「いつか」が口癖だった。
いつか痩せたい。いつか資格取りたい。いつか一人暮らししたい。いつか、いつか、いつか。
全部「いつか」で止まってた。
「いつか」って便利な言葉だと思う。やりたい気持ちはある、でも今じゃない。そう言い訳できる。
本当はやる気がないだけなのに、「いつか」って言っておけば、夢を持ってる人みたいに見える。
ずっとそうやって生きてきた。
去年の年末、友達と飲んでた時。
「来年、何かやりたいことある?」
そう聞かれて、いつもみたいに「いつか〜したいんだよね」って言おうとした。
でも、言葉が止まった。
いつかって、いつだよ。
急にそう思った。
私、何年「いつか」って言ってるんだろう。5年?10年?
その間、何か変わった?
何も変わってない。
友達の顔を見た。待ってる。答えを待ってる。
「来年、一人暮らし、する」
気づいたら、言ってた。
友達が「え、マジ?」って驚いてた。私も驚いてた。
言っちゃった。来年って。
家に帰って、考えた。
言っちゃったな。でも、言ったからには、やってみようかな。
次の日、物件サイトを見た。家賃、間取り、場所。
「いつか」の時は絶対にやらなかったこと。
でも「来年」って言ったら、動き始めてた。
まだ引っ越してない。まだ物件も決まってない。
でも、「いつか」が「来年」に変わっただけで、全然違う。
未来が、ちょっとだけ見える。
「いつか」は永遠に来ない。
でも「来年」は、来る。確実に来る。
だから、動ける。
今年もあと少し。来年、私は一人暮らししてるかもしれない。
してなくても、「いつか」じゃなくなった。それだけで十分。
次は何を「来年」に変えようかな。
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