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🔬 猫の国 研究所

"束縛されたい"と
感じる人の脳で
起きていること

…なんで自由より
「縛られてる方が安心」って
感じるのかにゃ?

🐱
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PM 11:23
今どこにいるの?
…って聞かれたい
誰といるか気にしてほしい
放っておかれるのが一番こわい
…これって変なのかな

「束縛はイヤ」って言う人が多い中で、
「束縛されたい」と感じる自分がいるにゃ。

変なことじゃないにゃ。
でもその感覚の裏で、
脳がどう動いてるのか。

ちょっと気になる研究を
いくつか見つけたにゃ。

🧪 研究① 不安型愛着の脳スキャン

脳が常に
「拒絶レーダー」を
回し続けている

不安型の愛着スタイルを持つ人の脳を調べた研究があるにゃ。

不安型の人は、パートナーの表情やLINEの返信速度、声のトーンから、「嫌われたかも」というサインを常に探し続けているにゃ。

これはただの「心配性」じゃなくて、脳の活動レベルで起きてることにゃ。

📊 脳で起きていること

不安型愛着の人の脳では、後帯状皮質(感情の強度を過大評価する領域)、背側前帯状皮質両側の前部島皮質が過剰に活性化してたにゃ。

これは社会的・情動的な過覚醒状態にゃ。
脳が常に「拒絶されるかも」と警戒し続けて、感情処理の認知的なアップレギュレーション(増幅)が持続的に起きてるにゃ。

つまり、脳が24時間「拒絶レーダー」を回してる状態にゃ。エネルギーをものすごく使うし、疲れるにゃ。

この状態のとき、相手から「どこにいるの?」「誰といるの?」と聞かれると、レーダーが一瞬オフになるにゃ。

「気にしてくれてる=まだ捨てられてない」
という安全確認が完了するからにゃ。

ここでひとつ考えてみてほしいにゃ。

「束縛されたい」と感じるとき、
それは相手に愛されてる実感
ほしいのかにゃ?

それとも、
*「見捨てられない」という
安全確認*がほしいのかにゃ?

答えは出なくていいにゃ。
ただ、脳の研究をもう少し見てみるにゃ。

🧪 研究② オキシトシンのパラドックス

「愛のホルモン」は
「嫉妬のホルモン」でもあった

オキシトシンは「愛情ホルモン」「絆ホルモン」と呼ばれてるにゃ。抱きしめたとき、信頼したとき、脳から放出されるにゃ。

2021年、台湾のNTUでZhuoたちが行った研究にゃ。70組の異性カップルに、鼻からオキシトシンを吸入させる二重盲検実験をしたにゃ。

📊 結果

オキシトシン(24 IU)を吸入したグループは、パートナーの浮気を想像したときの嫉妬感と身体的な覚醒反応が有意に低下したにゃ。

つまり、オキシトシンが嫉妬を「鎮める」効果があるという結果にゃ。

…ところがにゃ。

📊 でも2009年の研究では

Shamay-Tsooryたちの実験では、同じオキシトシンを吸入させたら、競争的な場面では嫉妬心とシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ感情)が増加したにゃ。

同じ「愛のホルモン」が、絆を深めることもあれば、独占欲を強めることもあるにゃ。

つまりオキシトシンは「愛」のホルモンじゃなくて、「この人は自分のもの」という帰属意識を強めるホルモンなのかもしれないにゃ。

束縛されたいと感じるとき、脳の中ではこの「帰属意識」が強く求められてる可能性があるにゃ。
「あなたは私のもの」と言われることで、オキシトシン系が満たされるにゃ。

🧪 研究③ 社会的排除の痛み

「離れるかも」は、
脳にとっては
殴られるのと同じ

2003年、UCLAのEisenberger博士たちが、有名なサイバーボール実験を行ったにゃ。

被験者にオンラインのボール投げゲームをさせて、途中から仲間はずれにされるにゃ。そのときの脳をfMRIで撮影したにゃ。

📊 結果

社会的に排除されたとき、背側前帯状皮質(dACC)が強く活性化したにゃ。

この領域は、身体的な痛みを感じるときに活性化する場所と同じにゃ。

しかも、dACCの活性化が強い人ほど、主観的な「つらさ」も強かったにゃ。

つまり、脳は「仲間はずれ」と「身体的な痛み」を区別できないにゃ。

パートナーが離れていくかもしれないという不安は、脳にとっては身体的な危険と同じレベルの生存脅威にゃ。

「束縛されたい」は、この痛みを二度と味わいたくないという、脳の防御反応なのかもしれないにゃ。

「大げさ」でも「メンヘラ」でもないにゃ。
脳が本気で痛がってるにゃ。

🧪 研究④ 身体の共調律と離脱

恋人と離れると
「禁断症状」が出る理由

2008年、SbarraとHazanが発表した研究にゃ。恋愛関係にあるパートナー同士の身体に何が起きてるかを調べたにゃ。

📊 共調律(コレギュレーション)

