今日、会社を休んだ。
朝7時にアラームが鳴って、止めて、布団の中でスマホを握りしめて、上司に「体調不良のため」とメッセージを送った。
嘘じゃない。本当に体調が悪い。
ただ、熱があるとか、お腹が痛いとかじゃない。
身体が動かない。動かないというより、動きたくない。会社に行く自分を想像しただけで、胸のあたりがぎゅっとなる。
送信ボタンを押した瞬間、すごく楽になった。
そのあと、すごく罪悪感がきた。
1週間前のこと。
会議で、私の企画が否定された。それ自体はいい。仕事だから。
でも、言い方だった。
「これ、誰が考えたの? ちょっと……レベルが低いよね」
みんなの前で。
笑いが起きた。私も笑った。笑うしかなかった。
隣の席の先輩が、あとで「気にしないほうがいいよ」と言ってくれた。ありがたかった。でも、気にしないほうがいいって言われると、気にしてる自分がおかしいみたいで、余計つらかった。
3ヶ月前のこと。
異動してきた新しい上司は、最初は普通だった。
普通に挨拶して、普通に仕事を振って、普通に「よろしくね」と言った。
でもだんだん、気づいた。
私にだけ当たりが強い。他の人には笑顔で話すのに、私には目を合わせない。メールの返信は私のだけ遅い。
気のせいかと思った。しばらくそう思おうとした。
でも、周りも気づいてた。「あの人、あなたに厳しくない?」って、同期に言われた。
言われたとき、ホッとした。自分の感覚がおかしいんじゃないって分かって。
でも同時に、絶望した。気のせいじゃなかったんだって。
半年前のこと。
前の上司は穏やかな人だった。
「無理しないでね」が口癖で、残業してると「早く帰りなよ」と声をかけてくれた。
あの頃は、仕事が楽しかった。
朝、会社に行くのが嫌じゃなかった。日曜の夜も、そこまで憂鬱じゃなかった。
上司が一人変わるだけで、こんなに変わるんだ。
環境って、そういうことなんだ。
今日、布団の中にいる。
カーテンの隙間から光が入ってくる。平日の昼間に布団の中にいるのは、不思議な気持ちだ。
罪悪感はまだある。でも、身体は正直で、肩の力が抜けていくのが分かる。
明日のことは分からない。明日も休むかもしれない。行くかもしれない。
今はただ、今日一日を休むことだけ考える。
それでいい。たぶん。
---
*© 2026 匿名の欠勤者*