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🔬 猫の国 研究所

「ありがとう」は
「愛してる」より、
関係を守る

…今夜から試せるにゃ。
ちょっとあたたかい研究を見つけたにゃ。

🐱
👉 スワイプで読む
PM 9:14
お茶、淹れたよ
ありがとう
それだけ?

なにげない夜の、なにげない一杯にゃ。

「ありがとう」と言った。
でもそれ、ほんとうに届いてたかにゃ?

実はこの小さな「ありがとう」に、
研究者たちがすごいことを見つけたにゃ。

「愛してる」より強いかもしれない力を。

🧪 研究① 感謝の「ブースター効果」

小さな「ありがとう」が、
翌日の関係を
変えていた

2010年、ノースカロライナ大学のAlgoe博士たちが、同棲カップルを対象にした日記研究をしたにゃ。

カップルの両方に毎日、「今日パートナーにしてもらったこと」「感じた気持ち」を記録してもらったにゃ。

📊 結果

パートナーの行動に感謝を感じた日は、
翌日の関係満足度と親密感が上がっていたにゃ。

しかもこれは、感謝した側だけじゃなくて、
感謝された側にも同じ効果があったにゃ。

つまり、ひとつの「ありがとう」が、ふたりの間を同時にあたためていたにゃ。

Algoe博士はこの効果を「ブースター・ショット」と名づけたにゃ。

日常の感謝が、関係の免疫力を上げるワクチンのように働くということにゃ。

その「ありがとう」の力は、
数字にも表れているにゃ。

📊 感謝を伝えたカップルは

5週間の感謝プログラムに参加したカップルは、
参加しなかったカップルより
1日あたり平均

68分

一緒にいる時間が長かったにゃ(Chang et al., 2022)。

📊 さらに

Gordon博士たちの縦断研究(2012年)では、
パートナーに感謝を感じている人ほど、
相手のニーズに応えようとする行動が増え
関係への献身度(コミットメント)が高く
その後も関係が続く確率が高かったにゃ。

しかも第三者の観察者から見ても、
感謝しているカップルは
明らかにお互いを大切にしていたにゃ。

💡 なぜ感謝が効くのか

「ありがとう」は
「あなたが見えてるよ」
の合図

でも、なんで「ありがとう」がそんなに強いのかにゃ?

