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🔬 猫の国 研究所

"家族だから許さなきゃ"が
しんどい理由を、
研究が説明していた

…「許す」って、誰のためのものなのかにゃ?
ちょっと気になる研究を見つけたにゃ。

🐱
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法事の帰り道
もう許してあげなよ
家族なんだからさ
いつまでも引きずってたら自分がつらいよ?
…。

この言葉を言われたことがある人、
少なくないんじゃないかにゃ。

言ってる側に悪気はないにゃ。
むしろ心配して言ってくれてるにゃ。

でも聞いた瞬間、胸がぎゅっとなる。

「許さなきゃいけないのに、許せない自分」が、
また少し重くなるにゃ。

🧪 研究① 許しの治療プログラム

「自分で選んだ許し」は、
心を回復させた

2006年、ウィスコンシン大学のReed博士とEnright博士が、ある実験を行ったにゃ。

対象は、配偶者から精神的虐待を受けた女性20人。全員が平均5年前に永久に別居していたにゃ。

半分の10人にはフォーギブネス・セラピー(許しの治療)を、もう半分には別の治療を行ったにゃ。

📊 結果

フォーギブネス・セラピーを受けたグループは、もう一方と比べて
うつ症状、不安、PTSD症状が有意に改善。

さらに自尊心、環境への自己統制感、人生の意味の発見も大きく向上したにゃ。

8.35ヶ月後も維持

フォローアップでも効果は持続していたにゃ。

ここで大事なのは、この「許し」は本人が自分の意志で、自分のタイミングで選んだものだったにゃ。

誰かに言われたからじゃない。
「許すべき」と思ったからでもない。

自分で、自分のために選んだ許しだったにゃ。

ここでひとつ考えてみてほしいにゃ。

「許す」が回復につながるなら、
「家族だから許しなよ」も
正しいアドバイスなのかにゃ?

…でも、ちょっと待ってほしいにゃ。

同じ「許す」でも、
そこに自分の意志があるかどうかで、
結果はまったく違うにゃ。

🧪 研究② 強制された許し

「許さなきゃ」は、
心を壊す方向に働いた

許しの研究が進むなかで、もうひとつの側面が見えてきたにゃ。

強制された許し、表面的な許しがどういう結果を生むか、にゃ。

📊 見えてきたこと

無理に許そうとすると、陰湿な怒りと罪悪感・恥のサイクルが生まれることが報告されているにゃ。

怒りを押し込める → 「許せない自分」を責める → また怒りが湧く → また責める…

この終わらないループにゃ。

さらに、責任を取らない相手、繰り返し傷つけてくる相手を許すことは、被害を受け続ける状況を維持し、自尊心を低下させることが示されているにゃ。

💡 つまり

自分で選んだ許し → うつ・不安・PTSDが改善
強制された許し → 怒りと罪悪感のループ、自尊心の低下

同じ「許す」という言葉なのに、そこに自分の意志があるかどうかで、結果が正反対になるにゃ。

🧪 研究③ 「許し」の武器化

許しが、
口を塞ぐ道具に
使われるとき

研究者たちが特に警告しているのが、
「許し」が支配の道具として使われるケースにゃ。

📊 報告されているパターン

加害者が「許せ」と要求する
→ 自分の行為の責任を回避するためにゃ。

周囲や宗教的権威が「許しなさい」と促す
→ 被害者の声を封じる効果を持つことがあるにゃ。

どちらも、被害者の感情や経験よりも
「場の安定」や「関係の維持」が優先されてるにゃ。

「家族だから」「もう終わったことだから」「あの人も反省してるから」。

これらの言葉は、言ってる人にとっては解決にゃ。
でも言われた人にとっては、もうひとつの傷になり得るにゃ。

強制された許しは、トラウマからの回復を妨げる
研究者たちはそう指摘しているにゃ。

🧩 ここまでの整理

「家族だから許さなきゃ」
を研究から見ると

研究①

🕊️ 自分で選んだ許しは、回復につながった

うつ・不安・PTSD改善、自尊心と意味の回復(8ヶ月後も維持)

研究②

⚡ 強制された許しは、逆効果だった

怒りと罪悪感のループ、自尊心の低下、被害の維持

研究③

🔇 「許し」は口を塞ぐ道具にもなり得た

加害者や周囲が「許せ」と言うとき、被害者の声が封じられる

すると

「許すかどうか」より、
「誰が決めるか」が重要だった

…のかもしれないにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

「許さなきゃ」と思ってる人は、
たぶんずっと優しい人にゃ。

家族のことを本気で嫌いになれなくて、
でも本気で許すこともできなくて、
その間でずっとぐるぐるしてるにゃ。

研究が言ってるのは、
「許すな」でも「許せ」でもないにゃ。

**「許す」が回復につながるのは、
それが自分のタイミングで、
自分の意志で選んだときだけ**にゃ。

逆に言えば、今は許さなくていい
それは冷たいことでもなんでもないにゃ。

もちろん、これもひとつの考え方にゃ。あなたの状況は、あなたにしかわからないにゃ。

最後にひとつだけにゃ。

「許さないと前に進めない」
って、本当かにゃ?

研究所は、そうは思わないにゃ。

「許す」は、
回復の唯一の道じゃない。

距離を取ること。
怒りを認めること。
自分を守ること。

それも立派な「前に進む」にゃ。

**「許さなきゃ」を降ろしたとき、
はじめて「許すかどうか」を
自分で選べるようになる**
…のかもしれないにゃ。

あなたの「許さなきゃ」は、
誰の声で聞こえるにゃ?

…自分の声かにゃ?
それとも、誰かに言われた声かにゃ?

🐱

自分で選んだ許しは心を回復させたり、
強制された許しは逆に傷つけたり、
「許し」が口を塞ぐ道具になったり。

人間の「許す」って、
思ってたより複雑にゃ。

研究はあくまで研究にゃ。
それをどう受け取るかは、
あなた次第にゃ。

**でも「許さなきゃ」を
少し降ろせたら、
呼吸が楽になるかもしれないにゃ。**

📚 参考文献

この記事で紹介した研究

Reed, G. L., & Enright, R. D. (2006). The Effects of Forgiveness Therapy on Depression, Anxiety, and Posttraumatic Stress for Women after Spousal Emotional Abuse. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 74(5), 920-929.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
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