夜中の三時
そっと・4分

夜中の三時:推しができて、生きる理由ができた

匿名のオタク・4分・そっと

「明日、死んでもいいかな」

そう思っていた時期があった。

仕事は辛い。人間関係も疲れる。毎日が義務で、楽しいことなんて何もない。生きる意味が、分からなかった。

でも、死ぬ勇気もなかった。ただ、なんとなく生きていた。

ある日、友達に誘われてライブに行った。

アイドルのライブ。興味なかったけど、断る理由もなかった。

会場に入った。音楽が流れた。ステージに、キラキラした人たちが出てきた。

その中の一人が、目に留まった。

笑顔が眩しくて、歌声が綺麗で、ダンスが力強くて。なんだか、引き込まれた。

ライブが終わった時、心臓が高鳴っていた。久しぶりに、何かに感動した気がした。

「あの子、誰?」

友達に聞いた。名前を教えてもらった。家に帰って、すぐに検索した。

動画を見た。SNSをフォローした。ブログを読んだ。気づいたら、夜中の3時だった。

それから、私の生活が変わった。

朝起きる。推しのことを考える。仕事に行く。休憩時間に、推しの動画を見る。帰宅する。推しのSNSをチェックする。

推しの新曲が出たら、すぐに買う。ライブのチケットが発売されたら、必死で取る。グッズが出たら、予約する。

お金は、推しのために使う。時間も、推しのために使う。

それが、楽しかった。

「明日、ライブがある」

そう思うと、頑張れた。辛い仕事も、乗り越えられた。推しに会えると思うと、力が湧いてきた。

ライブ会場で、推しが笑う。手を振る。歌う。

その瞬間、「生きてて良かった」と思う。

推しは、私を知らない。私は、ただのファンの一人。それは分かっている。

でも、それでいい。

推しがいるから、明日が楽しみになる。推しがいるから、生きる理由がある。

オタクって、バカにされることもある。「現実逃避だ」「無駄遣いだ」と言われる。

でも、私にとっては、無駄じゃない。推しは、私の希望だ。

推しができる前、私は何のために生きているのか分からなかった。でも今は、分かる。

推しを応援するために、生きている。推しの笑顔を見るために、生きている。

それだけで、十分だと思う。

生きる意味なんて、大げさなものじゃなくてよかったのだ。

アイドルでも、俳優でも、漫画のキャラクターでも、動物でも。

何か、心が動くもの。私の場合は、それが希望になった。

私は、推しができて救われた。生きる理由ができた。

それだけで、人生が変わった。

― 匿名のオタク

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