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🔬 猫の国 研究所

「運命の人」を信じる人ほど、
関係が壊れやすい
という研究がある

…運命を信じることが、
運命を遠ざけてるかもしれないにゃ。

🔮
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「運命の人っているのかにゃ?」

この問いに、
胸の奥がきゅっとなる人は
少なくないと思うにゃ。

出会った瞬間に
「あ、この人だ」と感じた経験。

別れたあとに
「あの人が運命の人だったのかな」と
振り返ってしまうこと。

誰かを好きになるたびに
「今度こそ運命かも」と
期待してしまう自分。

でもにゃ。

心理学者のひとりが、
1990年代に、ちょっと意外な
データを出していたにゃ。

「運命の人」を信じる人ほど、
関係が短命に終わっていた

🧪 Knee の研究(1998年)

恋愛における
「ふたつの信念」

ヒューストン大学の C. Raymond Knee は、人が恋愛について持っている暗黙の信念を調べたにゃ。

彼は、人の恋愛観を大きくふたつのタイプに分けたにゃ。

🔮 運命信念(Destiny Belief)

「相性のいい人と悪い人がいて、それは最初から決まっている
「合う人とは最初からうまくいくし、合わない人とは何をしてもダメ」
…という考え方にゃ。

🌱 成長信念(Growth Belief)

「関係は育てていくもの
「最初は合わなくても、努力や対話でうまくいくこともある」
…という考え方にゃ。

どちらも、誰の中にもある考え方にゃ。
「自分は完全にどっちか」じゃなくて、どっちが強いかの問題にゃ。

Knee は、この信念の強さが恋愛の経過にどう影響するかを、大学生のカップルを追跡して調べたにゃ。

🧪 結果

運命を信じる人ほど
関係が*短かった*

結果は、ちょっと意外なものだったにゃ。

📊 Knee (1998) の縦断データ

運命信念が強い人の恋愛は、
成長信念が強い人と比べて

*平均して短命*

だったにゃ。
とくに最初の印象が良かった関係は長く続いたけど、ひとたび「合わないかも」と感じると、急速に終わる傾向があったにゃ。

もう少し詳しく見ていくにゃ。

運命信念が強い人は、恋愛のスタート時点では同じくらい幸せだったにゃ。
問題は、何かが起きたあとに出てきたにゃ。

価値観のズレ、ささいな喧嘩、相手にイラっとした瞬間。

運命派は、そういう小さなノイズを
「これは違う相手だっていうサインかも」
と解釈しやすかったにゃ。

成長派は、同じ出来事を
「すり合わせる作業のひとつ」
と受け取りやすかったにゃ。

同じ出来事が、まったく別の意味に化けるにゃ。

🧪 なぜ壊れやすいのか

「合う」「合わない」の
*テスト*にしてしまう

Knee や、その後の Franiuk らの研究(2002)は、運命信念のもうひとつの特徴を見つけたにゃ。

運命派は、関係のあらゆる出来事を
「これは正しい相手か」のテストとして
読んでしまう

相手の何気ない一言にイラっとしたとき。
意見が合わなかったとき。
気持ちが冷めたように感じた朝。

…そのたびに、関係そのものが採点されるにゃ。

運命派の思考パターン

💭 ノイズ → 関係の意味を疑う

「これって、合わないってことかな」
「やっぱり違う人だったのかも」
…と、出来事の意味を関係全体に拡張して読みやすいにゃ。

成長派の思考パターン

🌱 ノイズ → 育てる過程の一部

「こういうのは、すり合わせていけばいい」
「今わたしたちは、何を学んでるんだろう」
…と、出来事を関係の文脈の中で処理しやすいにゃ。

同じ景色を見ても、持っているレンズが違うと、見える意味が変わるにゃ。

🧪 運命信念に良い面はないのか?

運命派が
*強い*場面もある

ここで誤解しないでほしいのは、運命信念が悪いという話じゃないことにゃ。

Knee の続きの研究で、おもしろいことがわかってきたにゃ。

📊 運命信念の「光」の側面

最初から相性のいい相手と出会えた場合、

運命派の関係は*もっとも満足度が高い*

という結果も出ているにゃ。「これは運命の相手」と思える確信が、ふたりを強く結びつけるにゃ。

つまりにゃ。

運命信念は、うまくいってる時には強い接着剤になるけど、ノイズが入った時にはもろくなる、
というパターンにゃ。

一方で成長信念は、スタート時点での高揚感はちょっと少ないけど、困難に対する耐性が強いにゃ。

どちらも、人生の場面によって強みと弱みがあるにゃ。

ここでちょっと、
立ち止まってみるにゃ。

今までの恋愛で、
「合わなかったからダメだった」と
感じてきたこと、ないかにゃ?

