10年積み上げたキャリアを、捨てた。
総合職。管理職候補。年収600万。
それを、全部手放して、パートになった。
理由は、子ども。
二人目が生まれて、仕事と育児の両立が無理になった。
保育園の送り迎え。夜泣き。病気。
夫も働いてる。でも、夫の仕事は忙しい。頼れない。
私が、全部やるしかなかった。
でも、仕事も手を抜けない。責任がある。プロジェクトがある。
毎日、綱渡りだった。
朝5時に起きて、子どもの準備。保育園に送って、会社に行く。
仕事して、急いで迎えに行く。夕飯作って、お風呂入れて、寝かしつけ。
それから、また仕事。メールチェック、資料作成。
寝るのは、深夜1時。
それを、毎日繰り返してた。
体が、限界だった。心も、限界だった。
ある日、会議中に倒れた。
過労だった。
病院で、医者に言われた。「このままだと、危ないですよ」
家に帰って、夫と話し合った。
「仕事、辞めようと思う」
夫は、驚いた顔をした。
「でも、君のキャリアが」
「もう、無理なんだ」
夫は、黙った。それから、「わかった」って言った。
次の日、上司に退職を伝えた。
上司は、引き止めてくれた。「時短勤務にするとか、何か方法があるはずだ」
でも、私は決めていた。「ありがとうございます。でも、辞めます」
退職した。
10年積み上げたキャリア。それが、一瞬で消えた。
最初は、喪失感があった。
「私、何やってたんだろう」
でも、子どもたちを見てると、それも消えていった。
パートを始めた。週3日、1日4時間。近所のスーパー。
レジ打ち。品出し。
年収は、120万くらい。総合職の時の5分の1。
でも、楽だった。
仕事が終わったら、帰れる。持ち帰りの仕事はない。責任もない。
子どもとの時間が増えた。
「ママ、今日は早いね」って娘が言った。
「うん、ママ、仕事変えたんだよ」
「やったー!」
娘の笑顔を見て、思った。
これでよかったんだって。
キャリアは大事だった。でも、今の私には、子どもの方が大事だった。
いつか、また働けるかもしれない。子どもが大きくなったら。
でも、今は、この選択でいい。
キャリアを捨てて、パートになった。
後悔はしていない。
これが、私の人生だ。
誰かの期待に応えるためじゃなく、私と子どものために選んだ道。
それで、十分だ。
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*© 2025 匿名の元総合職*