
…そのうわさを、50か国のカップルの答えで確かめてみたにゃ。
こんな会話、ないにゃ?
「アプリの恋は長続きしない」
「いや、アプリのほうがうまくいく」
どっちの話も聞くにゃ。
ほんとうのところ、
出会い方で、ふたりの関係は
変わるのかにゃ。
ポーランドのヴロツワフ大学のコヴァルさんたち(2025年)は、2024年に50か国でネットのアンケートをとったにゃ。国ごとに200人以上、年代と男女が偏らないように集めて、パートナーのいる6,646人の答えを調べたにゃ。平均は41歳、7割近くが結婚していたにゃ。
聞いたのは、相手とどう出会ったか(オンラインか、それ以外か)。それから、いまの関係にどのくらい満足しているかと、愛情の3つ。親密さ・情熱・続けるつもり(この人と続けていこうという気持ち)にゃ。
国によって大きくちがい、全体ではポーランドの33%からガーナの7%まで。2023年に始まった関係では、アメリカは50%だったにゃ。
オンラインで出会いやすかったのは、付き合ってまだ短い人と、暮らしの豊かさを低めに答えた人。男女や年齢では、ちがいがなかったにゃ。
比べるときは、オンラインの出会いが1割を超えた2010年以降に始まった関係だけを使ったにゃ。
「いまの関係に、どのくらい満足している?」を、5点満点で答えてもらったにゃ。
オンラインで出会った人と、それ以外で出会った人。満足度はどうだったと思う?
満足度と同じく、男女・年齢・付き合った年数・暮らしの豊かさをそろえた値にゃ。
棒の長さは、ほとんど同じにゃ。どれも差は0.1点に届かないにゃ。
それでも、50か国のほぼすべてで、同じ向きの差が出ていたにゃ。たまたまでは片づけにくい、小さくてそろった差、ということにゃ。
4つのうち、差がいちばんはっきりしていたのは「続けるつもり」。研究者たちのものさしでも、ほかは「小さい差」、これだけが「中くらいの差」だったにゃ。
差が目立ったのは、男性と、だいたい32〜35歳より上の人たちだったにゃ。
言いかえると、オンラインで出会った人の満足度も、平均で4点を超えていたにゃ。「アプリの恋は長続きしない」という話とは、ずいぶん距離があるにゃ。
この研究は、一度アンケートに答えてもらっただけ。だから「オンラインで出会ったせい」とまでは言えないにゃ。研究者たちは、考えられる理由をこう挙げているにゃ。
職場や学校、友達の輪で出会う相手は、学歴や宗教、育った環境が似ていることが多いにゃ。オンラインでは、その幅が広がる。似ていると、暮らしの決めごとを合わせやすいのかもしれないにゃ。
まわりの輪のなかで始まった関係には、最初からふたりを知る人がいるにゃ。オンラインで出会ったふたりは、まわりからの支えが少なめだという報告もあるにゃ。
画面の向こうに、いつも次の候補がいる。付き合ったあとも、ほかの相手と比べるくせが残るのかもしれないにゃ。「続けるつもり」の差がいちばん大きかったことと、つながりそうな説にゃ。
研究者たち自身が書いている限界もあるにゃ。オンラインで相手を探す人と、そうでない人は、もともと性格や恋愛のくせがちがうのかもしれない。その違いが結果に混ざっている可能性は、消しきれていないにゃ。
2013年に、アメリカで2005〜2012年に結婚した19,131人を調べた研究では、オンラインで出会った夫婦のほうが、別居や離婚がわずかに少なく、満足度もわずかに高かったにゃ。
調査は、婚活サイトの会社が調査会社に頼んだもの。
著者のひとりはその会社の助言役、
もうひとりは元社員だったにゃ。
論文はそれをはっきり書いていて、
分析は会社と関係のない統計の専門家が
確かめているにゃ。
2025年の研究者たちは、答えが逆になった理由のひとつに、ネットの出会い方そのものの変化を挙げているにゃ。
オンラインの出会いは、婚活サイトが中心。長いプロフィールを読み合って、時間をかけて相手を選んでいたにゃ。
スマホのアプリが中心に。写真を見て、すばやく左右に送っていく。軽い出会いを探す人も増えた、と研究者たちは見ているにゃ。
別の研究でも、アメリカの夫婦で、オンラインで出会った人のほうが結婚の満足度がやや低かったにゃ。
研究のデータを集めたのは2024年。オンラインで始まる関係は、年を追うごとに増えていたにゃ。
日本でも、2021年の国の調査で、最近結婚した夫婦の13.6%が、SNSやマッチングアプリなどのネットで知り合っていたにゃ。職場や友達を通じた結婚は、減っていたにゃ。
職場や紹介なら、まわりにふたりを知る人がいるにゃ。アプリだと、最初はゼロから。けんかした夜に「あの人、そういうとこあるよね」と笑って聞いてくれる人がいないのは、さっきの説でいう「見守る人」が少ない状態かもしれないにゃ。互いの友達に会う、ふたりで通うお店をつくる。輪は、あとから足せるにゃ。
付き合いはじめても、アプリはスマホに残っている。通知がひとつ来るだけで、「ほかにもいるかも」が顔を出すにゃ。選べる相手の多さは、出会ったあとも続くのかもしれないにゃ。いつ消すかをふたりで話すのも、ひとつの区切りにゃ。
年収、住んでいる所、子どもがほしいか。婚活アプリでは、会う前に条件で絞りこむにゃ。この研究で差が目立ったのも、30代の前半〜半ばより上の人たちだったにゃ。調査はそこまで聞いていないけれど、条件で選んだという意識が、「この人でよかったのかな」と比べる気持ちを残しやすいのかもしれないにゃ。
いまの(または、いつかの)パートナーとの出会いは、どれに近い?

親密さも、情熱も、
棒の長さはほとんど同じだったにゃ。
いちばん離れていたのは、
「この人と続けていこう」の一本。
気持ちの深さより、
ふたりのまわりに
ほかの人が見えているかどうかに
ちがいがあったのかもしれないにゃ。
画面の向こうに、次の候補が
いつも並んでいる、ということにゃ。
2013年の調査で答えが逆だったのも、
そう考えると、ふしぎではないにゃ。
プロフィールを読みこんで選んだころと、
写真を指で送っていくいまとでは、
同じ「オンライン」でも、
ほかの人の見え方がちがうからにゃ。
ただ、それがアプリのつくりのせいなのか、
アプリで探す人の
もともとのくせなのか。
一度きりのアンケートでは、
そこまで見分けられないにゃ。
棒グラフを前に、
ねこたちが立ててみた仮の見立てにゃ。
最後に、アンケート用紙の話にゃ。
「どこで出会った?」は、
調査票でも
一問だけだったにゃ。
オンラインか、それ以外か。
ふたつにひとつで、すぐ終わる問い。
満足や、親密さや、
「この人と続けていこう」のほうは、
どれもいまのふたりを
たずねる問いだったにゃ。
「どこで知り合ったの?」の答えは、
一言で終わる。
そのあとに続く話のほうが、
ずっと長いにゃ。
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