それとも、
「すり合わせていけばよかったのかな」と
振り返ること、ないかにゃ?

…どっちが正しい、
という話じゃないにゃ。

ただ、自分がどっちのレンズで
恋愛を見ているのかを
ちょっとだけ意識してみると、
見える景色が変わるかもしれないにゃ。

レンズは、
意識すればかけ替えられるにゃ。

🧪 もうひとつの含意

「運命」を信じすぎると
*相手が消える*

Knee の研究を読み込んでいくと、もうひとつ気になる含意が見えてくるにゃ。

運命を信じすぎると、
目の前の相手ではなく、
「運命の人かどうか」のラベル
を見てしまう

たとえばにゃ。

相手が疲れていてそっけなかった日。
運命派は「合わない人かも」と感じやすい。
でも本当は、ただ相手が疲れていただけかもしれないにゃ。

相手が違う意見を持っていたとき。
運命派は「価値観が違う」と感じやすい。
でも本当は、ただの違いを、対話で埋められたかもしれないにゃ。

運命というレンズは、
目の前の生身の相手
「正解か不正解か」のクイズ
変えてしまうことがあるにゃ。

…そしてクイズには、終わりがあるにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことにゃ。

「運命の人」って、
ロマンチックで、
人生を意味づけてくれる言葉にゃ。

それを信じる気持ちは、
まったく否定したくないにゃ。

ただ、研究が静かに教えてくれているのは、
*運命を信じる強さと、
相手を見つめる柔らかさ*は
別ものかもしれない、ということにゃ。

「運命の人ならわかってくれるはず」
「運命の人なら傷つけないはず」
「運命の人なら最初から合うはず」

…というテストを続けていると、
目の前の人が
採点される対象になってしまうにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

もう少し、
付け足したいことにゃ。

運命派と成長派、
どちらが正しいという話じゃないにゃ。

大事なのは、
自分がどっちのレンズをかけて
恋愛を見ているのかに、
ときどき気づくことかもしれないにゃ。

もちろん、研究が示しているのは
統計的な傾向であって、
すべての人やすべての関係に
同じように当てはまるわけじゃないにゃ。

運命を信じることで
大切な人と巡り合えた人もいるし、
運命を疑うことで
大切な人を見落とした人もいるかもしれないにゃ。

🧪 もうひとつの読み方

「運命」は
*探すもの*じゃなく
*育てていくもの*かもしれない

研究を踏まえて、ひとつの読み替えを置いてみるにゃ。

運命の人は、
どこかで見つけるものではなく、
ふたりで育てていくもの
なのかもしれない

出会った瞬間に「運命だ」と感じることもあるかもしれない。
でもその確信は、すり合わせの時間を経て、あとから本物になることもあるにゃ。

逆に、最初は「ちょっと違うかも」と思っても、対話を重ねるうちにこの人でよかったと思えることもあるにゃ。

運命は、最初に与えられているものじゃなくて、ふたりで作っていくもの——

そんな読み替えが、もしかしたら誰かの肩を軽くするかもしれないにゃ。

🔮

「運命の人」を信じる強さは、
ときに関係をもろくする。

「育てていける」と信じる柔らかさは、
ときに関係を長く保つ。

…研究が教えてくれるのは、
そんなちょっと意外な話だったにゃ。

あなたが今、
どちらのレンズで誰かを見ているとしても、
それは間違いじゃないにゃ。

ただ、
別のレンズもあると知っているだけで、
見える景色が少し変わるかもしれないにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

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🎨 美術館

絵の前で静かな時間を過ごす

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Knee, C. R. (1998). Implicit theories of relationships: Assessment and prediction of romantic relationship initiation, coping, and longevity. Journal of Personality and Social Psychology, 74(2), 360-370.
Knee, C. R., Patrick, H., & Lonsbary, C. (2003). Implicit theories of relationships: Orientations toward evaluation and cultivation. Personality and Social Psychology Review, 7(1), 41-55.
Franiuk, R., Cohen, D., & Pomerantz, E. M. (2002). Implicit theories of relationships: Implications for relationship satisfaction and longevity. Personal Relationships, 9(4), 345-367.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
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