胃が痛い。
ずっと、胃が痛かった。
朝起きると、キリキリする。会社に着くと、もっと痛くなる。会議の前は、最悪だった。
胃カメラを飲んだ。
「特に異常はないですね」
医者に言われて、困惑した。
異常がない?こんなに痛いのに?
「ストレスかもしれませんね」
ストレス。
そう言われても、ピンとこなかった。
確かに仕事は忙しい。でも、みんな同じくらい忙しい。私だけ特別ストレスがあるわけじゃない。
胃薬をもらって、飲んだ。少し楽になった。でも、また痛くなる。
繰り返しだった。
ある日、気づいた。
月曜の朝が、一番痛い。
金曜の夜は、少し楽。
土日は、ほとんど痛くない。
「あれ?」
そこで初めて、考えた。
私、会社に行きたくないのかな。
いや、そんなことない。仕事は好きだし、人間関係も悪くない。
でも、胃は正直だった。
よく考えてみた。
上司の顔を思い浮かべると、胃がキュッとなる。
あの案件のことを考えると、胃がキリキリする。
来週のプレゼンのことを考えると、胃が重くなる。
「私、思ってたよりストレス感じてたんだ」
頭では「大丈夫」と思ってた。
心も「大丈夫」と思ってた。
でも、体は「大丈夫じゃない」って言ってた。
カウンセラーに相談した。
「体に出るタイプなんですね」
「体に出る?」
「心が感じてることを、頭で抑え込んでると、体に出ることがあります」
そうなんだ。
私、自分の気持ちを抑え込んでたんだ。
「嫌だ」って思っちゃいけない。
「辛い」って言っちゃいけない。
そう思って、蓋をしてた。
蓋をした感情が、胃に出てた。
それから、少しずつ変えた。
「嫌だな」と思ったら、心の中で認める。
「辛いな」と思ったら、ノートに書く。
感情に蓋をしないようにした。
すぐには変わらなかった。
でも、半年くらい経った頃、気づいた。
胃、あんまり痛くない。
月曜の朝も、前ほどキリキリしない。
体は正直だ。
心が無視したことを、体が教えてくれる。
今は、胃が痛くなると「何かあるな」と思う。
自分の心に、聞いてみる。
「何が嫌だった?」「何が辛い?」
胃痛は、心からのサインだった。
もしあなたも、原因不明の体調不良があるなら。
体が何か言おうとしてるのかもしれない。
心が気づいてないこと、体は知ってるから。
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