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誰にも見せない落書きノート

📅 2026-03-09⏱️ 3分✍️ 匿名の落書き師
落書きノート自由表現秘密
誰にも見せないノートがある。 100均で買った、何の変哲もないB5のノート。 もう4冊目になった。 中身は落書きだ。 絵と呼べるほどのものじゃない。ぐるぐるした線とか、四角の中に四角を描いたやつとか、目のようなものとか、意味のない模様がたくさん。 誰かに見せたら「何これ?」と言われるだけのもの。 きっかけは、会議中だった。 話が長くて、手元の紙にペンを走らせていた。 ぐるぐるぐるぐる。 気がついたら、紙がまっくろになっていて、でも不思議と頭がすっきりしていた。 それから、仕事が終わった後にノートを開くようになった。 描くものは決めない。 ペンを持って、手が動くままにする。 丸を描くこともあれば、ギザギザの線を描くこともある。 何かの形になることもあるし、ならないこともある。 どちらでもいい。 嫌なことがあった日は、線が強くなる。 ペンが紙をこする音がざりざりして、それがなんだか気持ちいい。 嬉しいことがあった日は、丸が多くなる気がする。 気のせいかもしれないけど。 たまに1冊目から見返すことがある。 日付を書いているわけじゃないから、いつ描いたか正確にはわからない。 でも不思議と、あのときだな、とわかるページがある。 あの日、すごく辛かったな、というページも。 言葉にならなかったものが、ぐるぐるの線になって残っている。 絵が上手くなりたいと思ったことはない。 誰かに見せたいと思ったこともない。 SNSに載せるなんて考えたこともない。 これは私だけのもの。 世の中には、アウトプットしなきゃいけない、発信しなきゃいけない、形にしなきゃいけない、という空気がある。 でもこのノートは、何にもならない。 何にもならないから、自由でいられる。 上手い下手もない。正解も不正解もない。 ただ手を動かして、紙に線を残す。 それだけのことが、一日の終わりに私を少しだけ軽くしてくれる。 今夜もノートを開く。 今日の手は、どんな線を描くだろう。 --- *© 2026 匿名の落書き師*