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「お疲れ様です」が言えない新人時代

📅 2025-11-03⏱️ 4分✍️ 匿名の元新人
職場新人コミュニケーション不安成長
入社して1ヶ月。私は、まともに挨拶ができなかった。 「お疲れ様です」 たったそれだけの言葉が、言えなかった。 朝、オフィスに入る。周りの人は、笑顔で「おはようございます」と挨拶している。私も、小さな声で「おはようございます」と言う。でも、声が震えている。 誰かとすれ違う時、「お疲れ様です」と言わなきゃいけない。でも、タイミングが分からない。いつ言えばいいのか。相手が先に言ったら、どうすればいいのか。 考えているうちに、すれ違ってしまう。結局、何も言えない。 「感じ悪いと思われてるだろうな」 そう思うと、さらに緊張する。悪循環だった。 先輩に話しかけるのも怖かった。「質問していいですか?」と言うだけで、心臓がバクバクする。 「こんなこと聞いたら、馬鹿だと思われるんじゃないか」 「今、忙しいんじゃないか」 「嫌な顔されるんじゃないか」 色々考えて、結局聞けない。でも、分からないから仕事が進まない。 ランチタイムも苦痛だった。みんなで食べに行く。私も誘われる。でも、会話に入れない。何を話せばいいか分からない。黙って食べているだけ。 「つまらない奴だと思われてるだろうな」 そう思うと、さらに緊張して、余計に話せなくなる。 ある日、先輩に呼ばれた。 「ちょっといい?」 何か失敗したんだろうか。怒られるんだろうか。心臓が早鐘を打った。 「最近、元気ないけど、大丈夫?」 先輩は、優しく聞いてくれた。 「あ、はい、大丈夫です」 そう答えたけど、涙が出そうになった。 「無理しなくていいよ。分からないことあったら、いつでも聞いて」 その言葉に、少しだけ救われた。 それから、少しずつ変わっていった。 まず、「お疲れ様です」を言う練習をした。家で、鏡に向かって何度も言った。タイミングも意識した。すれ違う1メートル前に言う。そう決めた。 最初はぎこちなかった。でも、続けているうちに、少しずつ自然に言えるようになった。 質問するのも、少しずつ慣れてきた。「今、お時間よろしいですか?」と前置きしてから聞く。そうすれば、相手も嫌な顔をしない。むしろ、丁寧に教えてくれる。 ランチも、無理に話そうとするのをやめた。聞き役に徹することにした。相手の話に相槌を打つ。それだけで、会話に参加している気がした。 半年経った頃、後輩ができた。その後輩も、私と同じように緊張していた。挨拶の声が小さい。質問するのを躊躇っている。 私は、声をかけた。 「大丈夫?分からないことあったら、いつでも聞いてね」 先輩が私にかけてくれた言葉を、そのまま伝えた。 後輩は、ほっとした顔をした。 「ありがとうございます」 その時、気づいた。私も、成長したんだと。 今でも、人とのコミュニケーションは得意じゃない。でも、最低限のことはできるようになった。 「お疲れ様です」が言えなかった私が、今では自然に挨拶できる。それだけで、大きな進歩だと思う。 もしあなたも、職場でのコミュニケーションに悩んでいるなら、焦らなくていい。少しずつでいい。小さな一歩から始めればいい。 「お疲れ様です」が言えるようになる。それだけで、世界が少し変わる。 私は、そうだった。 --- *© 2025 匿名の元新人*