スマホのメモ
そっと・4分

スマホのメモ:自分のトリセツ

匿名の自己観察者・4分・そっと

私には「取扱説明書」がある。

自分で作った、自分のための説明書。スマホのメモに入ってる。

「批判されると黙る」「黙ったあと、3日くらい引きずる」「引きずってる時は甘いものを食べると少しまし」

こんなことが、10個くらい書いてある。

これがあると、自分の扱い方が少し分かる。分かったからって楽になるわけじゃないけど、「またこのパターンだ」って気づけるだけで、飲み込まれにくくなった。

でも、このメモを作れるようになるまで、けっこう遠回りした。

半年前。

彼氏と喧嘩した翌日、仕事でミスを連発した。

先輩に「今日どうした?」と聞かれて、「大丈夫です」と答えた。

大丈夫じゃなかった。頭の中が全部、昨日の喧嘩で埋まってた。

その夜、ふと思った。「私、プライベートで何かあると、必ず仕事に出るな」って。

初めて自分のパターンに気づいた瞬間だった。

1年前。

友達の何気ない一言で、1週間落ち込んだことがある。

「そのシャツ、面白いね」

褒めてたのかもしれない。でも私の中では「変だよ」に変換された。

1週間、そのシャツを着られなかった。

あとから冷静に考えて、「私、人の言葉を悪い方に解釈する癖がある」と気づいた。

気づいたけど、止められなかった。

3年前。

自分のことが全く分からなかった。

なんで怒ってるのか分からない。なんで泣いてるのか分からない。なんで人と話すと疲れるのか分からない。

全部「自分がおかしいから」だと思ってた。

おかしいんじゃなくて、知らなかっただけだった。

自分の癖を。自分のパターンを。自分の取り扱い方を。

スマホのメモを開く。

今日、新しい項目を追加した。

「褒められると、逆に不安になる」

また一個、自分のことが分かった。

分かったところで、すぐには変わらない。でも、取扱説明書が1行増えるたびに、自分との付き合い方がほんの少しだけ上手くなる。

ほんの少しだけ。

― 匿名の自己観察者

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