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スーパーの試食を、3回食べた日

📅 2025-11-03⏱️ 3分✍️ 匿名の通行人
貧困羞恥生存許し現実
給料日まで、あと5日。財布には、342円。 冷蔵庫には、何もない。米も、ない。 お腹が、空いた。 仕事帰り、スーパーに寄った。買うためじゃない。試食コーナーがあるから。 ウインナーの試食。小さいの、一つ。店員さんが「どうぞ」って言った。「ありがとうございます」って受け取った。 美味しかった。もっと食べたかった。 10分待った。別の客が試食してる間。それから、もう一度、試食コーナーに行った。 「もう一ついいですか?」って聞けなかった。だから、黙って取った。 店員さんは気づいてた。でも、何も言わなかった。 もう一個、食べた。 それでも足りなかった。 また10分待った。今度は別の試食コーナーに行った。チーズの試食。これも取った。 3回。試食を、3回食べた。 惨めだった。恥ずかしかった。でも、お腹が空いてた。 家に帰った。水を飲んだ。それで、お腹を膨らませた。 布団に入った。眠れなかった。 「なんで、こんなことになったんだろう」 給料は安い。家賃を払ったら、ほとんど残らない。食費を削って、なんとか生きてる。 親には頼れない。友達もいない。誰にも、言えない。 「試食を3回食べた」なんて、誰に言える?笑われる。軽蔑される。 でも、生きるためだった。 次の日も、スーパーに行った。今度は試食を2回だけにした。少しだけ、罪悪感が軽くなった気がした。 給料日が来た。少しだけ、食べ物を買った。 でも、また来月、同じことをするかもしれない。 これが、私の現実。 恥ずかしい。情けない。でも、これが私だ。 完璧な人間なんて、いない。みんな、どこかで誰かに迷惑をかけて、ズルをして、生きてる。 私は、試食を3回食べた。それで、なんとか生き延びた。 許せるか?自分を。 まだ、わからない。でも、死ぬよりはマシだった。 明日も、生きる。どうやってか、わからないけど。 でも、生きる。 --- *© 2025 匿名の通行人*