隣の家に、小学生の男の子がいる。
たぶん、2年生くらい。
毎朝、その子は私に挨拶してくれる。
「おはようございます!」
元気な声。笑顔。
私も、「おはよう」って返す。
それだけの、やりとり。でも、それが嬉しい。
最初は、親が教育してるのかなって思った。
「近所の人には挨拶しなさい」って。
でも、違った。
その子、誰にでも挨拶してる。郵便配達の人にも、犬の散歩をしてる人にも。
ただ、挨拶が好きな子なんだ。
ある朝、私は寝坊して、バタバタしてた。
玄関を出た瞬間、その子とすれ違った。
「おはようございます!」
いつも通りの元気な声。
でも、私は焦ってて、「おはよう」って返すだけで精一杯だった。
走って駅に向かった。
電車の中で、ふと思った。
「ちゃんと笑顔で返せばよかったな」
あの子は、毎日笑顔で挨拶してくれてるのに。
次の日、私はちゃんと笑顔で「おはよう」って返した。
その子も、嬉しそうに笑った。
それから、私はその子の挨拶を楽しみにするようになった。
どんなに忙しくても、その子に会うと、ちょっとだけ心が軽くなる。
「今日も頑張ろう」って思える。
先週、その子が転んだ。
膝を擦りむいて、泣いてた。
私は、駆け寄った。
「大丈夫?」
その子は、涙目で頷いた。
家に連れて行って、お母さんに伝えた。
お母さんは、「ありがとうございます」って何度も頭を下げた。
その子も、「ありがとうございました」って言った。
「いいよ、お互い様だから」
その子の笑顔を見て、思った。
こういう小さなつながりが、大事なんだな。
隣の家の子が、毎朝挨拶してくれる。
それが、私の朝を明るくしてくれる。
たった一言の「おはよう」が、こんなに力を持つなんて。
人って、温かいなって思う。
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