同期のあの子は、私と同じ年に入社した。
同じ部署、同じ仕事。スタートラインは同じだった。
3年経った今、あの子は主任になった。私はまだ平社員。
あの子は会議で堂々と発言する。私は資料を配る係。
あの子のデスクにはチームのみんなが集まる。私のデスクには誰も来ない。
比べるなって分かってる。人それぞれだって分かってる。
でも、比べちゃう。
隣にいるから。毎日見えるから。
あの子が昇進した日、「おめでとう」と言った。
本心だった。半分は。
もう半分は、ぐちゃぐちゃだった。
嫉妬。悔しさ。惨めさ。そして、そんなことを思ってしまう自分への嫌悪感。
友達の成功を喜べない自分は、性格が悪いんだと思った。
家に帰って、泣いた。あの子のためじゃなくて、自分のために。
あの子は知らないだろう。
私がトイレで泣いたこと。「なんで私だけ」って思った夜のこと。
あの子の名前をSNSで検索して、充実した投稿を見て、スマホを伏せたこと。
あの子は何も悪くない。それが、いちばんつらい。
誰も悪くないのに、こんなに苦しいのは、なんでだろう。
最近、気づいたことがある。
私が比べてるのは、「あの子と私」じゃなくて、「なれたはずの私と、今の私」なのかもしれない。
あの子は関係ない。たまたま、隣にいただけ。
もしあの子がいなくても、私はきっと、別の誰かと比べてた。
比べるのをやめる方法は、まだ分からない。
でも、何と比べてるのかが少し見えただけで、ほんの少しだけ息がしやすくなった。
気がするだけかもしれないけど。
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