図書館で、一日中本を眺めてた

📅 2025-11-03⏱️ 3分✍️ 匿名の読書家
図書館静寂時間癒し
日曜の朝、パンをかじりながら、今日は何もしないぞ、と決めた。 決めた瞬間にちょっと不安になるの、あれ、なんなんだろうな。 十時、開館と同時に図書館に入った。近所の、小さいやつ。自動ドアが開くと、あの匂いがする。古い紙と、空調と、あとなんだろう、消しゴムみたいな。図書館の匂い、としか言いようがない。 窓際の席を取って、本を選びに行った。 今日はタイトルを見ないで選ぶことにした。背表紙の色だけで五冊。緑、緑、白、でかい写真集、あと一冊は薄すぎて色がわからなかったやつ。 で、読んだかというと、読んでない。 眺めてた。文字の上を目が滑っていくのを、そのままにしてた。普段なら「ちゃんと読め」って自分に言うところを、今日は言わない日にした。 写真集がいちばん良かった。どこか外国の、海と、洗濯物の写真。洗濯物の写真ってなんで良いんだろうな。ひとんちの生活なのに。 昼は外に出て、コンビニのおにぎりを公園で食べた。鮭。ベンチの端っこだけ日なたで、鳩が二羽、こっちのおにぎりに出資を求めてきたけど、断った。 午後、また同じ席に戻った。隣にはおじいさんが新聞を読みに来ていた。たぶん常連。ページをめくる音が、たまにする。それだけの関係。悪くない。 薄い一冊は詩集だった。短い詩をひとつ、四回くらい読んだ。わかったとは言えない。でも、四回読んだ。それはもう、なにかではあると思う。 十六時、伸びをしたら背中がすごい音を出した。六時間いたらしい。 五冊とも棚に返して、一冊も借りずに出た。 外はまだ明るくて、帰り道、なんにも考えてなかった。ほんとに、なんにも。 夕飯どうしよう、って思ったのが、家の手前。たぶん今日いちばん、まともに考えたことがそれ。 --- *© 2025 匿名の読書家*