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怒鳴り声が聞こえると、体が固まる

📅 2026-02-02⏱️ 4分✍️ 匿名の固まる人
過去家庭環境反応少しずつ
居酒屋で、隣のテーブルの男の人が怒鳴った。 店員さんに何か文句を言ってる。たぶん注文が間違ってたとか、そんなこと。 私には関係ない。分かってる。 でも、体が固まった。 箸を持ったまま、動けなくなった。心臓がバクバクして、息が浅くなる。逃げなきゃ、って頭のどこかで思ってる。 友達が「大丈夫?」って聞いてきた。 「うん、ちょっとびっくりしただけ」 嘘ついた。びっくりしたんじゃない。怖かった。 子どもの頃、父がよく怒鳴る人だった。 何がきっかけか分からない。機嫌が悪いと、急に声が大きくなる。母に怒鳴る。私に怒鳴る。物を投げることもあった。 殴られたことは、あんまりない。だから虐待って言っていいのか、今でも分からない。 でも、毎日怖かった。 父が帰ってくる時間になると、体がこわばった。玄関のドアが開く音。足音。それだけで心臓がぎゅってなる。 今日の父は怒るかな。怒らないかな。 毎日、それを考えてた。 大人になって、家を出た。 もう怒鳴られることはない。安全な場所にいる。分かってる。 でも、体が覚えてる。 大きな声。ドアがバンって閉まる音。誰かがイライラしてる気配。 そういうのを感じると、あの頃に戻る。5歳の私が、部屋の隅で縮こまってる。 彼氏ができたことがある。 優しい人だった。でも一度だけ、喧嘩した時に声を荒げた。 その瞬間、涙が止まらなくなった。過呼吸みたいになって、しゃがみこんだ。 彼は驚いてた。「そんなに怒ってないよ」って。 分かってる。分かってるけど、体が分かってくれない。 それから関係がぎくしゃくして、別れた。 自分が嫌になった。いつまで引きずってるんだろう。もう何年も前のことなのに。 ある人に言われた。 「それ、あなたのせいじゃないよ。体が自分を守ろうとしてるだけだよ」 守る。何から? 「昔、危なかったことから。体がまだ覚えてて、同じことが起きないように警戒してるんだよ」 そう言われて、少し泣いた。 私の体は、私を守ろうとしてくれてたのか。 過剰に反応するのも、固まるのも、逃げたくなるのも、全部、あの頃の私を守るため。 そう思ったら、自分を責めるのが少しだけ減った。 今でも怒鳴り声は怖い。たぶんこれからも怖い。 でも、「怖い」って思っていいんだって、分かった。 体が覚えてるなら、しょうがない。 少しずつ、「今は安全だよ」って教えていくしかない。 何年かかるか分からない。一生かかるかもしれない。 それでも、前よりは楽になった。 自分がおかしいんじゃなくて、あの頃が異常だったんだって、やっと思えるようになった。 --- *© 2026 匿名の固まる人*