散歩してたら、石を見つけた。
川沿いの道。足元に、キラキラ光る石。
拾い上げた。
手のひらサイズ。白っぽくて、少し透けてる。
綺麗だった。
ポケットに入れて、持ち帰った。
家に帰って、石を洗った。
水で磨いたら、もっと綺麗になった。
光に当てると、キラキラする。
「なんて綺麗なんだろう」
その石を、机の上に置いた。
それだけ。
何の役にも立たない。ただの石。
でも、私は嬉しかった。
次の日も、散歩に行った。
また、石を見つけた。今度は、茶色い石。
丸っこい形。手触りがいい。
持ち帰った。
今度は、本棚に置いた。
その次の日も、石を拾った。
灰色の石。ザラザラしてる。
持ち帰った。窓際に置いた。
1ヶ月で、石が10個になった。
全部、散歩で拾った石。
友達が来た時、石を見て言った。
「これ、何?」
「散歩で拾った石」
「...何に使うの?」
「何も」
友達は、不思議そうな顔をした。
「何もしないのに、なんで拾うの?」
「綺麗だから」
それだけ。
友達は、笑った。
「変なの」
でも、私はこの石たちが好きだ。
役に立たない。お金にもならない。
でも、見てると、嬉しい。
「あの日、あの場所で、拾ったんだな」
そう思うと、温かい気持ちになる。
人生って、役に立つことばかりじゃない。
意味のないこと、無駄なこと。
そういうのも、大事なんだと思う。
綺麗だから、拾う。
それだけでいい。
理由なんて、いらない。
散歩で拾った、綺麗な石。
それが、私の小さな幸せだ。
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