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🔬 猫の国 研究所

スマホ見ながら聞く
「ファビング」は、
浮気並みにダメージがある

…あ、今まさにスマホで読んでるにゃ?
まあまあ、気にせず読んでほしいにゃ。

🐱
👉 スワイプで読む
PM 8:47
あのさ、今日ちょっと嫌なことあって
…聞いてる?
うん、聞いてるよ
(スクロール、スクロール)
…もういい

「聞いてるよ」と言いながら、
目はスマホの画面。

この場面、見たことがある人も
多いんじゃないかにゃ。

…された側も、した側も。

この行動には名前がついてるにゃ。
そして研究者たちが、
かなり深刻なデータを出してるにゃ。

📱 名前がついた「あの行動」

Phone + Snubbing
= Phubbing(ファビング)

ファビング(Phubbing)

「Phone(スマホ)」と「Snubbing(無視する)」を
組み合わせた造語にゃ。

意味はシンプルにゃ。

目の前にいる人との会話中に、スマホを見る行為

「ちょっと通知見ただけ」
「返事しながら見てた」
「大事な連絡かもしれないし」

…言い訳なら、いくらでも思いつくにゃ。
にゃんたるも耳が痛いにゃ。

でも心理学者たちは、
この「ちょっとだけ」が
想像以上にダメージを与えていることを
発見してしまったにゃ。

🧪 研究データ

パートナーのスマホ使用に
困っている人は、
どのくらいいるのか

📊 Pew Research Center (2020)

パートナーのスマホ使用に
困っている人の割合

約40%

さらに51%が「会話中にスマホで気を取られている」と回答

Roberts & David(2016)の研究では、パートナーからのファビングが関係満足度の低下に直結することが確認されたにゃ。

特に不安型の愛着スタイルを持つ人は、ファビングによる葛藤をより強く感じたにゃ。

📊 メタ分析 (2025)

52の研究(約19,698人)をまとめた
Frontiers in Psychologyのメタ分析では

関係満足度・親密さ・信頼 すべてが有意に低下

ファビングは「マイクロ裏切り」として認識されている

🧠 なぜこんなに痛いのか

ファビングは、
「社会的排除」と
同じ痛みを引き起こす

「スマホ見てただけで、そんな大げさな」

…と思うかもしれないにゃ。
でも脳はそう思ってないにゃ。

心理学にサイバーボールという有名な実験があるにゃ。

3人でオンラインのボール投げゲームをするにゃ。途中から1人にだけボールが回ってこなくなる。たったそれだけの実験にゃ。

でもボールを回してもらえなかった人の脳では、身体的な痛みと同じ領域(前帯状皮質)が活性化したにゃ。

「仲間はずれ」は、脳にとって物理的な痛みと同じにゃ。

そしてファビングの研究者たちは、
こう指摘してるにゃ。

ファビングされた人は、
サイバーボールでボールを
回してもらえなかった人と
同じ心理反応を示した。

所属感、自尊心、コントロール感、
存在意義 — すべてが脅かされたにゃ。

「聞いてるよ」は、脳には届いてなかったにゃ。
目が向いていない時点で、
脳は「排除された」と感じてしまうにゃ。

📱 置いてあるだけで

テーブルの上にスマホが
あるだけで、
会話の質は下がった

ここからがさらにおもしろい…というか、ちょっと怖いにゃ。

Przybylski & Weinstein(2013)の研究では、スマホを使ってすらいないのに影響が出たにゃ。

📊 結果

テーブルの上にスマホが置いてあるだけで、
会話の親密さ、信頼感、共感の質が低下した

特に「大切な話」をしているときに影響が大きかった

スマホが視界に入るだけで、
「いつ通知が来るかも」
「相手が触るかも」
という無意識の警戒が生まれるにゃ。

それだけで、
心を開くハードルが上がってしまうにゃ。

※ ただし注意点もあるにゃ。この「置いてあるだけ効果」は再現に失敗した研究もあるにゃ。スマホがテーブルにあるのが当たり前になった現代では、影響が薄れている可能性もあるにゃ。

