← 研究所
1 / 13

🔬 猫の国 研究所

"セックスレス"の正体は、
回数じゃなくて
「欲求のズレ」だった?

…これ、悩んでる人
けっこう多いと思うにゃ。

💕
👉 スワイプで読む
PM 11:47
最近レスだよね…
そういう気分じゃなくて…
私が悪いの?
…そういう話じゃないんだけど

このテーマ、
研究所のねこたちが
しっかり調べてみたにゃ。

だって、この問題で
ひとりで悩んでる人が
すごく多いって知ったからにゃ。

実はこのテーマ、
**研究者たちがかなり真剣に
取り組んでいる分野**だったにゃ。

🧪 Sexual Desire Discrepancy(SDD)

「欲求のズレ」って
そもそも何にゃ?

研究者たちが注目しているのは、「回数が少ないこと」そのものじゃないにゃ。

問題になるのは、パートナー同士の「したい度合い」が違うことにゃ。
これを学術的にはSexual Desire Discrepancy(SDD=性的欲求の不一致)と呼ぶにゃ。

片方は「もっと近づきたい」、
もう片方は「今はいいかな」。
このギャップが、苦しみの正体

📊 カップルセラピーの現場から

欲求のズレ(SDD)は、カップルがセックスセラピーを受ける理由の第1位であると報告されているにゃ。

#1

セラピー受診理由

つまり、多くのカップルが直面している問題にゃ。
あなただけじゃないにゃ。

🧪 Willoughby et al. (2014)

1,054組の夫婦を
調べてわかったこと

ウィロビーたちの研究チームは、1,054組のアメリカの既婚カップルを対象に、欲求のズレが関係にどう影響するかを調べたにゃ。

📊 主な発見

・欲求のズレが大きいほど、関係満足度が低い
・関係の安定感も下がる
衝突が増える
・この傾向は男女どちらにも見られた

1,054組

調査対象の既婚カップル

「回数が多い・少ない」が問題なんじゃなくて、ふたりの間の「差」が大きいことが関係の満足度を下げていたにゃ。

週1回でも、ふたりとも「それくらいがいいね」と思っていれば問題は少ないにゃ。
逆に週3回でも、片方が「本当はもっと」と思っていたら、ズレは存在するにゃ。

💡 「少ない方」が決める構造

実は、
欲求が低い方のパートナーが
頻度を決めていた

ウィロビーたちの研究で、もうひとつ興味深い発見があったにゃ。

実際の頻度は、
欲求が低い方のパートナー
合わせる形になりやすい

これ、考えてみると自然なことにゃ。
「したくない」人に無理強いはできないから、結果的にそうなるにゃ。

でもこの構造には落とし穴があるにゃ。

🔄 すれ違いの構造

欲求が高い方:「拒否されてる」「魅力がないのかな」と傷つく
欲求が低い方:「プレッシャーをかけられてる」「申し訳ない」と罪悪感

→ どちらもつらい。どちらも悪くないにゃ。

この構造を知ってるだけで、
「相手が悪い」「自分が悪い」じゃなくて、
「これは構造の問題なんだ」と思えるかもしれないにゃ。

🧪 European Society for Sexual Medicine (2020)

「欲求のズレ」は
バグじゃなくて、
長期関係の"仕様"だった

2020年、ヨーロッパ性医学会が公式の見解を発表したにゃ。
その中に、にゃんたるが一番驚いた言葉があるにゃ。

性的欲求の不一致は、
長期的な関係において
「バグ」ではなく「仕様」である

"A feature, not a bug."

つまり、長く一緒にいれば欲求にズレが出るのは異常でも故障でもなくて、当たり前のことだと、専門家の学会が言っているにゃ。

ふたりの人間が、いつも同じタイミングで
同じ強さの欲求を感じるほうが、
むしろ不思議にゃ。

体調も、ストレスも、ホルモンバランスも、
仕事の忙しさも、その日の気分も——
全部違うのが当たり前にゃ。

🧪 Hangen et al. (2023)

頻度を合わせるより、
「話せること」が
満足度を上げていた

ハンゲンたちの最新の研究(2023年)は、もっと踏み込んだ発見をしたにゃ。

📊 コミュニケーションの効果

性的なコミュニケーションの満足度が高いカップルは:

