私の城
ふつう・4分

私の城:離婚して、初めて笑った

匿名の元妻・4分・ふつう

離婚届を出した日。役所を出て、空を見上げた。

青かった。こんなに空が青いなんて、久しぶりに気づいた。

そして、笑った。声を出して、笑った。

通りすがりの人が、私を見た。変な人だと思われたかもしれない。でも、どうでもよかった。

私は、自由になった。

結婚生活は、10年だった。

最初の3年は、まあまあだった。普通の夫婦だった。

でも、4年目くらいから、おかしくなった。

夫は、私をコントロールしようとした。「誰と会ったの?」「何時に帰るの?」「なんでこんな服着てるの?」

最初は、心配してくれてるんだと思った。でも、違った。

友達と会うのを嫌がった。実家に帰るのも嫌がった。携帯をチェックされた。外出するたびに、理由を聞かれた。

少しずつ、私の世界は狭くなった。

友達は離れていった。「あいつ、おかしいよ」って言ってくれた人もいた。でも、私は夫をかばった。「そんなことない」って。

気づいたら、私には誰もいなくなっていた。夫だけが、私の世界だった。

夫が、また怒鳴った。理由は忘れた。些細なことだったと思う。

その時、思った。「もう、無理だ」って。

次の日、弁護士に相談した。離婚したいって。

夫は、最初拒否した。「俺のどこが悪いんだ」って。

話し合いは、長引いた。半年以上かかった。

でも、最終的に、離婚は成立した。

役所で、離婚届を出した。夫は来なかった。郵送で済ませた。

それでよかった。もう、顔も見たくなかった。

離婚して、1年が経った。

今、私は一人で暮らしている。小さなアパート。でも、私の城だ。

誰にも、何も聞かれない。何時に帰っても、誰と会っても、何を着ても、自由だ。

友達も、少しずつ戻ってきた。「よかったね」って言ってくれた。

仕事も、新しいのを見つけた。前より給料は少ないけど、楽しい。

朝、目が覚めると、幸せだと思う。

こんな気持ち、結婚してた時は一度もなかった。

離婚は、失敗じゃない。少なくとも、私にとっては。

結婚が、私を苦しめていた。離婚が、私を救った。

周りには、「離婚なんて可哀想」って思う人もいるかもしれない。でも、私は可哀想じゃない。

今の私は、結婚してた時の私より、ずっと幸せだ。

離婚して、初めて笑った。

その笑顔は、今も消えていない。

もし、辛い結婚生活を送っている人がいたら。離婚は、選択肢の一つだ。

恥ずかしいことじゃない。逃げでもない。自分を守るための、勇気ある決断だ。

私は、離婚して本当によかった。

― 匿名の元妻

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