…それはそれで、別の意味で怖いかもしれないにゃ。「慣れてしまった」ということだからにゃ。

🔬 性差の研究

ファビングの影響は、
女性のほうが強く出る

ファビングの影響には性差があることも、研究でわかっているにゃ。

📊 性差のデータ

女性はファビングされたとき、
パートナーの応答性の低下をより強く感じ、
それが関係満足度の低下に直結したにゃ。

一方、男性ではこの媒介経路は
有意ではなかったにゃ。

研究者たちの解釈はこうにゃ。

女性は対人関係における情緒的なつながりをより重視する傾向があり、パートナーの「応答してくれている感」に敏感にゃ。

だから「目を見て聞いてくれない」が、
より深く刺さるにゃ。

もちろん個人差は大きいにゃ。
でも「そんなの気にしすぎ」と言う前に、
相手がどう感じているかを
知っておくのは大事にゃ。

ところでにゃ。

あなた、今まさに
スマホでこれ
読んでるにゃ?

隣に誰かいたりしないかにゃ?

ソファで。ベッドで。食卓で。
「ちょっとだけ」のつもりで
スマホを開いてるにゃ?

…にゃんたるも人のこと言えないにゃ。

この記事を書きながら、
3回マグロの動画を見てしまったにゃ。

みんな、やってるにゃ。
だから厄介なんだにゃ。

🛠️ じゃあどうすればいいのか

完璧を目指さなくていい。
小さな「スマホなしの時間」
から始めるにゃ

「もうスマホ捨てる!」は無理にゃ。
研究所もわかってるにゃ。

だから、できそうなことから始めるにゃ。

🍽️ 食事中だけルール

食事の間だけスマホを別の部屋に置く。
「視界に入らない」だけで効果があるにゃ。
Przybylskiの研究を逆手に取るにゃ。

⏰ 最初の10分ルール

帰宅後の最初の10分だけは、
スマホを触らずに「今日どうだった?」を聞く。
1日の中で一番「応答」が求められる瞬間にゃ。

🛏️ 寝室スマホ禁止令

ベッドに入ったら、スマホは充電器の上。
寝る前の会話は、関係維持の
ゴールデンタイムにゃ。

大事なのは「禁止」じゃなくて「選択」にゃ。

「あ、今スマホ見てた」と気づいて、
置く。それだけでいいにゃ。

その「気づき」が、
すでに相手への敬意にゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

ファビングが厄介なのは、
悪意がないところにゃ。

浮気なら「裏切った」とわかるにゃ。
暴言なら「傷つけた」とわかるにゃ。

でもスマホを見ることは、
誰も「傷つけてる」とは思わないにゃ。
された側も「こんなことで怒る自分がおかしい」と
思ってしまうにゃ。

**「たかがスマホ」で傷つく自分は、
おかしくないにゃ。**

研究がはっきり証明してるにゃ。
脳はちゃんと痛がってるにゃ。

そしてもうひとつにゃ。

ファビングしてしまう側も、
「この人がどうでもいい」わけじゃないにゃ。
スマホは人間の注意を奪うように
設計されてるにゃ。通知、赤い丸、無限スクロール。

意志の弱さじゃなくて、設計の問題にゃ。
だから仕組みで対処するのが賢いにゃ。

🐱

目の前の人が話しかけてきたとき、
スマホを置く。

たったそれだけのことが、
「あなたの存在は、
通知より大事だよ」
というメッセージになるにゃ。

**脳は、目が向いているかどうかを
ちゃんと見ているにゃ。**

…さて。
この記事を読み終わったら、
スマホを一回、裏返してみるにゃ。

今日、誰かと話すとき、
5分だけスマホを
視界の外に出してみるにゃ。

それだけで、
何かが変わるかもしれないにゃ。

📚 参考文献

この記事で紹介した研究

Roberts, J. A., & David, M. E. (2016). My life has become a major distraction from my cell phone: Partner phubbing and relationship satisfaction among romantic partners. Computers in Human Behavior, 54, 134-141.
Wang, X., Zhao, F., & Lei, L. (2025). A meta-analytic study of partner phubbing and its antecedents and consequences. Frontiers in Psychology, 16, 1561159.
Przybylski, A. K., & Weinstein, N. (2013). Can you connect with me now? How the presence of mobile communication technology influences face-to-face conversation quality. Journal of Social and Personal Relationships, 30(3), 237-246.
Pew Research Center. (2020). Dating and Relationships in the Digital Age.
Hales, A. H., Dvir, M., Wesselmann, E. D., Kruger, D. J., & Finkenauer, C. (2018). Cell phone-induced ostracism threatens fundamental needs. The Journal of Social Psychology, 158(4), 460-473.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
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