体がだるい。
熱はない。風邪でもない。どこが痛いわけでもない。
ただ、だるい。
朝起きた時から、もう疲れてる。8時間寝たのに。昨日、特に何もしてないのに。
重い。体が、鉛みたいに重い。
これが毎日続くと、自分がおかしいんじゃないかって思い始める。
「怠けてるだけじゃないの?」
その声は、自分の中から聞こえてくる。
病院に行った。
血液検査も、尿検査も、異常なし。
「特に問題ないですね。疲れが溜まってるのかもしれません。しっかり休んでください」
しっかり休んでる。休んでるのに、だるい。だから来たのに。
帰り道、余計に落ち込んだ。体は何ともないのに、こんなにだるい。じゃあ、これは気のせいなのか。自分が弱いだけなのか。
会社では、なんとかやれている。たぶん。周りから見たら、普通に見えてると思う。
でも、家に帰ると、玄関で座り込む。靴を脱ぐのすら、しんどい。
ソファに倒れ込んで、そのまま2時間動けない。テレビをつける気力もない。スマホを見る気力もない。ただ、天井を見てる。
「ご飯、作らなきゃ」
わかってる。でも、動けない。
結局、コンビニのおにぎりを2つ食べて、風呂に入らずに寝る。そんな日が、週に3回はある。
友達に「最近、だるくてさ」と言ったことがある。
「わかるー。私も最近疲れてる」
軽い返事。みんな疲れてる。みんなだるい。じゃあ、私のこのだるさも普通なのか。
でも、普通のだるさって、こんなに重いものなのか。
週末、何もできない。
「せっかくの休みだし、どこか出かけよう」って思うのは金曜の夜まで。
土曜の朝、目が覚めると、もう無理。今日は寝てよう。明日出かければいい。
日曜の朝、同じことを思う。結局、どこにも行かない。
月曜の朝、「何もしなかった週末」への罪悪感を抱えて、また会社に行く。
いつからこうなったんだろう。
思い返すと、じわじわだった。去年の秋くらいから、少しずつ。最初は「季節の変わり目だから」って思ってた。冬になったら「寒いから」って思った。春になっても治らなくて、夏になっても治らなくて、気づいたらもう1年経ってた。
あるとき、ネットで読んだ。
「心の疲れは、体に出る」
ストレスが溜まると、体が先にサインを出すことがあるらしい。だるさ、重さ、疲れが取れない感じ。それは体の不調じゃなくて、心が限界に近づいてるサインだと。
最初は信じられなかった。心が疲れてるって、自覚がない。毎日、普通に生活してる。泣いてるわけでも、落ち込んでるわけでもない。
でも、「普通に生活してる」こと自体が、無理をしてたのかもしれない。
笑いたくない時に笑って。言いたいことを飲み込んで。大丈夫じゃない時に「大丈夫」って言って。
その全部が、体に溜まってたのかもしれない。
今も、だるい。
劇的に良くなったわけじゃない。でも、一つだけ変えたことがある。
だるい自分を、責めるのをやめた。
「だるいなら、だるいでいい」
それだけ。
コンビニのおにぎりで済ませた日も、風呂に入れなかった日も、週末何もできなかった日も。「今日はそういう日だった」で終わらせる。
それだけで、ほんの少し、楽になった。
体がだるい。それだけなのに、つらい。
その「つらい」は、本物だ。気のせいじゃない。怠けでもない。
だるい日は、だるいまま過ごしていい。
それは、あなたの体が「少し休もう」って言ってるだけだから。
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