🔬 猫の国 研究所
"お母さんのために
いい子でいよう"は、
3歳で結んだ契約書
…その契約、まだ有効だと
思ってないかにゃ?
気になる研究があるにゃ。
お母さんが泣いてる。
お母さんが怒ってる。
お母さんが疲れてる。
小さな子どもは、それを見て思うにゃ。
「ぼくがいい子にしてたら、
お母さんは笑ってくれるかな」
その瞬間、小さな手で
一枚の契約書にサインするにゃ。
「いい子でいます。
だから、愛してください。」
…この契約の問題は、
相手がサインしてないことにゃ。
2004年、Assor博士、Roth博士、そして自己決定理論で知られるDeci博士が、ある研究を発表したにゃ。
この研究がすごいのは、3世代にわたって調べたことにゃ。母親たちに「自分の親からどう育てられたか」を聞き、その娘たち(大学生)に「母親からどう育てられたか」を聞いたにゃ。
親が「条件つきの愛情(Conditional Regard)」で育てた場合、子どもには以下が確認されたにゃ:
子どもは親の望む行動をした。
でもそれは自発的じゃなくて、
内側からの強迫的な義務感で動いていたにゃ。
さらに確認された影響はこうにゃ。
親への怒りと恨みの感情。
不安症状の増加。
自尊心の低下。
感情のコントロールの困難。
そして、完璧主義。
つまり、条件つきの愛情は「しつけ」としては成功していたにゃ。
子どもはちゃんと「いい子」になったにゃ。
…ただし、かなりの精神的コストを払ってにゃ。
ここでひとつ考えてみてほしいにゃ。
「いい子にしてたら愛される」
という感覚、
今でもどこかに残ってないかにゃ?
職場で。友達の前で。
パートナーの前で。
次の研究は、
その感覚がどうやって
作られるのかを説明してくれるにゃ。
愛着理論の創始者、Bowlby博士は1969年にこう提唱したにゃ。
子どもは養育者との関係から、内的作業モデル(Internal Working Model)という心の設計図を作るにゃ。
子どもが学習するのはこの2つにゃ:
① この人は頼れるか?
(養育者の応答性・信頼性)
② 自分は愛される存在か?
(養育者の目に映る自己像)
この2つの答えが、その後のすべての人間関係のテンプレートになるにゃ。
「いい子のときだけ愛される」環境で育った子どもは、こういう設計図を持つことになるにゃ。
「私は頑張っているときだけ
愛される存在である」
裏を返せばこうにゃ。
「頑張っていない私は、
愛されない」
Bowlby博士によると、この設計図は一度できると意識されにくくなるにゃ。
当たり前すぎて、疑うことすらできなくなるにゃ。
…それは、契約書の存在を忘れたまま、契約を守り続けている状態にゃ。
家族療法の研究には、「親子役割逆転(Parentification)」という概念があるにゃ。
機能不全の家庭で、子どもが大人の役割を引き受けることにゃ。大きく2種類あるにゃ。
① 道具的な役割逆転
家事、きょうだいの世話、家計の管理など。
子どもが「小さなお母さん/お父さん」になるにゃ。
② 感情的な役割逆転
親の愚痴を聞く。親を慰める。
親の相談役・カウンセラーになるにゃ。
この状態が慢性的に続くと、子どもの体にはコルチゾール(ストレスホルモン)が常に高い状態が作られるにゃ。
周囲の空気を読み続ける過覚醒状態にもなるにゃ。
長期的な影響として報告されているのは:
うつ症状、不安症状、そして
自分の価値を「誰かに必要とされること」でしか測れなくなることにゃ。
「いい子でいよう」の契約書は、
いつの間にか
「この家を支えます」という雇用契約書に
書き換わっていたのかもしれないにゃ。
「いい子のときだけ愛する」→ 子どもは従うが、内的強制・怒り・不安・完璧主義を抱える
「頑張っている自分だけが愛される」という内的作業モデルが形成される
慢性的ストレス・過覚醒・「必要とされないと価値がない」という信念
…契約書を破棄していいと、誰にも教えてもらえなかったからにゃ。
もうひとつ、考えてみてほしいにゃ。
今のあなたが「頑張りすぎてしまう」とき、
その頑張りは
自分のためだろうか。
それとも、
まだあの契約書を
守ろうとしているんだろうか。
答えは出なくていいにゃ。
気づくだけで、
ちょっと何かが変わるかもしれないにゃ。
ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。
3歳の子どもが
「いい子でいよう」と決めたのは、
お母さんを助けたかったからにゃ。
それは、小さな体でできる
精一杯の愛情表現だったにゃ。
問題なのはその子じゃなくて、
その契約に「終了条件」がなかったことにゃ。
20年経っても、30年経っても、
「いい子」をやめたら
愛されなくなる気がする。
それは、契約書がまだ
生きているということにゃ。
…でもにゃ。
その契約書は、3歳のあなたが書いたものにゃ。
今のあなたは、
それを読み返して、
「これはもう古い」と言っていい立場にいるにゃ。
もちろん、これはひとつの見方にすぎないにゃ。ピンとこなければ、それでいいにゃ。
最後にひとつだけにゃ。
「じゃあ、親を恨めばいいの?」
研究所は、そうは思わないにゃ。
Assor博士の研究が示したのは、
条件つきの愛情は世代を超えて連鎖するということにゃ。
お母さんも、そのお母さんから
同じ契約書を渡されていたのかもしれないにゃ。
恨むんじゃなくて、
契約を更新する。
「いい子じゃなくても、
私は私でいていい」
その一行を書き足すだけで、
契約書の意味はまるで変わる
のかもしれないにゃ。
条件つきの愛情は3世代にわたっていたり、
心の設計図は幼児期に作られたり、
子どもが親の親になっていたり。
人間って、おもしろいにゃ。
研究はあくまで研究にゃ。
それをどう受け取るかは、
あなた次第にゃ。
**でも「あの契約書は
もう古い」と気づけたら、
少し呼吸が
楽になるかもしれないにゃ。**
心に寄り添う物語を読む
「自分を知る・認めるひみつノート」
「自責を手放すひみつノート」で実践する
自分を知るための診断ツールを試す
猫の国は、優しい人のための場所にゃ。