仕事から帰ってくる。17時半。
玄関を開ける。「ただいま」。誰もいない。
靴を脱いで、リビングに行く。
ソファに座る。
そして、何もしない。
30分間。
スマホも見ない。テレビもつけない。
ただ、座ってる。
最初は、落ち着かなかった。
「何かしなきゃ」って思った。
夕飯の準備、洗濯物を畳む、メールチェック。
やることは、いくらでもある。
でも、やらなかった。
ただ、ソファに座って、窓の外を眺めてた。
空の色が、少しずつ変わっていく。
オレンジから、ピンクへ。ピンクから、紫へ。
鳥が飛んでいく。
風で、木の葉が揺れる。
そういうのを、ぼんやり見てる。
何も考えない。何も感じない。
ただ、ここにいる。
それだけ。
最初の1週間は、罪悪感があった。
「こんな時間があったら、何かできるのに」
でも、続けた。
2週間目、変化があった。
心が、落ち着くようになった。
仕事の疲れが、少し取れる気がした。
1ヶ月経った今、この30分が、私の大切な時間になった。
何もしない時間。
生産性ゼロ。意味もない。
でも、この時間があるから、その後の時間を過ごせる。
この時間があるから、夕飯を作れる。家事ができる。
この時間が、私を充電してくれる。
「何もしない」って、悪いことじゃない。
むしろ、必要なことだ。
ずっと動き続けてたら、壊れる。
立ち止まる時間。何もしない時間。
それが、人には必要なんだと思う。
夕方の30分、何もしない。
ただ、ソファに座って、窓の外を見る。
それが、私の儀式。
これからも、続けていく。
---
*© 2025 匿名の帰宅者*