🔬 猫の国 研究所
「ありがとう」は
「愛してる」より、
関係を守る
…今夜から試せるにゃ。
ちょっとあたたかい研究を見つけたにゃ。
なにげない夜の、なにげない一杯にゃ。
「ありがとう」と言った。
でもそれ、ほんとうに届いてたかにゃ?
実はこの小さな「ありがとう」に、
研究者たちがすごいことを見つけたにゃ。
「愛してる」より強いかもしれない力を。
2010年、ノースカロライナ大学のAlgoe博士たちが、同棲カップルを対象にした日記研究をしたにゃ。
カップルの両方に毎日、「今日パートナーにしてもらったこと」「感じた気持ち」を記録してもらったにゃ。
パートナーの行動に感謝を感じた日は、
翌日の関係満足度と親密感が上がっていたにゃ。
しかもこれは、感謝した側だけじゃなくて、
感謝された側にも同じ効果があったにゃ。
つまり、ひとつの「ありがとう」が、ふたりの間を同時にあたためていたにゃ。
Algoe博士はこの効果を「ブースター・ショット」と名づけたにゃ。
日常の感謝が、関係の免疫力を上げるワクチンのように働くということにゃ。
その「ありがとう」の力は、
数字にも表れているにゃ。
5週間の感謝プログラムに参加したカップルは、
参加しなかったカップルより
1日あたり平均
一緒にいる時間が長かったにゃ(Chang et al., 2022)。
Gordon博士たちの縦断研究(2012年)では、
パートナーに感謝を感じている人ほど、
相手のニーズに応えようとする行動が増え、
関係への献身度(コミットメント)が高く、
その後も関係が続く確率が高かったにゃ。
しかも第三者の観察者から見ても、
感謝しているカップルは
明らかにお互いを大切にしていたにゃ。
でも、なんで「ありがとう」がそんなに強いのかにゃ?
研究者たちが見つけた答えは、シンプルだったにゃ。
「ありがとう」は、ただのお礼じゃないにゃ。
そこには3つのメッセージが含まれてるにゃ。
① あなたの行動に気づいたよ
② その努力をちゃんとわかってるよ
③ あなたは、私にとって大切な人だよ
つまり「ありがとう」は、「I see you(あなたが見えてるよ)」という承認にゃ。
人が関係のなかで一番求めているもの。
それは「愛されること」より、
「自分の存在に気づいてもらえること」
なのかもしれないにゃ。
「愛してる」と「ありがとう」。
どっちも大切な言葉にゃ。
でも、脳への届き方がちょっと違うにゃ。
大きくて、美しくて、抽象的にゃ。
「愛してるって、具体的にどういうこと?」
と聞かれたら、ちょっと困るにゃ。
繰り返すほど慣れてしまうこともあるにゃ。
小さくて、具体的で、今この瞬間の言葉にゃ。
「お茶を淹れてくれてありがとう」
「話を聞いてくれてありがとう」
「一緒にいてくれてありがとう」
毎回違う場面で使えるから、慣れにくいにゃ。
「愛してる」は関係全体への宣言にゃ。
「ありがとう」は今日のあなたへの手紙にゃ。
…どちらが日常に寄り添えるか、考えてみてにゃ。
ここまで読んで、「よし、とりあえず"ありがとう"って言えばいいのか」と思った人に、大事なことにゃ。
Algoe博士たちの2016年の追跡研究で、とても重要なことがわかったにゃ。
感謝の効果があったのは、
相手が「この人は本気で言ってくれてる」と
感じたときだけだったにゃ。
形だけの「ありがとう」、
義務的な「ありがとう」では、
関係への良い効果はほとんどなかったにゃ。
しかも、効果が最も高かった感謝の伝え方には、ある特徴があったにゃ。
「助かったよ」(自分の利益を述べる)よりも、
「あなたって本当に気がつく人だね」
(相手の良さを言葉にする)ほうが、
関係への効果がはるかに大きかったにゃ。
これを研究者はother-praising(他者称賛)と呼んでいるにゃ。
「ありがとう」の本質は、
「あなた」を主語にすることにゃ。
「(私が)助かった」じゃなくて、
「(あなたが)すてきだ」。
大げさじゃなくていいにゃ。
日常の小さな瞬間で十分にゃ。
× 「ありがとう」(だけ)
○ 「ありがとう、あなたっていつもタイミングいいね」
× 「助かった」
○ 「ありがとう、好きなもの覚えててくれて嬉しい」
× (なにも言わない)
○ 「あなたがいると安心する、ありがとう」
× 「ごめんね、愚痴ばっかりで」
○ 「疲れてるのに聞いてくれて、ありがとう。あなたって本当にやさしいね」
ポイントは、「あなた」を主語にして、相手の良さを言葉にすることにゃ。
…ちょっと照れくさいかもしれないけどにゃ。
ここでひとつ、考えてみてほしいにゃ。
最後にパートナーに
「ありがとう」を言ったのは
いつだったにゃ?
そのとき、
相手の「なにが」素敵だったか、
言葉にできたかにゃ?
もし思い出せなくても、大丈夫にゃ。
それは今夜から始められるにゃ。
ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。
長く一緒にいると、
相手がしてくれることが
「当たり前」になっていくにゃ。
お茶を淹れてくれること。
ゴミを出してくれること。
疲れてても「おかえり」と言ってくれること。
全部、当たり前じゃないにゃ。
全部、その人が選んで、してくれていることにゃ。
そこに気づいて、
「ありがとう」と伝えること。
それは相手のためだけじゃなくて、
*自分の目を、あたたかい方向に
向け直す行為*でもあるのかもしれないにゃ。
足りないところを探すんじゃなくて、
すでにあるものに気づく。
…それだけで、
同じ景色がちょっと変わるかもしれないにゃ。
もちろん、これはひとつの見方にゃ。あなたの関係のことは、あなたが一番わかってるにゃ。
「ありがとう」が翌日の関係を変えたり、
1日68分も一緒にいる時間が増えたり、
「あなたが」を主語にすると効果が倍になったり。
人間って、おもしろいにゃ。
そして、やさしいにゃ。
今夜、隣にいる人に
「ありがとう」を
届けてみてにゃ。
大きな言葉じゃなくていいにゃ。
「あなたがいてくれて、ありがとう」。
…それだけで、
明日のふたりは
今日よりちょっとだけ近くなるかもしれないにゃ。
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