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恋愛・パートナーシップ

「どこにいるの?」と聞かれたいのは、愛されたいから?

…やきもちを「愛のしるし」と感じるのはなぜか、研究所で調べてみたにゃ。

この研究を一枚で
問い
やきもちは「愛しているしるし」なのか。人は、やきもちをどう受け取っているのか
どこで
アメリカの大学生。3つの調査で、最初の調査は156人(Puente & Cohen 2003)
どうやって
妻がほかの男性と親しくする場面や、夫婦げんかの場面を示し、夫のふるまいを見て「どのくらい妻を愛していると思うか」などを答えてもらった
わかったこと
やきもちは「愛のしるし」とも「自信のなさのしるし」とも思われていた。やきもちが理由で妻をたたいた夫も、たたかなかった夫と同じくらい「妻を愛している」と見られた
その後の研究
ブラジルの大学生264人の追試では、たたかなかった夫のほうが愛していると見られた。それでも、やきもちが理由だと、暴力への見方がやわらいでいた(2016年)
PM 11:23
今どこにいるの?
…って、聞かれたい
誰といたのか、気にしてほしい
何も聞かれないと、どうでもいいのかなって思う
(これって、変なのかな)

「束縛はイヤ」という人が多いなかで、
少しくらい縛られたい、と思う自分がいる。

やきもちを焼かれると、
愛されている気がする。

その気持ちは、
どこから来るのかにゃ。

🧪 研究 やきもちは愛のしるし?

やきもちを焼く夫は、
妻を愛している?

アメリカの心理学者、プエンテさんとコーエンさん(2003年)は、大学生に夫婦の場面を示して、夫のふるまいをどう見るかを聞いたにゃ。

最初の調査は156人。妻がほかの男性と親しくしているのを、夫が見かける場面にゃ。妻のふるまいが気になるものになるほど、やきもちを焼いた夫のほうが「妻を愛している」と見られたにゃ。

次の調査では、夫婦げんかの場面を使ったにゃ。きっかけが、やきもちのけんかと、別のことのけんか。そして、けんかの最後に夫が妻をたたいた場合と、たたかなかった場合を比べたにゃ。

予想してみるにゃ

やきもちが理由で妻をたたいた夫。たたかなかった夫と比べて、「妻を愛している」と見られた度合いは?

📊 結果の読み方

「やきもちだから」で、
暴力の意味が
うすまった

📊 わかったこと

やきもちが理由で妻をたたいた夫も、
たたかなかった夫と同じくらい
「妻を愛している」と見られた。

やきもちと関係のないけんかでの暴力は、
はっきり悪く見られた

学生たちが、暴力をいいと思っていたわけじゃないにゃ。ほかの理由でたたいた夫は、ちゃんと悪く見られていたにゃ。

でも「やきもちだった」と聞くと、同じたたくことが、愛の行きすぎに見えてしまう。

研究者たちは、「やきもちは愛のしるし」と「愛があるならしかたない」がつながると、家の中の暴力が、それほど悪くないものに見えてしまう、と心配していたにゃ。

3つめの調査では、夫から妻への、心への暴力や性的な暴力でも、同じことが起きていたにゃ。

これは、あなたの「聞かれたい」にもつながる話にゃ。「どこにいるの?」がうれしいのも、気にしてくれる=愛してるという、同じ読み方から来ているのかもしれないにゃ。

🤔 なぜ、やきもちが愛に見えるのか

「やきもちを焼かない人は、
愛せない」

12世紀に書かれた、恋の作法の本があるにゃ。そこには「やきもちを焼かない者は、愛することができない」という決まりが書かれていたにゃ。

やきもちを愛のあかしと見る考えは、ずいぶん古くからあるにゃ。

もうひとつは、心のほうの説明にゃ。大人の愛着を調べてきた研究者たちは、「見捨てられるかも」という不安が強いときほど、人は相手が気にかけてくれているしるしを探す、と考えているにゃ。

「誰といたの?」は、そのしるしに見えやすい。聞かれた瞬間、まだ大事にされている、と確かめられる気がするからかもしれないにゃ。

でも、最初の調査の学生たちは、やきもちは「自信のなさのしるし」だとも答えていたにゃ。

やきもちが映しているのは、相手への愛の大きさより、焼いている人の不安のこともあるにゃ。

🔍 その後の研究

ブラジルで、
同じことを
たしかめてみたら

2016年、ブラジルの大学生264人で、同じ調べ方をくり返した研究があるにゃ。けんかのことを語る夫の声を聞いてもらって、どう見えるかを答えてもらったにゃ。

「妻を愛している」と見えた度合い(ブラジルの追試・1〜5の5段階)
やきもちのけんかで、たたかずに家を出た夫3.59
やきもちのけんかで、妻をたたいた夫2.90
別のことのけんかで、妻をたたいた夫2.11

