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🔬 猫の国 研究所

「マイクロチーティング」—
SNS時代の浮気の
境界線はどこにゃ?

…「いいね」は浮気? DMは?
研究者たちも考え始めているにゃ。

💑
👉 スワイプで読む
AM 1:23
ねえ、この人の写真全部いいねしてるよね
いいねくらい普通でしょ
じゃあDMもしてるの?
…別にやましいことはしてないよ
じゃあなんで隠すの

浮気してるわけじゃない。
でも、なんかモヤモヤする。

この「グレーゾーン」、
研究所のねこたちが
調べてみたにゃ。

実はこのテーマ、
**研究者たちもまだ答えを
出しきれていない領域**にゃ。

🧪 Micro-Cheating(Martin, 2016)

「マイクロチーティング」って
そもそも何にゃ?

2016年、マーティンが提唱した概念にゃ。

明らかな浮気ではないけれど、
パートナーとの間の境界線を
少しだけ越える小さな行動

具体的にはこんな行動が挙げられているにゃ。

📱 マイクロチーティングの例

・元恋人にこっそりメッセージを送る
・自分がフリーであるかのように振る舞う
・特定の相手とのやりとりを隠す
・「もしもの時のキープ」を維持する
・特定の人の投稿だけ全部いいねする

どれも「浮気」とは言い切れないにゃ。
でも「何でもない」とも言い切れないにゃ。

その曖昧さこそが、この問題の核心にゃ。

🧪 Hertlein & Piercy (2006)

なぜSNS時代に
グレーゾーンが
増えたのか

ハートラインとピアシーは、インターネットが浮気を加速させる構造を「トリプルAエンジン」と名づけたにゃ。

A①

🔓 Accessibility(アクセスのしやすさ)

いつでも、どこでも、誰とでもつながれるにゃ。
深夜2時でも、隣にパートナーがいても、
スマホひとつで別の誰かと会話できるにゃ。

A②

💰 Affordability(コストの低さ)

出会うのにお金も労力もかからないにゃ。
SNSのフォロー、いいね、DMは全部タダにゃ。
「ちょっとした行動」のハードルが極端に低いにゃ。

A③

🎭 Anonymity(匿名性)

やりとりは自分とスマホの間だけにゃ。
誰にも見られない。証拠も残りにくい。
「バレなければ大丈夫」という心理が働きやすいにゃ。

この3つのAが揃ったことで、
「ちょっとした境界線の越え方」
かつてないほど簡単になったにゃ。

🧪 Thompson & O'Sullivan (2016)

「何が浮気か」は、
人によってこんなに違う

トンプソンとオサリバンは、デジタル時代の行動を「浮気だと思うかどうか」を大規模に調査したにゃ。

結果は、驚くほどバラバラだったにゃ。

📊 「浮気だと思う?」の回答分布

ほぼ全員が浮気だと答えた行為
・パートナー以外と性的関係を持つ

意見が割れた行為
・性的なメッセージのやりとり(セクスティング)
・感情的に深いDMのやりとり
・出会い系アプリのプロフィールを維持する

多くの人が浮気ではないと答えた行為
・異性の投稿にいいねする
・魅力的な人をフォローする

「浮気の定義」には
万人共通の正解がなかった

性別、年齢、恋愛経験、文化的背景……
いろんな要因で線引きが変わるにゃ。

つまり、「普通はこうでしょ」が
そもそも存在しないにゃ。

🔍 グレーゾーンの世界

「浮気じゃない」のに
モヤモヤする行動たち

研究をもとに、研究所のねこたちが
「意見が分かれやすい行動」を整理してみたにゃ。

グレー度:低め

👍 SNSでの「いいね」やフォロー

多くの人が「浮気ではない」と答えるにゃ。
でも特定の人にだけ毎回いいねしてたら?
そこにパターンがあると、意味が変わってくるにゃ。

グレー度:中くらい

💬 プライベートなDMのやりとり

内容による、と多くの人が答えるにゃ。
「元気?」と「会いたいな」では
意味がまったく違うにゃ。
でもパートナーに見せられない内容なら?

グレー度:高め

🤫 パートナーに隠すやりとり

内容が何であれ、隠しているという事実
問題になるケースが多いにゃ。
「やましいことはない」のに隠すなら、
なぜ隠すのか——がポイントにゃ。

行動そのものより、
「これをパートナーの前でもできるか?」
が判断の分かれ目かもしれないにゃ。

🧪 Whitty (2003)

オンラインの「感情的つながり」は
想像以上にダメージを与えていた

ウィッティの研究は、オンライン上の浮気について重要な発見をしたにゃ。

オンラインの感情的な浮気は、
*身体的な浮気と同等か、
それ以上のダメージ*を
パートナーに与え得る

「体の関係がないから大丈夫」
という考えは、研究から見ると
甘い見積もりだったにゃ。

💔 なぜ「感情的つながり」が痛いのか

・「体じゃなくて心を奪われた」という感覚
・自分より深い話を他の誰かとしている嫉妬
・「体だけなら一時の過ち」と思えるが、感情は選んでいると感じる
見えない分、想像が膨らむ