・実際の欲求のズレがあっても、「ズレている」と感じにくかった
・結果として関係満足度が高かった

つまり、ズレそのものを無くさなくても、
話し合えている実感があれば、問題は小さくなるにゃ。

大事なのは欲求を一致させることじゃない。
「このことについて話せる」
という安心感

「実際のズレ」と「感じているズレ」は違うにゃ。

話し合えているカップルは、
同じだけのズレがあっても、
それをズレだと感じにくかったにゃ。

💡 「感じているズレ」と「実際のズレ」

話せると、
ズレの「感じ方」が変わる

なぜ「話すこと」がそんなに効くのか。
にゃんたるなりに整理してみたにゃ。

話せないとき

🔇 沈黙の中で膨らむもの

「なぜ拒否されるんだろう」→ 「愛されてない?」
「なぜ求められるんだろう」→ 「体目的?」

相手の気持ちがわからないから、最悪の解釈で埋めてしまうにゃ。

話せるとき

🗣️ 言葉が埋めるもの

「今は疲れてるだけで、あなたが嫌なわけじゃない」
「もっと触れたいのは、あなたが好きだから」

理由がわかると、同じズレでも意味が変わるにゃ。

研究が示しているのは、
**ズレを無くすことが目標じゃなくて、
ズレについて安心して話せることが目標**
だということにゃ。

⚠️ 研究が示す「逆効果」

「もっと頑張ろう」は
解決策じゃなかった

欲求のズレに気づいたとき、やりがちなことがあるにゃ。
でも研究の知見から見ると、逆効果になりやすいものがあるにゃ。

逆効果①

❌「義務感で応じる」

「パートナーのために我慢して応じよう」
→ 義務的な行為は、長期的にさらに欲求を下げるリスクがあるにゃ。
そして相手も「本当は嫌なんじゃないか」と感じ取ってしまうにゃ。

逆効果②

❌「プレッシャーをかける」

「普通はもっと多いよ」「他のカップルは…」
→ 比較や圧力は、欲求が低い側の罪悪感と回避を強めるだけにゃ。

逆効果③

❌「原因探しをして相手を責める」

「ストレスのせいでしょ」「スマホばっかり見てるからでしょ」
→ 原因を特定して相手を変えようとするのは、対話ではなく裁判にゃ。

どれも、悪気があってやってるわけじゃないにゃ。
「なんとかしたい」という気持ちの裏返しにゃ。

でも、研究が繰り返し示しているのは、
「変えようとする」より「わかろうとする」
ほうが関係を守るということにゃ。

ここでちょっとだけ、
考えてみてほしいにゃ。

パートナーとの間に
「欲求のズレ」を感じたことは
あるにゃ?

そのとき、
それについて話せたにゃ?

話せなかったとしたら、
何がそれを難しくしてたにゃ?

話せなかったとしても、
それは自然なことにゃ。
このテーマは、誰にとっても
簡単じゃないにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

「レス」って言葉は、
何かが欠けているというニュアンスがあるにゃ。
「〇〇レス」=「〇〇がない」。

でも研究が教えてくれたのは、
問題の本質は「ないこと」じゃなくて
「ズレていること」だったにゃ。

そしてもっと言えば、
**ズレそのものよりも、
ズレについて話せないこと**が
関係を蝕んでいたにゃ。

「バグじゃなくて仕様」。
この言葉が、にゃんたるはすごく好きにゃ。

長く一緒にいれば、ズレるのが当たり前。
そう思えたら、
「うちはおかしいのかな」という不安が
少しだけ軽くなるかもしれないにゃ。

もちろん、これはあくまでひとつの角度から見た話にゃ。
あなたの関係のことは、あなたが一番わかってるにゃ。

🐱

「回数」を数えるんじゃなくて、
「気持ち」を聴き合うこと。

欲求のズレは、なくせないかもしれないにゃ。
でも、ズレたまま一緒に歩くことはできるにゃ。

大事なのは、ぴったり合うことじゃなくて、
「ズレてるね」って笑い合えること
なのかもしれないにゃ。

…にゃんたる、
伝えてよかったにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

猫の国には
こんな場所もあるにゃ

🎓 学び舎

「伝えるためのひみつノート」で
コミュニケーションを実践する

📚 図書館

心に寄り添う物語を読む

🛠️ 道具屋

自分を知るための診断ツールを試す

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Mark, K. P. (2012). Gender differences in desire discrepancy as a predictor of sexual and relationship satisfaction. Archives of Sexual Behavior, 41(2), 477-486.
Willoughby, B. J., et al. (2014). Exploring the effects of sexual desire discrepancy among married couples. Archives of Sexual Behavior, 43, 551-562.
European Society for Sexual Medicine (2020). Sexual Desire Discrepancy: A Position Statement. Journal of Sexual Medicine, 17(7), 1217-1225. PMC7261674
Hangen, F., et al. (2023). Sexual Communication Satisfaction Mediates the Association Between Sexual Desire Discrepancy and Perceived Desire Discrepancy. Journal of Sex & Marital Therapy, 49(4). PMC10001296
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com