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ごめんね、が止まらない

📅 2026-03-23⏱️ 4分✍️ 匿名の謝罪者
罪悪感自責謝罪過去家族
今日も「ごめんなさい」を8回言った。 数えてるわけじゃない。でも、なんとなく分かる。朝、電車でぶつかった人に。昼、頼まれた仕事に少し時間がかかって。夕方、コンビニのレジで小銭をもたついて。 全部、謝るほどのことじゃない。分かってる。 でも口が先に動く。「すみません」「ごめんなさい」「申し訳ないです」。 存在していることが、迷惑な気がしてる。 3ヶ月前。 友達に「あなたって、謝りすぎだよ」と言われた。 笑って「そうかな、ごめんね」と返した。 友達が黙った。「……今のも謝ることじゃないよ」 その通りだと思った。でも、やめ方が分からない。 1年前。 職場で大きなミスをした。自分のせいで、チーム全体の納期がずれた。 上司は「気にするな」と言ってくれた。同僚も「誰でもあるよ」とフォローしてくれた。 優しかった。みんな優しかった。 でもその優しさが、余計に刺さった。怒られたほうが楽だった。許されると、自分で自分を許せない分だけ、罪悪感が膨らむ。 あの日から、私の「ごめんなさい」は増えた気がする。 5年前。 母に言われたことがある。 「あんたのせいで、お父さんとお母さんは離婚したの」 嘘だと思う。今なら分かる。たぶん、母もいっぱいいっぱいだったんだと思う。 でもあの言葉は、12歳の私の中にずっと残った。 私のせい。私がいなければ。私がもっとちゃんとしていれば。 今日の9回目の「ごめんなさい」は、家に帰って、猫に言った。 「遅くなってごめんね」 猫はにゃあと鳴いて、足元に擦り寄ってきた。 猫は私を許すとか許さないとか、考えてない。ただ、おかえりって言ってるだけ。 それが少しだけ、楽だった。 --- *© 2026 匿名の謝罪者*