長く一緒にいるパートナー同士は、コルチゾール(ストレスホルモン)のリズム、心拍数、睡眠パターンが同期していくにゃ。

身体が、相手の存在を前提にした生理的な恒常性(ホメオスタシス)を作り上げるにゃ。

問題は、この同期が壊れたときにゃ。

📊 離別後に起きること

パートナーと離れると、身体レベルで離脱症状が起きるにゃ。

・睡眠障害
・食欲の変化
・コルチゾールの調節不全

これは物質依存の禁断症状と構造的に同じにゃ。

「あの人がいないとダメ」は、気持ちの問題だけじゃないにゃ。
身体が相手を生理的に「必要としてしまっている」にゃ。

束縛されたいという感覚の奥には、
「この人と離れたら、身体が壊れる」
という、生物としての切実な予感があるのかもしれないにゃ。

🧩 ここまでの整理

「束縛されたい」を
研究から見ると

研究①

📡 脳が「拒絶レーダー」を回し続けている

不安型愛着の脳は常に「見捨てられるかも」を警戒 → 束縛=レーダーOFFの安心

研究②

🧪 オキシトシンは「帰属意識」のホルモン

愛のホルモンは同時に独占欲も強める → 「私のもの」と言われたい欲求

研究③

🩹 社会的排除=身体的な痛み

「離れるかも」は脳にとって生存脅威 → 束縛=痛みの予防

研究④

🫀 身体が相手を「必要」としている

生理的な共調律 → 離別は禁断症状 → 「離さないで」は身体の叫び

すると

「束縛されたい」は、
脳と身体が「安全」を求めている
サインなのかもしれない

…にゃ。

🐱 猫の国の研究所より

ここからは、
研究所の考察にゃ。

ここまでのデータを並べて、
研究所が思ったことをひとつだけにゃ。

「束縛されたい」と感じる人は、
たぶんどこかで、
自分の存在が不確かだった時期があるにゃ。

「ここにいていいのかな」
「本当に必要とされてるのかな」

その問いをずっと抱えてきたから、
誰かに「お前はここにいろ」と言われることが
安心になるにゃ。

それは弱さじゃないにゃ。
「安全基地」を外に求めるのは、人間として自然なことにゃ。

誰かに「ここにいていい」と言ってもらうこと。
それを求めるのは、全然おかしくないにゃ。

そのうえで、もしいつか、
**「自分で自分にそれを言えること」も
ひとつの選択肢として持てたら**、
もう少し安心が安定するかもしれない、
というだけにゃ。

外に求めることが間違いなんじゃなくて、
*内側にもうひとつ安心の場所ができたら
心強いかもしれない*、というだけにゃ。

これはひとつの見方にゃ。
あなたの感じ方が正解にゃ。

最後にひとつだけにゃ。

「じゃあ、束縛を求めるのを
やめればいいの?」

研究所は、そうは思わないにゃ。

誰かに「ここにいていい」と
言ってもらうことも、
自分で自分に言えることも、
どっちも本物の安心にゃ。

外からもらう安心は、間違いじゃないにゃ。
それに加えて、
**自分の中にもうひとつ
安心の場所を持つという選択肢**も
あるかもしれない、というだけにゃ。

どっちかじゃなくて、
どっちもにゃ。

あなたにとって
「ここにいていい」と
感じられる瞬間って、
どんなときだろうにゃ。

🐱

拒絶レーダーが回り続けてたり、
愛のホルモンが独占欲も高めてたり、
別れが禁断症状を引き起こしたり。

人間って、おもしろいにゃ。

研究はあくまで研究にゃ。
それをどう受け取るかは、
あなた次第にゃ。

**でも「なんで自分はこうなんだろう」に、
少しだけ説明がつくと、
楽になることもあるかもしれないにゃ。**

📚 参考文献

この記事で紹介した研究

Eisenberger, N. I., Lieberman, M. D., & Williams, K. D. (2003). Does Rejection Hurt? An fMRI Study of Social Exclusion. Science, 302(5643), 290-292.
Shamay-Tsoory, S. G., et al. (2009). Intranasal Administration of Oxytocin Increases Envy and Schadenfreude. Biological Psychiatry, 66(9), 864-870.
Zhuo, R., et al. (2021). Intranasal oxytocin may help maintain romantic bonds by decreasing jealousy. Psychoneuroendocrinology, 125, 105110.
Sbarra, D. A., & Hazan, C. (2008). Coregulation, Dysregulation, Self-Regulation. Personality and Social Psychology Review, 12(2), 141-167.
上記の研究知見をもとに、ニャンタルヘルスが独自に構成・考察したものです。原論文の翻訳ではありません。記事の内容は情報提供を目的としたものであり、医学的・心理学的な診断やアドバイスではありません。つらい状況にいる方は、信頼できる専門家にご相談ください。

著者:研究所のねこたち|ニャンタルヘルス
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