特に女性は感情的浮気により強く反応し、
男性は身体的浮気により強く反応する
という性差もこの研究で報告されているにゃ。

もちろん個人差はあるけれど、
**「ただのDM」が与える影響は
思っているより大きい**かもしれないにゃ。

🧪 Cravens et al. (2013)

SNSが生む「監視」の悪循環

クレイヴンスたちの研究は、SNSが関係にもたらす別の問題を明らかにしたにゃ。

📊 SNSと嫉妬の関係

SNSに関連した嫉妬が高い人ほど:

・パートナーの行動をモニタリングする頻度が増加
・関係における葛藤が増加
・関係満足度が低下

そしてここに悪循環が生まれるにゃ。

ステップ1

📱 パートナーのSNS行動が気になる

「また誰かの写真にいいねしてる」
「知らない人からコメントが来てる」

ステップ2

🔍 チェックし始める

フォロワーを確認。いいね履歴を見る。
DMを覗きたい衝動。
不安を解消するための監視が始まるにゃ。

ステップ3

💥 信頼が壊れていく

監視していることがバレる → 相手は隠すようになる
→ もっと不安になる → もっと監視する
信頼の土台がどんどん崩れるにゃ。

💡 大事なのは「行為」じゃなくて「境界線」

「いいねは浮気か?」より
大事な問いがあるにゃ

ここまでの研究を見て、研究所のねこたちが気づいたことがあるにゃ。

問題は「その行為が浮気かどうか」じゃなくて、
*ふたりの間で境界線について
話し合ったことがあるか*

トンプソンたちの研究が示したように、浮気の定義は人によって全然違うにゃ。

「いいね」がOKな人もいれば、嫌な人もいるにゃ。
「元恋人との連絡」が平気な人もいれば、無理な人もいるにゃ。

どちらが正しいという話じゃないにゃ。

🔑 じゃあ何が大事なのか

ふたりの「OK」と「NG」を共有すること
・「普通はこうでしょ」ではなく「あなたはどう感じる?」と聞くこと
・境界線は固定じゃなくて、関係の中で変わっていいこと
・大切なのは「ルール」じゃなくて「対話のプロセス」

「いいねは浮気か?」に正解はないにゃ。
でも「あなたにとってどう感じるか」には
必ず答えがあるにゃ。

その答えをお互いに知っているかどうかが、
すべてを分けるにゃ。

ここでちょっとだけ、
考えてみてほしいにゃ。

あなたにとっての
「境界線」はどこにゃ?

そしてそれを、
パートナーは知ってるにゃ?

パートナーの境界線が
自分と違ったとき、
どう感じるにゃ?

答えが出なくても大丈夫にゃ。
こういうことを考えること自体が、
関係を大切にしている証拠にゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

SNSは「浮気の定義」を
根本から揺さぶったにゃ。

昔は、浮気といえば「体の関係」だったにゃ。
線引きはわかりやすかったにゃ。

でも今は、いいね、DM、フォロー、
スタンプひとつで
「これは何?」が始まるにゃ。

そして研究が教えてくれたのは、
「何が浮気か」に正解はない
ということにゃ。

人によって違うし、
カップルによって違うし、
同じ人でも時期によって変わるにゃ。

だからこそ大事なのは、
**「正解を探す」のではなくて、
「ふたりの答えをつくる」**こと
なのかもしれないにゃ。

それは面倒くさくて、
ちょっと勇気がいる作業にゃ。
でもその面倒くささが、
関係を守るものだと思うにゃ。

もちろん、これはひとつの角度から見た話にゃ。
あなたの関係のことは、あなたが一番わかってるにゃ。

🐱

「いいね」ひとつで揺れる関係もあるにゃ。
「DM100通」でも揺るがない関係もあるにゃ。

違いは、行為の重さじゃなくて、
ふたりの間に対話があるかどうかにゃ。

境界線は、誰かが決めるものじゃないにゃ。
ふたりでつくるものにゃ。

…にゃんたる、
伝えてよかったにゃ。

📚 もっと深く知りたい人へ

猫の国には
こんな場所もあるにゃ

🎓 学び舎

「伝えるためのひみつノート」で
コミュニケーションを実践する

📚 図書館

心に寄り添う物語を読む

🛠️ 道具屋

自分を知るための診断ツールを試す

猫の国は、優しい人のための場所にゃ。

Cravens, J. D., Leckie, K. R., & Whiting, J. B. (2013). Facebook Infidelity: When Poking Becomes Problematic. Contemporary Family Therapy, 35(1), 74-90.
Hertlein, K. M., & Piercy, F. P. (2006). Internet Infidelity: A Critical Review of the Literature. The Family Journal, 14(4), 366-371.
Thompson, A. E., & O'Sullivan, L. F. (2016). Drawing the Line: The Development of a Comprehensive Assessment of Infidelity Judgments. Journal of Sex Research, 53(8), 910-926.
Martin, M. (2016). Micro-cheating: The new infidelity. Unpublished concept paper on gray-area relationship behaviors in the digital age.
Whitty, M. T. (2003). Pushing the Wrong Buttons: Men's and Women's Attitudes toward Online and Offline Infidelity. CyberPsychology & Behavior, 6(6), 569-579.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
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