研究者たちが見つけた答えは、シンプルだったにゃ。

💡 感謝が伝えるもの

「ありがとう」は、ただのお礼じゃないにゃ。

そこには3つのメッセージが含まれてるにゃ。

① あなたの行動に気づいたよ
② その努力をちゃんとわかってるよ
③ あなたは、私にとって大切な人だよ

つまり「ありがとう」は、「I see you(あなたが見えてるよ)」という承認にゃ。

人が関係のなかで一番求めているもの。
それは「愛されること」より、
「自分の存在に気づいてもらえること」
なのかもしれないにゃ。

🔍 比べてみるにゃ

「愛してる」は抽象的。
「ありがとう」は具体的。

「愛してる」と「ありがとう」。
どっちも大切な言葉にゃ。
でも、脳への届き方がちょっと違うにゃ。

「愛してる」

大きくて、美しくて、抽象的にゃ。

「愛してるって、具体的にどういうこと?」
と聞かれたら、ちょっと困るにゃ。

繰り返すほど慣れてしまうこともあるにゃ。

「ありがとう」

小さくて、具体的で、今この瞬間の言葉にゃ。

「お茶を淹れてくれてありがとう」
「話を聞いてくれてありがとう」
「一緒にいてくれてありがとう」

毎回違う場面で使えるから、慣れにくいにゃ。

「愛してる」は関係全体への宣言にゃ。

「ありがとう」は今日のあなたへの手紙にゃ。

…どちらが日常に寄り添えるか、考えてみてにゃ。

⚠️ ただし、ひとつだけ条件があるにゃ

感謝は、
本物じゃないと
逆効果になる

ここまで読んで、「よし、とりあえず"ありがとう"って言えばいいのか」と思った人に、大事なことにゃ。

Algoe博士たちの2016年の追跡研究で、とても重要なことがわかったにゃ。

📊 わかったこと

感謝の効果があったのは、
相手が「この人は本気で言ってくれてる」と
感じたときだけだったにゃ。

形だけの「ありがとう」、
義務的な「ありがとう」では、
関係への良い効果はほとんどなかったにゃ。

しかも、効果が最も高かった感謝の伝え方には、ある特徴があったにゃ。

💡 カギは「他者称賛」

「助かったよ」(自分の利益を述べる)よりも、
あなたって本当に気がつく人だね
(相手の良さを言葉にする)ほうが、
関係への効果がはるかに大きかったにゃ。

これを研究者はother-praising(他者称賛)と呼んでいるにゃ。

「ありがとう」の本質は、
「あなた」を主語にすることにゃ。

「(私が)助かった」じゃなくて、
「(あなたが)すてきだ」。

🌙 小さな「ありがとう」の練習

今夜から使える
マイクロ感謝

大げさじゃなくていいにゃ。
日常の小さな瞬間で十分にゃ。

🍵 お茶を淹れてくれたとき

× 「ありがとう」(だけ)
○ 「ありがとう、あなたっていつもタイミングいいね

🛒 買い物をしてくれたとき

× 「助かった」
○ 「ありがとう、好きなもの覚えててくれて嬉しい

🛋️ ただ一緒にいるとき

× (なにも言わない)
○ 「あなたがいると安心する、ありがとう

😔 疲れてるのに話を聞いてくれたとき

× 「ごめんね、愚痴ばっかりで」
○ 「疲れてるのに聞いてくれて、ありがとう。あなたって本当にやさしいね

ポイントは、「あなた」を主語にして、相手の良さを言葉にすることにゃ。

…ちょっと照れくさいかもしれないけどにゃ。

ここでひとつ、考えてみてほしいにゃ。

最後にパートナーに
「ありがとう」を言ったのは
いつだったにゃ?

そのとき、
相手の「なにが」素敵だったか
言葉にできたかにゃ?

もし思い出せなくても、大丈夫にゃ。
それは今夜から始められるにゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

長く一緒にいると、
相手がしてくれることが
「当たり前」になっていくにゃ。

お茶を淹れてくれること。
ゴミを出してくれること。
疲れてても「おかえり」と言ってくれること。

全部、当たり前じゃないにゃ。
全部、その人が選んで、してくれていることにゃ。

そこに気づいて、
「ありがとう」と伝えること。

それは相手のためだけじゃなくて、
*自分の目を、あたたかい方向に
向け直す行為*でもあるのかもしれないにゃ。

足りないところを探すんじゃなくて、
すでにあるものに気づく。

…それだけで、
同じ景色がちょっと変わるかもしれないにゃ。

もちろん、これはひとつの見方にゃ。あなたの関係のことは、あなたが一番わかってるにゃ。

🐱

「ありがとう」が翌日の関係を変えたり、
1日68分も一緒にいる時間が増えたり、
「あなたが」を主語にすると効果が倍になったり。

人間って、おもしろいにゃ。
そして、やさしいにゃ。

今夜、隣にいる人に
「ありがとう」を
届けてみてにゃ。

大きな言葉じゃなくていいにゃ。

「あなたがいてくれて、ありがとう」。

…それだけで、
明日のふたりは
今日よりちょっとだけ近くなるかもしれないにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

猫の国には
こんな場所もあるにゃ

🎓 学び舎

「伝えるためのひみつノート」
「感情との付き合い方ひみつノート」で実践する

📚 図書館

心に寄り添う物語を読む

🛠️ 道具屋

自分を知るための診断ツールを試す

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Algoe, S. B., Gable, S. L., & Maisel, N. C. (2010). It's the little things: Everyday gratitude as a booster shot for romantic relationships. Personal Relationships, 17(2), 217-233.
Gordon, A. M., Impett, E. A., Kogan, A., Oveis, C., & Keltner, D. (2012). To have and to hold: Gratitude promotes relationship maintenance in intimate bonds. Journal of Personality and Social Psychology, 103(2), 257-274.
Chang, Y. P., Way, B. M., Sheeran, P., et al. (2022). Implementation intentions to express gratitude increase daily time co-present with an intimate partner, and moderate effects of variation in CD38. Scientific Reports, 12, 11697.
Algoe, S. B., Kurtz, L. E., & Hilaire, N. M. (2016). Putting the "You" in "Thank You": Examining other-praising behavior as the active relational ingredient in expressed gratitude. Social Psychological and Personality Science, 7(7), 658-666.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com