たたかなかった夫が、いちばん「愛している」と見られたにゃ。それでも、たたいた夫どうしで比べると、やきもちが理由のほうが高かったにゃ。

ブラジルでは、たたかなかった夫のほうが、はっきり「愛している」と見られたにゃ。暴力はだめ、という見方は、アメリカの結果より強かったにゃ。

それでも、「やきもちだったから」は、国が変わっても暴力の見え方をやわらげていたにゃ。

5つの国で、パートナーからの暴力について人々の話を聞いた研究をまとめたものでも、やきもちは、相手を見張ったり、縛ったりする理由として語られていたにゃ。

📱 今に置き換えて考える

「どこにいるの?」は、
いま地図のアイコンで
届く

研究の夫たちは、妻がほかの男性と話しているのを、その場で見かけていたにゃ。離れているあいだ相手がどこにいるかは、聞くしかなかったにゃ。

いまは、聞かなくてもわかってしまうにゃ。

位置情報の共有

見守りと見張りは、同じ画面

地図の上に、相手のアイコンが出る。「気にしてくれてる」と安心する人もいれば、ずっと見られているようでしんどい人もいるにゃ。同じアプリでも、どちらからでも「もうやめたい」と言えるかどうかで、意味が変わるのかもしれないにゃ。

スマホの中身

「見せて」が、愛の確かめになるとき

国のDVの説明には、心への暴力の例として「実家や友人とつきあうのを制限したり、電話や手紙を細かくチェックしたりする」が挙がっているにゃ。いまなら、トークの履歴や、SNSのフォローの一覧かもしれないにゃ。「やきもちだから」と言われると、それが愛に見えてしまう。研究の学生たちと、同じ読み方にゃ。

確かめたい側にも

聞かれたい人は、聞きたくもなる

「どこにいるの?」と聞かれてほっとする人は、相手にも同じことを聞きたくなるかもしれないにゃ。返事がないと、落ちつかない。研究が調べたのは、場面を見た人の受け取り方までだけれど、縛られたい気持ちと縛りたい気持ちは、同じ不安から出ていることがありそうにゃ。

あなたならどれ?

「この人は、私を気にかけてくれてる」と感じるのは、どんなとき?

🐱 猫の国の研究所より

やきもちという、
包み紙のこと

「どこにいるの?」と聞かれたい。
やきもちを焼かれると、ほっとする。

その気持ちの真ん中にあるのは、
たぶん「私は、この人にとって
大事なんだ」と確かめたい、
ということにゃ。
それを望むのは、ちっともおかしくないにゃ。

ただ、「気にかけてもらう」と
「行動を決められる」は、
別のものにゃ。

研究の学生たちのように、
やきもちという包み紙がかかると、
この二つは見分けにくくなるにゃ。

アメリカとブラジルの大学生が、
つくられた夫婦の場面に答えた調査にゃ。
ここから先は、そこから読んだ
ねこたちの見立てにゃ。

外から見ていた学生たちでさえ、
「やきもちだから」と聞くと、
暴力の見え方がやわらいでいた。
まわりに打ち明けても
「それだけ好きなんだよ」と
返ってくることがあるのは、
たぶん、同じ読み方のせいにゃ。

相手のやきもちや「見せて」が
こわいと感じる日がつづいているなら、
それはもう、愛の量の話じゃないにゃ。
目を借りるなら、包み紙の中身を
見なれた専門家の目のほうにゃ。

800年あまり前の、
恋の作法の本の
決まりの2番目にゃ。

「やきもちを焼かない者は、
愛することができない」

研究の学生たちも、
まだこの一行で読んでいたにゃ。
そして同じ学生たちが、やきもちを
「自信のなさのしるし」とも読んでいた。

その2番目を、
ねこたちが書きかえてみたにゃ。

「帰りを気にかける者は、
行き先を聞かなくても
愛することができる」

📚 参考文献

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Puente, S., & Cohen, D. (2003). Jealousy and the meaning (or nonmeaning) of violence. Personality and Social Psychology Bulletin, 29(4), 449-460. リンク
Costa, N., Gomes, H., Almeida, T., Pinheiro, R. S., Almeida, C., Gondim, L., Silva, M., Campos, R. S., Silva, S. M., & Lima, V. (2016). Violence against women: Can "jealousy" mitigate the significance of violence? Estudos de Psicologia (Campinas), 33(3), 525-533. リンク
Pichon, M., Stern, E., Sharma, V., Kyegombe, N., Stöckl, H., & Buller, A. M. (2025). The role of jealousy and infidelity in intimate partner violence against women: A qualitative meta-synthesis of five studies. BMC Public Health, 25, 3502. リンク
Mikulincer, M., & Shaver, P. R. (2016). Attachment in Adulthood: Structure, Dynamics, and Change (2nd ed.). Guilford Press.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
🐱 猫の国 研究所 ― nyantal.com