赤信号
ふつう・3分

赤信号:保育園の送り、間に合わなかった朝

匿名の母・3分・ふつう

朝、寝坊した。

アラームは鳴ってた。でも、止めて、また寝た。

気づいたら、7時40分。

保育園の送りは、8時半まで。家から保育園まで、自転車で15分。

つまり、あと50分で、子どもを起こして、着替えさせて、朝ごはん食べさせて、自分も準備して、出発しなきゃいけない。

無理だ。

でも、やるしかない。

「起きて!」って息子を起こした。3歳。

息子は、ぐずった。「やだ、眠い」

「お願い、起きて」

なんとか起こした。着替えさせる。息子は嫌がる。「これじゃない、あっちの服がいい」

「今日はこれ!」

無理やり着せた。

朝ごはん。パンとバナナ。

「いただきます」も言わずに食べさせる。

自分の準備。化粧はしない。髪も適当に結ぶ。服も適当。

時計を見る。8時15分。

やばい。

「行くよ!」

息子を抱えて、玄関へ。靴を履かせる。

自転車に乗せる。ヘルメットをかぶせる。

漕ぐ。必死で漕ぐ。

信号、赤。

「早く変われ」

青になった。また漕ぐ。

保育園に着いた。8時32分。

2分、遅刻。

先生が、困った顔をしていた。

「すみません」って頭を下げた。

「大丈夫ですよ、お気をつけて」

息子を預けた。息子は、何も気にせず走っていった。

私は、また自転車に乗った。会社に向かう。

途中、涙が出た。

「私、ダメな母親だ」

寝坊して、子どもを急かして、遅刻して。

でも、会社には間に合った。ギリギリだったけど。

デスクに座った。同僚が「おはよう」って言った。

「おはよう」って返した。

何食わぬ顔で、仕事を始めた。

でも、心の中は、もやもやしてた。

夕方、息子を迎えに行った。

「今日、楽しかった?」って聞いた。

「うん!」って息子は笑った。

ああ、息子は覚えてないんだ。朝のバタバタを。

それで、少し救われた。

家に帰って、夕飯を作った。今日は手抜き。冷凍のから揚げとサラダ。

息子は、もりもり食べた。

「美味しい?」

「うん!」

明日は、ちゃんと起きよう。

でも、また寝坊するかもしれない。

それでも、なんとかなる。

今日も、なんとかなったから。

― 匿名の母

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