。

これらは全部、脳と体が自分を守ろうとしている反応にゃ。
壊れたんじゃない。
必死に生き延びようとしているにゃ。

🧪 Gordon, Baucom & Snyder (2004)

研究が示す、
回復の3つのステージ

ゴードン博士たちの研究チームは、裏切りからの回復には3つの段階があることを見出したにゃ。

ステージ1

💥 衝撃期(Impact Stage)

ショック、怒り、悲しみ、混乱が押し寄せるにゃ。
「嘘でしょ」「なんで」「どうして私が」

感情のジェットコースターが止まらない時期にゃ。
この混乱は、正常な反応にゃ。

ステージ2

🔍 意味づけ期(Meaning-Making Stage)

「なぜ起きたのか」を理解しようとする時期にゃ。

関係の中で何が起きていたのか、
相手はなぜそうしたのか、
自分はどう感じていたのか。

答えが見つからなくても、問い続けること自体が回復のプロセスにゃ。

ステージ3

🚶 前進期(Moving Forward Stage)

関係を続けるにせよ、離れるにせよ、
自分で選んで進む時期にゃ。

どちらを選んでも、
それは「あなたの決断」にゃ。
どちらが正解ということはないにゃ。

この3段階は直線的じゃないにゃ。
行ったり来たりするのが普通にゃ。
昨日はステージ2にいたのに、今日はまたステージ1に戻ることもあるにゃ。

それも含めて、回復のプロセスにゃ。

💡 あなたは、おかしくなんかないにゃ

「私、おかしくなったの
かもしれない」

裏切りを知ったあと、
こんなふうに思ったことはないにゃ?

もしかして、こんな気持ちにゃ?

「こんなに執着する自分がおかしい」
「いつまでも引きずってる自分が弱い」
「もう何ヶ月も経つのにまだ苦しい」
「怒りが止まらない自分が怖い」
「相手のスマホを確認せずにいられない」

全部、裏切りトラウマの典型的な反応にゃ。

あなたがおかしいんじゃないにゃ。
起きたことが、おかしかったにゃ。

信頼していた人に裏切られたら、
こうなるのが人間として自然な反応にゃ。

研究がそう言ってるにゃ。
にゃんたるもそう思うにゃ。

🧪 研究が示す回復のヒント

回復を後押ししたものは、
なんだったにゃ?

ゴードン博士たちの研究や、その後の臨床報告から、回復を助ける要素がいくつか見えてきたにゃ。

要素①

📝 「何が起きたか」を整理すること

混乱した感情や出来事を、少しずつ言葉にしていくこと。
日記でも、信頼できる人に話すことでも。

「名前のない苦しみ」は、名前がつくと少しだけ扱いやすくなるにゃ。

要素②

🕐 回復に「正しい速度」はないと知ること

「いつまでも引きずってる」と自分を責める人が多いにゃ。

でも研究が示しているのは、回復の速度は人それぞれだということにゃ。
半年で楽になる人もいれば、数年かかる人もいるにゃ。
どちらも正常にゃ。

要素③

🤝 安全な場所があること

ジャッジされずに話を聞いてもらえる場所。
「そんなの忘れなよ」と言われない場所。

**「つらかったね」と言ってもらえるだけで、
人の回復力は変わる**にゃ。

これは「こうすべき」というリストじゃないにゃ。
研究の中で回復した人たちに共通していたことを並べただけにゃ。

今すぐ何かしなきゃ、なんて思わなくていいにゃ。

もし今、あなたが
この痛みの中にいるなら。

自分の感じていることに、
「おかしい」とか「弱い」とか、
ラベルを貼っていないかにゃ?

その苦しみには、
ちゃんと名前があるにゃ。
研究者たちが確かめた、
自然な反応にゃ。

あなたは、壊れてなんかいないにゃ。

今は読むだけで精一杯でも、
それでいいにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでの研究を並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

浮気された側の苦しみは、
「心が狭いから」とか
「執着してるから」とか、
そういう言葉で片づけられがちにゃ。

「もう終わったことでしょ」
「次に行きなよ」
「あなたにも原因があったんじゃない?」

…そんな言葉が、
どれだけ人を追い詰めるか。

でも研究が示しているのは、
**浮気の発覚後に起きることは、
戦場から帰った兵士に起きることと
同じカテゴリの反応だった**ということにゃ。

それくらい、重いことにゃ。
それくらい、あなたの痛みは本物にゃ。

もちろん、これはひとつの角度から見た話にゃ。
人の傷つき方も、回復の仕方も、ひとりひとり違うにゃ。
でも、「あの苦しみには名前がある」と知ることが、
ほんの少しでも支えになったらいいなと思うにゃ。

🐱

信頼していた人に裏切られたとき、
世界がひっくり返るような感覚。

それは、あなたの心が
正常に動いている証拠にゃ。

信頼できたということは、
あなたが人を愛せる人だった
ということにゃ。

その力を、どうか
嫌いにならないでほしいにゃ。

…にゃんたる、
この話ができてよかったにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

猫の国には
こんな場所もあるにゃ

📚 図書館

心に寄り添う物語を読む

🎓 学び舎

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🛠️ 道具屋

自分を知るための診断ツールを試す

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Freyd, J. J. (1996). Betrayal Trauma: The Logic of Forgetting Childhood Abuse. Harvard University Press.
Ortman, D. C. (2005). Post-Infidelity Stress Disorder. Journal of Psychosocial Nursing and Mental Health Services, 43(10), 46-54.
Gordon, K. C., Baucom, D. H., & Snyder, D. K. (2004). An Integrative Intervention for Promoting Recovery from Extramarital Affairs. Journal of Marital and Family Therapy, 30(2), 213-231.
Steffens, B. A., & Rennie, R. L. (2006). The Traumatic Nature of Disclosure for Wives of Sexual Addicts. Sexual Addiction & Compulsivity, 13(2-3), 247-267.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com