カウントダウン
ふつう・4分

カウントダウン:返信が来るまで、息ができない

匿名の会社員・4分・ふつう

LINEを送った瞬間から、カウントダウンが始まる。

既読がつくまで。返信が来るまで。その間、私の心臓は止まったみたいになる。

「変なこと言ったかな」「嫌われたかな」「もう連絡来ないんじゃないかな」

たった10分でも、頭の中はそればっかり。

友達にも、恋人にも、同僚にも。誰に対してもそう。相手が少しでも冷たく感じたら、もうダメだって思ってしまう。

昔からそうだった。

小学生の頃、友達が別の子と話してるだけで、自分は要らない子なんだって思った。誘われなかった遊びがあると、もう終わりだって泣いた。

大人になっても、変わらなかった。

恋人ができると、毎日不安だった。会えない日は「他の誰かといるんじゃないか」って考えて、会えた日は「次いつ会えるか分からない」って怖くなった。

好きな人の予定を全部知りたくなる。知らないと不安だから。でもそれが重いって言われて、何度も関係を壊した。

ある時、友達に言われた。

「なんでそんなに確認したがるの?私、どこにも行かないよ」

その言葉を聞いて、泣いてしまった。

どこにも行かない。そんなの、信じられなかった。だって、みんないつかいなくなる。私のことなんか、すぐ忘れる。そう思ってた。

でも同時に気づいた。私はずっと、いなくなる前提で人と付き合ってたんだって。

今も、この不安は消えてない。

LINEの返信が遅いと、やっぱりソワソワする。予定を教えてもらえないと、モヤモヤする。

でも、少しだけ変わったこともある。

「あ、今私、不安になってるな」って、気づけるようになった。

気づいたからって楽になるわけじゃない。でも、不安に飲み込まれる前に「これはいつものやつだ」って思えると、ほんの少しだけ息ができる。

人との距離感が、いまだに分からない。

近づきすぎると怖い。離れすぎても怖い。ちょうどいい場所なんて、どこにあるのか分からない。

でも最近は、「分からないまま関わってもいいのかも」って思うようになった。

正解が分からないなら、分からないまま関わればいい。怖いなら、怖いまま関わればいい。

完璧な距離感なんて、きっと誰も持ってない。みんな手探りで、時々失敗しながら、それでも関わり続けてるんだと思う。

今日も、返信を待ってる。

相変わらず息は苦しい。でも「苦しいな」って認めながら、待ってる。

それでいいって、思うことにした。

― 匿名の会社員

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